畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

スノーダンプ考

2014-12-19 06:46:17 | 暮らし

 今では、雪国の暮らしに無くてはならない存在になった「スノーダンプ」です。
昭和40年代の初頭に出現した、この除雪用器具の威力は絶大でしたね。

 それまでと言えば、平な木を削って作った「コシキ(又はコスキ)」と呼ばれた木製の道具。
まっ平らな道具「コシキ」は、使うのにもコツがあり、屋根雪など面を雪に直角にして豆腐のように四角に切り、
滑らないように、バランス良く遠くへ投げたものです。

 そして、その他と言えば鉄製のスコップに頼るだけの除雪でした。
いえ、ただそれだけでは無くて、掘った雪を木製の橇に乗せて引いた記憶も有ります。

 最初に出た「スノーダンプ」は今とは少し形状が違い、両側のヘリは地面と直角。
そして、重くて大変なものでしたが、それでもスコップ何杯分もの雪を切り取りそして運ぶのですから、
画期的な発明で、除雪作業の能率を上げた器具でした。

 そして、その後「スノーダンプ」は色々と改良が加えられ、今では大体この形が定番になっています。
但し、素材は元の鉄製ばかりでなく、アルミ製、ステンレス製、そして驚く事に飛行機に使われる素材のチタン製も。

 家の前の除雪などもズズッーと雪を押して、「スノーダンプ」に乗せそのまま運搬して片付けます。
雪を流すための側溝「流雪溝」などが近くにあれば最高の条件で、乗せた雪を落として流すことになります。

 我が家を新築した平成時代の初冬辺りから、屋根雪の処理もボイラーに拠る融雪方式。
そして、我が家のような自然落下式と地下水に拠る融雪の組み合わせが多くなり、暮らしが変わりました。

 でも、今でも屋根に上がり人力でゆ雪下ろしをする家も多く残っています。
その屋根雪除雪でもこの「スノーダンプ」は大活躍をする事になります。

 陸屋根方式の斜度のある屋根は、上方に「スノーダンプ」を差し込み、上から下へと滑らせるのです。
しかし、これが大変な危険も伴い、思いがけない重くて大量の雪が乗ると、自分が押されて落ちかねない。

 私も姉の嫁ぎ先の作業所の屋根に上がり、この失敗をした事が有ります。
でも、幸い地面は柔らかな新雪に覆われていたので、アッと思った瞬間に屋根を蹴って建物から離れて軟着陸。
周囲で見ていた人もいて、驚いたようですが、運よく事なきを得たのでした。

 しかし、15日の月曜日に我が家から見える集落の、しかも一緒に仕事をした事もある方が事故で亡くなられた。
「スノーダンプ」に押されたと言うよりも、雪庇を落とすために屋根の端に近付き過ぎたのが原因らしい。

 同じ日にスベルべママの実家のある集落でも転落事故で意識不明の重体だという事件も発生。
先の亡くなられた方は83歳、後の方は66歳だと報道されました。



 これは近年発売され始めた商品名「スノーラッセル」です。
ポリカーボネイト製で固く、路面に凍結した雪をガリガリとすき取る際などに重宝します。

 色々と便利な器具が発明されたり、改良されたりで除雪作業も昔と様変わり。
随分と除雪に掛ける労力も軽減されたのも時代の流れです。

 我が家も屋根雪が自然落下式になるまでは、50センチも積ると新兵器の「スノーダンプ」でさえ半日仕事。
しかも、家の周囲に地下水を巡らせて居なかった時代は、下ろした雪の処理にまた半日。

 たまさかの休日と言えば、そんな風に朝から晩まで除雪で過ごすことが多かった。
いや、休日ばかりではなく、降雪のタイミングに拠っては平日の出勤前に下ろす事さえありました。

 「56豪雪」と今も語り継がれている、5メートル近い雪が積もった年は大変だった。
家の前の道路が狭くて、雪を下ろすと自動車の往来が出来なくなってしまう。

 そこで、若き日のスベルべ夫婦は早朝四時前に起き出し、遠くの様子をうかがいます。
除雪車の黄色い開店等の灯りが見えたら、二人で屋根に上がり道路に雪を落としました。

 まだ幼かった娘達が目覚めて、不在に気付き鳴き出しはしないかとひやひやしながら頑張りました。
大汗をかいて屋根を降り、家の周りの雪処理は後回しにして朝食を食べて出勤していたのです。


 さて、「暖冬小雪」の長期予報は今のところ外れていますね。
農天市場の建物はすっぽりと雪に覆われ、国道を行き来する普通自動車も屋根が見えるのみ。

 気象変化は複雑な要素がからむから、暖冬とか大雪厳冬とかひとくくりには言えないとも言います。
特に日本海の海水温が下がり切らず、水蒸気の発生が盛んな時期に寒波が襲来するとドカ雪になるとも。

 正に今回の雪がそれを証明するような形になったのでしょうか。
あまり有難く無い解説の当たり方ではありましたが



昨日午後の北堀之内駅です。
駅名標が半ば雪に埋もれてしまいましたが、もちろん脚は地表と平らな部分に有ります。

 除雪をしなかったら、あの背丈に近い積雪にホームも覆われます。
スベルべ他2名で、数回の除雪を繰り返しホームを綺麗にしました。が、電車は二日連続で運休続発でした。

 
コメント
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