三味線の音とまばらな笑い
「もし薬屋さん よく眠れる薬はないかい?」
「すみませんね お客さん うちは眠り薬は扱ってないんで なんと言っても うちは富山の おき ぐ~す~り~」
置き薬と起き薬とをかけてあります
三味線の音に続いて
「江戸の町に夕闇迫る頃 虫屋がこけた ―大丈夫かい?
大丈夫では ござんすが 売り物のカブトムシがカブトムシじゃなくなりました
(こけただけに)
転倒虫(てんとうむし)に
長谷川平蔵が夕闇迫る江戸の町を歩いておりますと
仕事を終えた大仏が歩いておりました
向こうからは水商売の綺麗なお姉さん
それを見ていた大仏 こけた
平蔵―大丈夫かい―と声をかけますと
こけたままの大仏が答えました―しゃかしゃま~」
お釈迦様と逆さまをかけた落ちです
他にも仕事を終えた木綿屋が こっとん(綿はコットン 駄洒落です)とこけた
しめの落ちは 厠へ入った平蔵 紙が無くて 「仏はあるが かみはない
誰かかみを かみを かみを」
なんまいだ なんまいだ
おしまい(四枚)だ~
で終わります
柳家シモンさん―の お話だったとか
娘を塾へ迎えに行き 待ち時間につけたラジオから流れてきましたが つい聴きいってしまいました
ラジオでも なんとなくその情景が目に浮かぶのです
言葉が大変 聞きやすかったです
ちょっと楽しかったので 及ばずながら聞き覚え
ここに書いております
娘に教えると 「おお おやじギャグ」「寒くない?」とか 言いつつ かなりうけておりました
寄席の雰囲気がいいなあ
聞きに行きたいな―と ラジオ聞きながら 思っておりました
とぼけた味わい 素敵な噺でした
帰宅してから検索したら
シモンは紫文と書くとか
柳家紫文さんについてのサイト↓です
http://www.yanagiyasimon.com/index2.html