巨人勝利をかような記事に作り上げた長男
そう彼は勉強以外では 手間を惜しみません
しかし阪神もシッカリ勝っていたのだった
ゲーム差は なかなか縮まりません――;
巨人勝利をかような記事に作り上げた長男
そう彼は勉強以外では 手間を惜しみません
しかし阪神もシッカリ勝っていたのだった
ゲーム差は なかなか縮まりません――;
雨の確率が高いはずでしたが ただ暑いだけです
今から降るんでしょうか
病院帰りに買い物してたら 冷たいモノが欲しくなり お昼も過ぎていたので お腹が空いて アイスコーヒーとオムライスを
家にも持ち帰り
私が一人で入るのは 開店から〇十年以上で持ち帰りができるお店が多いです
品数豊富なのも嬉しいこのお店でしたが カツカレーがメニューから消えてしまってました
美味しかったのに残念です
その喫茶店と同じ商店街にあるお茶屋さんでは アイスコーヒーやマーガリンにドレッシングも売っています
マーガリンを買うと いたまないようにと黙って氷を入れてくれてました
これが本当のサービス
お客への気遣いかもしれないと 帰宅して袋から出して嬉しくなりました
「おお大変や 仏像さんが殺されてはる」TVのニュースを見ていた正体不明の仏像のナナちゃんが物騒なことを言った
火事で炎上・・・・建物ごと仏像が燃えたらしい
「最近多いのよね 困ったもんやわ~」と弥勒菩薩のミロちゃんが言う
千手観音のセンちゃんは 冷蔵庫に向かう
ペットボトルの水をごくごくと飲み始めた
「ああ 分かった」とナナちゃんが叫ぶ
「燃えたら熱いあろうな~って思たんやろ そりゃ熱い思うで かなへんやろなあ」
仏像が喋るのには俺はもう慣れた
ー掛け布団はいらんけど 敷布団が欲しいねん 通販で売ってる健康にいいていうあれが欲しいねんー
そうねだられて・・その商品も買った
「なあ あんた」とナナちゃんが言う
「あんた ほんまに覚えてへんのか」
「薄情やわ 千早ちゃんは ずっとこんなボケが憧れの人やったなんて」とミロちゃんも言う
「しゃあないなアルバム出してみ 大学の」とナナちゃんが ポテトチップス食べながら言う「これ塩味ききすぎとちゃうか」
アルバムを開くと「ほれ ここに千早ちゃんおるがな」とナナちゃんは指差した
三つ網みの少女
教育実習に行った時のものだった
「おもろい教育実習の兄ちゃんは 千早ちゃんの憧れの人やったんや よう分からん趣味やけどな
駅で時々姿見かけるようになって 多少ふけてても 千早ちゃんには分かったんや 健気なこや 趣味は悪いけど」
それでナナちゃんは 俺の人となりを調査に来たらしい
「あのね だからってまだ好きかーなんてわからないでしょうよ」
「わしらはあんたを気にいったんや」
気にいらない男は寺へ入れてあげないもの」
ナナちゃん ミロちゃんが好きなことを言う
「千早さんは おかしな男に付きまとわれてる 駅前の骨董屋の息子 寺は値打ちのあるのやらないのやら骨董品が何やかやあるから」
ぼそっとセンちゃんが言う
「あああの変わった服着てる男」
金朱堂の息子は駅前のスナックでよく下手な歌を歌っている
狸柄の上着とか 髑髏形の帽子とか不思議なセンスの服を着ている
「あんなんに千早ちゃんはやれん やれんのや」
ナナちゃんは燃えていた「なんとかするんやで わしら応援は惜しまへんさかいに」
仏像トリオの妙な迫力に押され「分かった 今度デート申し込んでみる」
そう約束してしまった
したはいいが やはり寺に申し込みに行かなくてはいけないのだろうか
行って留守だと悲しいぞ
だが 千早さんはいた
「映画? わ それ観たかったんです 次の日曜日ですね 楽しみにしています
その為に わざわざ来てくださったんですか」
千早ちゃんは いい娘(こ)だった
これで仏像トリオがついてなければいいのに
まずは日曜日 映画見て 食事して 少し話をしてーそれからだ
と仏像トリオは映画が見たいーと言い出した
「勝手についてきたら いいじゃないですか」
「千早ちゃんに怒られるもん」とミロちゃんが拗ねたように言う
「こっそり 入ればいいでしょう」
と仏像トリオは何やら密談を始めた
悪い予感がする
きらきらきらきら こぼれる破片を指で掬い集める
その白い指の動きを見つめていた
藍地の浴衣に星は落ちる 夜空を見上げるその人の仕草は 舞いの所作でもあるかのように 流麗
ただ美しかった
銀青のラメが入った帯が揺れる 片流しの羽
その人が誰であったかも覚えていない
天に向かって手を伸ばすその仕草が まるで映画の一場面のように記憶に刻まれている
その場所が何処であったのかすら
夜 愉しげだったその姿を ただ覚えているだけだ
倒れて 繰り返し その光景を夢に見ていた
時々 現実が入る
「血圧下がってます」
「点滴交換します」
「大丈夫かな 聞こえてるのかな」
「あ・・指動いた」
どのくらい時間が経ったか分からない
目覚めると暗かった だから夜なのだろう
大体病院は9時が消灯だ
機械の音が聞こえる
口の中が乾いていた
水が飲みたいーと思う
無性に 祭りなどで売っていた 冷やし飴が飲みたかった
あれは母に手をひいてもらって行った祭り
たこ焼き アイスクリーム ふわふわの綿菓子
病弱だった母が珍しく 浴衣着て 俺にも浴衣を着せてくれた
青い兵児帯結んで
迷うと二つとも買ってくれたお面
母が死んだのは俺が十歳の時だった
父に「今度は元気な奥さんもらってね」そう言い残して
それから5年やもめを続けた父は・・・会社の部下の女性を結婚した
それを機会に俺は 死んだ母の両親の家から近い高校を選び 家を出た
再婚した父には 妻となった人との間に子供ができる
その新しい家庭の中で よそモノのような気分を味わいたくなかった
俺はそのまま大学に進み 祖父母と暮らし続けた
彼らが死ぬまで
就職し結婚すると 祖父母の家に少し手を入れそこへ住んだ
古いが広さだけはある家だった
この春 下の子供も無事に就職し 妻は長いこと手伝いに行ってた近所の弁当屋から 続けて後をやらいないかーと言われてるらしい
「定年になったらー手伝ってくれるでしょう?」
一緒に年一度は旅行に行こう
約束したあれこれ
それらが浮かんでは消える
長かったのか 短かったのか
俺は本当に目覚めているのか
これも夢の中ではないのか
ふっと窓の方に視線を移して驚いた
そこに人がいる
藍地の浴衣
ピンクに銀青のラメが入った半幅の帯
ああ 思い出した あれは死神だ
彼女は幼かった俺を見て こう言ったのだ
ー死ぬには早すぎるわね 貸しておきましょう いつかまたー
では では今がそうか 俺は死ぬのか やはりこのまま
「いい人生だった?」
そう彼女が聞く
白い花のように美しい顔で 不思議な表情湛える深い瞳で
彼女が窓を開けると 外にはいっぱいの星が流れている
俺の人生は夢だったのだろうか
それともちゃんと存在したのか
星が見る夢の一つに過ぎなかったのではないのか
漠然とした不安にかられる
辛抱強く彼女は返事を待っていた
「これ以上ないほど いい人生でした」
そう答えると「何か願いはないですか?」と尋ねてくる
願い・・・・・
「妻が 妻の残りの人生が幸福であれば」
子供達はいい それぞれ頑張って生きてくれるはずだ
ただ これから年老いるだけの妻は・・・そればかりが気がかりだ
「わかりました」
優しい死神は微笑む
その微笑に俺はひどく安心する
瞼の裏に星が 降ってくる・・・・・・
ー:-:-:-:-:--:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:
「それで時々弁当買いに行ってるのか その店に」
不死の一族の 美人死神に惚れてる男は言う
いっぱいの弁当を提げた美人死神は 「うるさいわね ストーカー」
傍らに弁当箱積み食べ始める
「お・・・おい そんなに食べたら太るぞ」言いながら太った死神って見たことがないなーと考える
「おせっかいで 面倒見がよくて 情にほだされやすくて 死神に向いているとも思えない」と美人死神の相棒の男の死神も言いながら こちらはしっかり弁当箱を掠め取り 不死の一族の男にも分けてやる
「アンタ達ね 食べたかったら自分で買いなさいよ」
煮物を箸でつまみながら美人死神は睨む
昔 小さな男の子を連れていた若い母親には別の死神がついていた
彼女の仕事は祭りの夜 男の子の魂を狩ることだった
できなかったのだ
男の子を楽しませようと自分の命が短いことを知っているかのように 必死に元気出してる母親を見ていると
その男の子を母親の目の前で死なせることは
代わりに他の男の命を狩ったが
それが死神に向いてない資質ならそれもいい
好きでしている稼業(死神)ではないのだから
開き直って美人死神は思うのだ