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「善徳女王」公式ガイドブック 上巻 |
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前回の記事は、こちらから。
アルチョンとユシンがトンマンの傍に控えてました。そして、言いました。
「この方こそ、予言通り天を開く開陽者だ。」
民はもう、その劇的な登場の仕方に、畏怖の念を抱いたことでしょうね。
マヤ夫人がトンマンの手を引いて、民の前に連れて行きました。そこで、自分がトンマンを産んだ時の話をしたんです。
全て、予言の全てを知らずに間違った考えでしたことだ・・・と。罪は自分にあると。だから、トンマンの地位を回復してほしい・・・と。
真平王も、その傍に立ち、民に許しを請いました。
そして、トンマンにも許しを乞うたのです。
トンマンは、初めて父真平王の手を取りました。
王は、トンマンの手を高く掲げ、言いました。
「この者こそ、私の娘、神国の王女、トンマン王女だ。」
民は狂喜しました。これまでトンマンを支えてきたチュクパンとゴド、テプンとコクサフン、新しく仲間になったウォルヤとソルチも、嬉しそうでした。
その中でただ一人、ユシンだけが複雑な表情をしていましたね。これでもうトンマンが自分と結ばれることはなくなったということですからね。自分とは主君と家臣の関係になったわけですから・・・。
トンマンは、真平王に正式に挨拶しました。王は、トンマンに自分を恨んでいるであろう・・・と言いました。
そしたら、トンマンは正直に言いました。
「はい。」
・・・と。でもすぐに今は理解できます・・・と言いました。
「王とは、我が子さえも捨てなければいけないことがありますから。」
ただ、恨みに思うのは、自分を捨ててまで進む覇業の道だったら、もっと力を養うべきだったということだと。ミシルに対抗する力を養わないで来たからこそ、トンマンを殺せと命令しなければいけなくなったし、チョンミョンを失う事にもなってしまったのだ・・・ということですね。
だから、自分はチョンミョンの代わりに、ミシルと対決すると宣言しました。
ミシルは、トンマンが見事に自分をだまし、自分ともあろうものが騙された揚句に、トンマンを王女として認めざるを得ない状況になり、自分に代わって天意を示す者として現れた事が、流石にショックだったようです。
でも、この逆風の中でも、必死に態勢を立て直そうとしてます。お見事ですな。
まず、双子だと騙して来た王の罪を見逃す代わりに、税の配分を有利に導き、その富を元に、大臣や貴族を味方につけようとし始めました。
そして、次に、自分を裏切り、トンマンについたウォルチョン大師を捕らえるよう命じました。もし、捕まえられなかったら、殺しても良い・・・と。
でも、これはユシンとアルチョンの働きで、阻止。
大師はトンマンの元に来ました。
王女となったトンマンは、花郎の主となりました。
アルチョンを近衛花郎とし、彼の隊を近衛郎徒としました。また、花郎を平等とし、腕比べでのみ実力を認めることとする・・・と決めました。
そんなトンマンを見て、ピダムは嬉しそうでしたね。王族なのに、ちゃんと自分の様な者にも謝罪したりお礼を言う・・・と。
トンマンがまずしたことは、ウォルチョン大師と共に、天文台の建設でした。
この一件で、トンマンはミシルから神権を奪いました。しかし、天の力を利用するのは、今回のみだと大師に言いました。
つまり、民心を掴むために、天を利用するのは止め、天文学を民にも解放するということです。そうすることによって、民は農作業のやり方とかを学び、豊かな生活をおくれるようになる・・・と。天気の理由など知らなくても利用する方法を少しずつ知って行く、民はそのように一歩ずつ進歩して行くのだ・・・と。
でも、ミシルは、奪った神権なら、掴んでおけと言いました。それによって支配すべき立場にあるのだから・・・と。
それなくして、どうやって民を支配するのだと言うのです。
トンマンは、その言葉に一瞬怯みました。しかし、すぐに言いました。
「自分と同じ希望と夢を持った民と一緒に、新しい新羅を作っていく。」
まだまだトンマンは未熟ですし、経験も足りません。
これからですね、トンマンの国造りは。それに、ミシルも手ごわいですからね。