ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「医師がすすめる新潟式食事術」(五十嵐祐子著;アスコム)

2021-05-31 20:27:37 | 読む

新潟の代表的な郷土料理の一つに、「のっぺ」がある。
根菜をはじめとする野菜が中心の煮物料理だ。
もっとも、私の育った地域では、「のっぺ」ではなく、「こにもん(小煮物)」と呼んでいたが、多少の違いはあっても同じようなものだ。
そののっぺをはじめとした料理や食材に注目したのが本書である。

著者は、新潟県上越市出身で、循環器専門医の五十嵐祐子さん。
後期高齢者の一人当たりの医療費が全国で一番少ないのが新潟県だと話題提起し、ということは、医者に頼らない、元気なお年寄りが日本一多いのが新潟県なのだ、と力説し、県民に自信を持たせてくれる(!?)。

特徴的なところでは、
〇根菜の消費量全国1位…根菜は、長寿の栄養素として今注目の食物繊維の塊。
〇豚肉の消費量全国1位…豚肉には、老化、寝たきりを防ぐために、絶対に必要なたんぱく質、ビタミンなどが豊富に含まれている。
〇枝豆の消費量全国1位…枝豆は、肝機能を整えるオルニチンがたっぷり含まれている。
〇そのほか、トマトなどの生鮮野菜も全国屈指の消費量を誇っている。

新潟県は、そんなに長寿県であるとは言えないけれども、後期高齢者の医療費が少ないのなら、元気な人が多いということだ。
平均寿命が高くて長寿であっても、元気でなくて医学の力で生かされているだけなら、幸せとは言い難い。
だから、「死ぬ直前まで元気でいることこそが、健康で幸せな人生」と、著者は主張する。
総合的に考えて、新潟県は、実は「隠れた真の健康県」なのだと結論付けた。

本書では、新潟の家庭料理、伝統料理の健康効果を研究することによって、新潟式食事術を開発しようと試みている。
その新潟式食事術の具体例を、次のように挙げている。
その1   根菜・キノコ・海藻で食物繊維をたっぷりとる
その2   発酵食品をよく食べる
その3   冷やご飯をよく食べる
その4   健康おつまみで、飲んだ体への罪滅ぼし 日本酒消費量№1
その5   豚、鮭でタンパク質をたっぷり補給
その6   新潟のカラフル野菜とソウルフードで、長生き生活

そして、著者が考えた具体的なレシピをいくつか紹介し、健康な食事例を提供している。

最後には、人と人との交流がフレイル予防に欠かせないことや、寒い冬こそダイエット本番だとも言っている。
たしかに、新潟だと、冬は雪除けをせざるを得ないので運動はしていることになる。

…とまあ、こんなふうに話が展開していて、字数も少なく読みやすかった。
内容としても、食で健康、と、新潟県人として誇らしく思ってしまう。

おいしい新潟清酒を飲みすぎないようにして、新潟の料理や食材を生かして食べ、「死ぬ直前まで元気でいる、健康で幸せな人生」を送っていきたいな、と思った次第である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする