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明日潟((あすがた)を巡る砂利道の上り坂を駆け上がる
上り切るとオレンジ色の木もれ陽が行き先を包む
自然とストライドが伸びるゆるやかな下り坂
その脇にすっくと首を持ち上げて立つヒメジョオン・ヒメジョオン・ヒメジョオン
夕陽に照らされた柔らかな緑色の葉が
風で揺れる 大きく揺れる
茎から枝分かれしたいくつもの白い花々も
首を大きく振るように 右に左に大きく動く
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 咲いている
そのそばを あえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
ヒメジョオンよ 君はこの場にすっくと立つことで
私はこの場をすっすと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
駆け行けば明日潟のほとりに出る
水鳥が憩うそのそばを つもりはないが脅かすように足音立てて走っていく
近くの家の生垣から首を出すように背を伸ばし咲いているタチアオイ・タチアオイ
赤で模様の描かれたような白い花 茎の下から上の方に咲く
上の花まで咲いたなら梅雨が終わりになる という
潟の面を吹き抜ける風に揺れながら 風に負けずに揺れながら
折れないようにぴしりと立つ
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 咲いている
そのそばを あえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
タチアオイよ 君はこの場にぴしりと立つことで
私はこの場をずんずんと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
明日潟に別れを告げ 車行き交う舗道を走り行く
自転車びとに抜かれながら 追いつけないと知っていながら追い駆ける
歩道と車道の隙間にひょろひょろと何故に生えたかエノコログサ
あと二メートル左に生まれていれば もっと自由に根を張れたものを
走る車にあおられながら 走る車の汚れたガス浴びながら
細い茎 細長い葉 頭に重い穂をかかえても
しなやかに そしてしたたかに ひょうひょうと風に揺れている
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 生きている
そのそばをあえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
エノコログサよ 君はこの場にゆらゆら立つことで
私はこの場をひゅんと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
ああ その場を動けぬ君たちなれど
その場に立ち続け自らの生を主張する
ならば私は 汗を流してこの場を去ることで
自らの生を主張しよう
だから私は 走る 走り去る 走り続ける
上り切るとオレンジ色の木もれ陽が行き先を包む
自然とストライドが伸びるゆるやかな下り坂
その脇にすっくと首を持ち上げて立つヒメジョオン・ヒメジョオン・ヒメジョオン
夕陽に照らされた柔らかな緑色の葉が
風で揺れる 大きく揺れる
茎から枝分かれしたいくつもの白い花々も
首を大きく振るように 右に左に大きく動く
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 咲いている
そのそばを あえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
ヒメジョオンよ 君はこの場にすっくと立つことで
私はこの場をすっすと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
駆け行けば明日潟のほとりに出る
水鳥が憩うそのそばを つもりはないが脅かすように足音立てて走っていく
近くの家の生垣から首を出すように背を伸ばし咲いているタチアオイ・タチアオイ
赤で模様の描かれたような白い花 茎の下から上の方に咲く
上の花まで咲いたなら梅雨が終わりになる という
潟の面を吹き抜ける風に揺れながら 風に負けずに揺れながら
折れないようにぴしりと立つ
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 咲いている
そのそばを あえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
タチアオイよ 君はこの場にぴしりと立つことで
私はこの場をずんずんと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
明日潟に別れを告げ 車行き交う舗道を走り行く
自転車びとに抜かれながら 追いつけないと知っていながら追い駆ける
歩道と車道の隙間にひょろひょろと何故に生えたかエノコログサ
あと二メートル左に生まれていれば もっと自由に根を張れたものを
走る車にあおられながら 走る車の汚れたガス浴びながら
細い茎 細長い葉 頭に重い穂をかかえても
しなやかに そしてしたたかに ひょうひょうと風に揺れている
こんなに強く吹き抜けていく風に
負けることなく 折れることなく 生きている
そのそばをあえぎながら私が走る 汗を流しながら過ぎる
エノコログサよ 君はこの場にゆらゆら立つことで
私はこの場をひゅんと走り去ることで
自分の生命の火を燃やしている
ああ その場を動けぬ君たちなれど
その場に立ち続け自らの生を主張する
ならば私は 汗を流してこの場を去ることで
自らの生を主張しよう
だから私は 走る 走り去る 走り続ける