正月早々、大きな地震

「正月だけど、動かないと体に悪いから」と、妻と娘は、かすかに雨が落ちる中、一番近い神社に散歩に出かけた。

家には私一人が残って、サッカーの日本代表対タイ代表の試合を見ていた。

 

試合が終わって４時頃、森保監督のインタビューになったとき、緊急地震警報の警告音がテレビから響いた。

その警報の結果は、「石川県の珠洲市で震度４」と知って、それからニュースを注視していた。

 

すると、4時10分頃、今度はテレビだけでなく、自分のスマホからもけたたましい警告音が鳴り出した。

しだいに横への揺れが大きくなり、グラグラと縦にも揺れ出した。

簡単には終わらない揺れに焦りも感じた。

頭上の蛍光灯のひもや室内の洗濯物などが大きく揺れていた。

とりあえず目の前のテーブルを、しがみつくようにつかんでいた私だった。

 

これは、相当大きな地震だぞ、と思った。

テレビの映像では、石川県内を写していたが、遠方に大きな土ぼこりが上がっていた。

あれは、家がつぶれたということではないだろうか？

 

速報では、震度３以上が観測された地域は、

震度７　　石川県能登

震度６弱　新潟県中越

震度５強　新潟県上越　新潟県下越　新潟県佐渡　富山県東部　富山県西部

やはり大きな地震だったのだ。

 

そして、直後に大津波警報が発令された。

「今すぐにげて」と女性の声でくり返し音声が流れるようになった。

当地は、海岸からは１０ｋｍ以上離れているから、３ｍの津波と言っても大丈夫だろう。

 

ところで、散歩中だったわが家の2人はどうした？

あれだけ揺れたのだから、さぞかし驚いたことだろう。

…なのに、2人はなかなか帰って来ない。

「もしや、何かあったか？」

「地震で娘の体調が悪くなったか？」

などと思い、電話してみたが、2人とも電話はつながらずすぐに終了となってしまった。

災害だからつながりにくくなってしまったのかもしれない。

何度か外に出て帰って来るか、遠方を見てみたが、気配がない。

ますます心配になった。

 

わが家の2階では、大きいこけしが１つ転がって落ちていた。

後でわかったが、台所のミニ鏡もちの上に載せていたゆずが零れ落ちていたようだ。

ほかに落下物等はなかった。

 

しばらくして、ようやくうちの2人が帰ってきた。

ところが２人とも、反応はのんきなものだった。

「警報が鳴って驚いたけど、近くの電線が揺れていたから、地震だと分かった」

「でも、全然大したこと、なかったよ。だから、元旦からやっているスーパーをのぞいてきた」

…だと。

2人がいたところと私の家とは、１ｋｍくらいしか離れていないはずだ。

なのに、どうしてこうも感じ方が違うのか！？

私がいくらこの地震でわが家が大きく揺れたから「心配した」「電話もしたけどつながらなかった」と言っても、信じてもらえなかった。

まあ、いいや。2人が無事だったのだから。

 

2人は、その後のテレビのニュースで、大きい地震だったのだということをようやく理解した。

当市では、震度４と発表されたが、私の感じ方ではもっと上の地震だった。

そして、うちの2人は、まったく大きな地震とは感じなかったのだから、ならして考えると震度４も妥当なところらしい。

 

県内では、結構被害が生じているようだ。

新潟市内にいる息子は、断水中だとLINEを送って寄越した。

同じく新潟市内の海岸に近い方に住んでいる、姪っ子的存在の親類からは、液状化現象が起こって、避難所の小学校に子どもたちを連れて逃げているということだった。

 

かつて新潟県で起きた中越地震のように夕方の地震だったから、被害の詳細は明日以降明らかになることだろう。

石川県輪島市では火災も起きていて、被害が大きくなりそうなのが心配だ。

また、津波の情報が刻々と変わっているが、これ以上大きな津波が来ないでほしい、被害が最小限であってほしい、と祈っている。

 

今日の午前中、日本海を見たくて風の強い海岸に行ってきた。

波が荒く押し寄せていた。

まさかその同じ日に、海からのさらに大きい津波を恐れなくてはならなくなるとは思わなかったが…。