【社説・12.27】:雪への備え 除雪作業中の事故に注意
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.27】:雪への備え 除雪作業中の事故に注意
今冬は大雪の可能性が指摘されている。雪への備えを万全にし、除雪作業中の事故に遭わないよう気を付けてほしい。
新潟地方気象台によると、県内は27日から28日にかけて山沿いを中心に降雪量が多くなり、大雪となる所があるという。
既に山間地を中心に平地でも雪が積もった所がある。気がかりなのは、1人で除雪作業をしている高齢者のことだ。
24日には今冬初めて除雪中の死亡事故が起きた。上越市板倉区で76歳の男性が自宅近くで除雪機に下半身を巻き込まれて下敷きになった。1人で作業していた。
除雪作業は無理をせず、複数人で行うことが肝要だ。
除雪機の取り扱いにも十分注意を払ってもらいたい。
屋根の雪下ろし中の事故も心配だ。高所からの落下や側溝への転落の恐れがある。事前に危険箇所を確認し、ヘルメットや命綱を身に付けることが大事だ。
長岡市の中越防災安全推進機構は、除雪時に事故があった際に身近な人へメールで伝えるスマートフォン用のアプリを無料公開している。事故時の早期発見、救出に向けて活用してほしい。
一気に大雪が降った場合は、除雪の担い手確保が難しくなる。
長岡市山古志地域のNPO法人は地域有志でつくる除雪の共助組織と有償で雪かきに協力する人とのマッチングに取り組んでいる。
こうした持続的な担い手確保を目指す仲介の仕組みが機能すれば、過疎地などの支えになる。他地域にも参考になるだろう。
2022年に大雪のため中越エリアの平地で大渋滞が発生し、長時間ドライバーらが車に閉じ込められたことは記憶に新しい。
今冬も万一に備え、車中に携帯トイレや毛布、飲料水、食料などを用意しておきたい。
道路は緊急車両も走る生活に不可欠なインフラだ。大渋滞を引き起こさぬよう国や県、市町村、除雪に当たる建設会社などは連携を密にして臨んでもらいたい。
交流サイト(SNS)に虚偽情報が流れたら大混乱を引き起こしかねない。雪や交通情報に絡む悪ふざけは厳に慎まねばならない。
一方、雪は恵みでもある。暖冬少雪だった昨冬は県内スキー場の入り込み客は少なく、周辺の宿泊施設や飲食店なども打撃を受けた。その点では今冬は順調な滑り出しといえよう。安全で魅力的なスキー場運営を期待したい。
元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年12月27日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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