四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

さらば八月

2008-08-31 06:03:41 | 俳句
 『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず』で、過日の炎天・熱帯夜の八月も過ぎ去ろうとしています。あかざ句会での感銘句をご紹介します。

★カンナ朱(あか)し戦を語り継がず逝く  教子

★敗戦忌溶けかかりたるチョコレート   とし子

★白日傘風と行きつく能楽堂   英子

★項垂(うなだ)れしひまわりがゐて君が居て  恵美子

私の作品  冷したるミルクの手向け長崎忌   駿
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自転車で棚田へ

2008-08-29 06:34:18 | 生かされて今日
 久しぶりの秋晴れなので、実りの棚田に逢いにサイクリングしました。我が家から海沿いに横須賀へ出て、坂道を自転車を引いて葉山の棚田へ2時間くらいで到着しました。
 途中、日蓮聖人ゆかりの古刹や祈祷場であった小さな滝、神社に立ち寄り、涼しい風を受けておにぎりの昼食。
初めての道で人に聞きつつ行きました。稲穂が垂れ始めて、むら雀がたかっていました。
素晴らしい稲の香りに包まれて満足しました。日本人の原点はタンボです。
はざを作っていたおじさんに聞くと、来月下旬が稲刈りだそうです。
 射殺された「ペシャワール会」の伊藤和也さんが夢に見た風景でしょう。
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殺すなかれ

2008-08-28 06:42:23 | 生かされて今日
 NGO「ペシャワール会」の伊藤和也さんが射殺されました。外務省の稚拙なドタバタ報道振りも情けない限りで、ご両親のお心を思うと言葉を失います。
 文明がいくら進んでも人間の殺しあう愚行は日常茶飯事で、私どもの心も麻痺して無関心となりやすいのも悲しい。
「殺すなかれ」でさえ守れない人間の絶望的な業なのでしょうか。
2500年前、自国が滅ぼされるのを止め得ずしてお釈迦さまは敵軍の進撃する道に座して居られたそうです。南無妙法蓮華経
 
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爺ちゃんが教える遊び

2008-08-25 06:27:32 | 生かされて今日
 夏休みも残り少なくなりました。切りかえて宿題にスパートをかけないといけませんね。立正佼成会横浜教会の腕自慢の爺ちゃん達が、ひ孫のような子供たちに木工遊びを教えようと奮戦中です。
木っ端を使ってノコギリやハンマー、キリなどの工具もそろえ、少年少女と共に作品に挑んでいました。子供たちは集中して頭も上げず真剣そのもの。
ジイちゃんもわき見もせずに打ち込んで、本来のあたたかい大家庭の姿を再現していました。
核家族化が進んだうえに、何でもお金で買えるために手づくりする習慣が消えて行きそうです。細かな作業、指のこなしは机上の学習で得られない経験ですし、じじ、ババや親との温かい夏休みの思い出を刻んでくれるでしょう。ジイちゃんたちお疲れ様でした。
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八ヶ岳のおいしい風

2008-08-22 18:39:43 | 生かされて今日
 初めて北八ヶ岳に行きました。登山はずぶの素人ですから百人も乗せる電車の如きロープウエイで2237Mへ一気です。さすがに深呼吸を繰り返す清浄な大気です。
ガイドさんに連れられてシラビソ(松の一種らしい)の山道、岩道を白駒池まで約3時間、樹海を歩きました。予想以上にハードな道でジックリ楽しむつもりがオッカナビックリ一生懸命の歩きになりました。
夫婦でペアのいでたち、杖に皮靴の本格派が多いです。
私たち夫婦はいかにも素人登山のスタイルでしたが、幸いにも雷雨に一度も逢わず満足した高地散策となりました。会社の保養寮が多いです。別荘を持ってる奴はいないかなぁ。

  ♪シラビソの木蔭すずしき小休止   駿

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日本の偉大な美術

2008-08-19 06:20:24 | 生かされて今日
 「対決 巨匠たちの日本美術」と役人離れしたタイトルの展示会が上野国立博物館で開催、最終日でした。誇大広告にあらずして迫力に跳んだもので、各種美術の最高峰を対比させてくれました。「運慶対快慶」、「狩野永徳ー長谷川等伯」、「円空ー木喰」、「歌麿ー写楽」などの好取り組みの連続です。
これだけの名品をよくぞ集めてくれたとお国の力に感心しました。博物館も独立財政になり親方ヒノマルから種々工夫をこらす様になりました。
 木喰上人の自身像は両のほっぺのもりあがりが光り、尊い人格を発散させていました。
俵屋宗達を模倣した尾形光琳の「風神雷神図」は初めて観ました。雪舟、与謝蕪村の絵も素晴らしい。伊藤若冲のにわとりは飛びかかつてくるようです。
 文明開化で西洋かぶれし、多数の名品が海外へ流失したのは情けない。この頃の文書がナンデモカンデモ横書きでこまったものだ。日本の伝統は「縦書き、縦じま」で、このブログも早く縦書きにしたいと思います。
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幼子の献花

2008-08-16 09:06:42 | 生かされて今日
 戦争犠牲者慰霊と平和を祈る式典が立正佼成会横浜普門館で開催されました。仏前におさなご達が花を献じ、豊かな日本の下ずみとなられた三百万人の犠牲者の霊魂に法華経を読誦しました。
中国大陸、朝鮮の奥地やシベリアの凍土で、ビルマ等の密林の中で、大海原に沈んで、空に散華したり、南洋諸島に、沖縄の艦砲射撃や地上戦で、広島や長崎で、B29の焼夷弾に焼かれ、BC級戦犯として処刑等など遺骨も無き犠牲者の悲しみを思いました。

 世界宗教者平和会議日本委員会(庭野日鑛理事長)は北海道洞爺湖サミットへ提言をいたしました。核兵器の廃絶、軍事費削減による環境保護、テロ・武力行使への対決など世界の宗教者が手を組んでおろかな人間の独走を止めるために、福田首相とも会談しました。「戦争の為に危険をおかすよりも、平和の為に危険をおかすべきである」と。
この愛くるしい幼子達を戦場へ投げ込むことは大罪であります。
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かなしい日だ

2008-08-15 05:57:33 | 生かされて今日
 今日は終戦記念日。戦没者への追悼と平和の犠牲へ感謝する日。そして政治家や学者、官僚に二度と痛烈なこの大失敗をおこさせぬ覚悟を決める日です。
追悼の歌を捧げます。

ほの匂うにがうりの花の黄に咲きて匂うがままに逝きし乙女ら  狩集祥子
@ひめゆり部隊の看護少女たちよ、やすらかに。
十七歳の復員服を涙して亡母(はは)は濯ぎぬ星の明りに   島村宣暢
@人知れず流された涙の海よ。
寝(い)ねやらず過ごしたまいしわが兄は召さるる朝を硯洗えり 中谷義人
@遺書を徹夜で書かれたのであろう。その弟の悲しみよ。

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現代の秀歌(朝日歌壇)

2008-08-12 16:51:31 | 歌の花束
今、ふるさとへの帰省客が多いでしょう。家族の情をより深められるといいですね。

 わが家から見る大山(だいせん)が
   いちばんと思いて固定資産税納める   表 いさお

 @役人の浪費を聞くと虚しいが、かく美点を見つけると納得して払えますね。実感。
大泣きに勝者も敗者も泣く夏は
       帰らぬ河の水のかがやき     小林 昇

 @甲子園だけでなく人生万般は河の流れのようですね。小川かもしれないが。
子の口はやさしく
   噴火するように異邦人との結婚をいう    橋本美知子

@ひそかに抱いていた夢が異なりショックでしょうが、日本人の異邦人もおおいですよ。きつと作者も同じ思いを親に与えたのではないでしょうか。順送りの如し。
ためらわず洗濯機へと放りこめ
     夏の日の恋匂うTシャツ    船岡みさ

@失恋は身を切るが、恐れてはだめだ。放りこめがいいですね。

三人の兄妹なれば三人を産むと語りし嫁有難き     日永田政好
@私もこのような嫁が子に来て欲しいです。幸せですね。お国のためにも。
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長崎

2008-08-09 21:48:31 | 生かされて今日
 今日は長崎の原爆忌です。米軍従軍カメラマン・ジョー・オダネル氏が撮影した「焼き場に立つ少年」の写真には、涙を抑えられません。
妹のなきがらを背負い直立する少年は特定されていないそうです。この炎天に焼かれた市民や放射能に苦しむ方々の悲惨、地獄絵にただ合掌するばかりです。戦争を二度とさせない政治を創り上げましょう。

 屍背負(かばねしょう)う少年の日ぞ長崎忌
 冷しミルクも捧げたてまつる長崎忌
 炎天の汽笛三声ながさき忌
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秋の立つ

2008-08-08 06:24:24 | 生かされて今日
 横浜石川町は、文明開化の幕末明治の頃に来日した外国人相手の物売りがスタートの商店街です。すぐ近くには横浜中華街があり、今は瀟洒なお店が建ち並ぶ石畳の元気な町です。
今日は歩行者天国となり、ジャズバンドの演奏を老若男女が楽しんでいました。貿易港ヨコハマはジャズ流入の玄関でした。
 私は港の見える丘公園に隣接する神奈川近代文学館からJR石川町へ下りてきました。
石川町かいわいはこれからが本番の夏夕べです。
 甲子園では家の近くの地元・横浜高校がモタモタながらも初戦突破。ふるさとの鹿児島実業高校も大勝してうれしいです。
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広島の日

2008-08-06 05:21:10 | 生かされて今日
 広島平和記念日,広島原爆忌
63年前の昭和20年8月6日午前8時15分、米軍のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」が、広島市上空で世界初の原子爆弾を投下した。熱線と衝撃波によって市街は壊滅し、約14万人の死者を出した。その後、原爆症等で亡くなった人を含めると、犠牲者は25万人以上にのぼるそうです。赤ん坊から年寄りまでを無差別に焼き殺し無惨。
  80年前ガンジー翁が世界へ警鐘を鳴らされた言葉。七つがそのまんま当てはまる地球の悲しさよ。
 1、理念なき政治 2、労働なき富   3、良心なき快楽 4、人格なき学識
 5、道徳なき商業 6、人間性なき科学 7、献身なき信仰

 文明の発展が温暖化を招き地球の破滅が懸念される段階に達しましたが、私は釈尊の予言を信じ人間の英知の復権を期待します。
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家庭の温み

2008-08-03 06:27:05 | 歌の花束
 家族のいたわり合う歌をどうぞ。家族の温みこそが世界平和のモデルだ。

わが靴を木陰に磨く父ありて倒れかけたる決意を立たす   岩元秀人
 お父さんが自分の黒靴をみがく後ろ姿に、ヨシと励まされ家庭の温みが伝わります。
ネクタイの結び方教えてやりぬ十年籠りてバイトに出る子に   折笠道男
 孤独地獄からはい上がる子への応援歌で、十年間の父子の苦悩がしのばれます。
みどり児は寝息を奏でる妹のかつてホルンを抱えし胸に    窪田稔美
 妹が夢多き娘から母親に変身していることに驚きと兄妹の幸せをうたいました。
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広島・長崎・終戦そしてお盆

2008-08-01 18:03:25 | 生かされて今日
 「夜の秋」という夏の季語があります。日中は耐えられない炎暑ですが、朝晩に吹く風は秋のきざしをささやいてきます。つまり夏と秋とが入り混じる微妙繊細な感覚をにじませる季語です。
 この八月は現代日本人が忘れてはならぬ悲劇の月です。
「8月6日」は広島原爆の日、世界で最初に非戦闘員の老若男女までも殺戮した原爆投下の日。
「8月9日」は長崎原爆の日です。この炎天にむごたらしく焼かれ、水を求めてさまようた犠牲者を想い、戦争だけは禁止しなければ私たちの孫子を同様な地獄へ突き落とすと心に刻む日です。
「8月15日」は敗戦日、300万人の死者のみ霊へ鎮魂の情を捧げましょう。いつどこで戦病死したかもわからずに、遺骨収集もされぬみ霊を慰めるのは生きている私たちのせめてものお返しだと思います。家に帰られたご先祖さまの霊魂と同様に。南無妙法蓮華経
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