私は毎日のことを日記につけておく習慣で、朝、何時に起きて、だれに会い、どういうことがあったか、一日の出来事を記録してきました。
それを若いときからずっと続けていると、世の中のこと、自分自身のことが、だんだん客観的に見られるようになっているのに気づけるのです。
また、あらためて振り返ってみると、果たしてここを乗り越えることができるだろうかと思うような難題にぶつかって必死の思いで生きていたときこそ、自分が成長する大きなチャンスになっていたことが、分かってきます。
簡単な記録であっても、読み返すと、その時々の記憶が鮮明によみがえってきて、かけがえのない自分史になっているのです。
なによりも大事なことだと思うのは、その記録を通して、「これまでの自分の人生に起こったすべてのことが、一つとしてむだなものはなかったのだ」と、しみじみと思えてくることです。ですから、その日の日記の最後に、「本当にありがたいことだ」と書き加えずにいられなくなるのです。
庭野日敬著『開祖随感』より