四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

五島美術館にて

2024-06-12 06:28:24 | 生かされて今日

五島美術館古経楼 文化遺産オンライン 慶応大学の小川剛生先生の勅撰和歌集の講演を聞きに上野毛へ参りました。先生は徒然草の兼好法師の素性を明かされ、世間をビクリ仰天させた気鋭の学者です。

五島美術館はお庭も素晴らしいです。クチナシの薫る茶室や巨岩、大木の谷が都心であることを忘れさせます。古墳もあるんですよ。

 展示室の入口で伝運慶作という大きな愛染明王に魅せられました。なんと右に弓矢、左手に弓を持っておられてとてもNOWなお姿です。戻っては三たび拝みました。素晴らしい。ありがとうございました。

  「愛染明王のときめく弓矢風涼し」駿

 

 

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大室山の山焼き

2024-02-19 13:16:56 | 生かされて今日

 伊豆半島伊東の大室山山焼き見学に参りました。山頂580メートルのお椀型で優美な山全山を覆う枯れ草を一気に焼き払う豪快な季節の行事です。野焼きです。

かなり危険を伴うので 、開催日が現地の天候風向きに左右されようやく2月18日に決定されました。午前9時に山頂のくぼみ部分の野焼きがありました。全山焼きは正午点火です。

 大船駅から伊豆急下田行の踊り子号に乗り、小田原、湯河原、熱海を過ぎて伊東です。

たしか伊東氏という豪族が支配していたのでは。

相模灘の水平線がまぶしくあんこ椿と三原山の大島が浮かんでいました。

『箱根路をわれ越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄るみゆ』 源 実朝

『大海の磯もとどろに寄する波われてくだけてさけて散るかも』

 サボテン公園直行の臨時バスの初発に中国人カップル等々と乗り込みました。がたびしのバス、凸凹の山道を飛ばして大室山の麓、ロープウエイ駅到着。

 待ちに待った正午、花火が上がり着火。炎は龍が火を吐くごとくに燃え盛り始めます。瞬く間に山頂へ炎が延び、人間の煩悩業火のように不気味な音を撒き散らして動き出します。

私達はおもわず立上つて、カメラを向けていました。おおよそ20分、うす茶の山は黒きおわん形に変わりました。河津桜が満開でした。

帰りは伊東の温泉町を散策、熱燗と遅い昼食を楽しみました。1.3万歩、膝がガクガクしました。

 

 

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横浜の梅林

2024-02-13 20:40:49 | 生かされて今日

 文明開化の時代に在日外国人が競馬場を造りました。その跡地が広々とした「根岸森林公園」です。私ははじめてJR根岸駅から市営バスで高台にある公園へ参りました。

海を望む台地で瀟洒な家やマンションが多くおしゃれな地域です。が、歳をめされると街の孤島となるのではとか、地震にはちと不安な坂の上です。

 広大なうねる草はらを登ると梅の香りが。様々な色、情緒ある名札の梅が盛りでした。

 困るのは愛犬珍犬のファッションショー、キンキンわんわんウルサイこと。

 インスタ映えを狙った白い椅子やバスケットを持参して犬どもを呼びつ撮影する、我が物顔のペアーには閉口しました。薄っぺらな時代の反映なんでしょう。

 草はらにはテントを設けてペットと一家団らん、食事を楽しんでいます。

 小田原や田浦の梅林などに足を伸ばさなくても、ひろびろゆっくり鑑賞できるここは穴場です。 もう少し宣伝を上手にできないものかと残念です。帰りは徒歩で根岸まで下りました。

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たつのとし

2024-02-02 15:41:47 | 生かされて今日

 元旦の夕方、石川県能登半島を大地震が襲いました。山がちの観光温泉地で過疎の地域をくつろいでいる元旦の夕方に強襲したのです。正月に帰省した遠来の方々をも絶望の淵に落とし込みました。

この寒空、寒の最中を無我夢中のひと月だったとお悔やみするばかりです。

神のまします大自然はなんと無情なのでしょうか。たつの年の平安、心の復興を祈るばかりです。

 ウクライナ戦争、さらにパレスチナの虐殺、地球環境の破壊による大規模な自然災害などまさに世の末世、末法の時代かと恐れます。

 寒中毎朝6時、法華三部経を在宅で15日間読誦、世界の平和を祈っています。明日2月3日の節分まで東京杉並の立正佼成会大聖堂からの衛星放映に合わせての読経です。

 イタリアのブランド、ブルガリ銀座店は辰どしにあわせた意匠にしています。すこし不気味な感じですね。

 

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駅伝が平和のあかし

2024-01-04 10:09:05 | 生かされて今日

 青学が快走した後の空間が長いこと、4分を越える差に驚きました。これほどの差が出るなんて。わが人生と似て愕然となりました。もつとも、すでに鬼籍の友も多いので何が優勝、何が人生のトップなのか分かりません。

 それにしてもまず大学内で代表に選抜されることでもすごい。たしか青学の選手の中に卒業間近の4年生で初めて走る鹿児島出身ランナーがいました。お爺さんお婆さん、家族一同が沿道のどこかで応援されていると聞きました。どんなにか嬉しくハラハラだったでしょうか。3年間の下積みを耐えた孫、子を心に抱きしめて観戦されたことでしょう。「よかどー」。

 伝統ある学びやの名誉、サポートしてくれた方々の恩、沿道の大きな応援の声、競り合うライバル、重い重いプレッシャーを一人で背負っている選手に拍手しかありません。素晴らしい青春時代ですね。

 ウクライナやガザ地区では日々残酷無情な暴力が凄まじい。21世紀の人智を傾けて平和にしなければ・・・。南無妙法蓮華経。

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ヴァイオリニストと句会

2023-12-02 08:13:31 | 生かされて今日

 ヴァイオリンと吟行とがコラボした神奈川県現代俳句協会の句会に参加しました。藤沢駅南口から境川を渡った新林公園へ私は初めて散策、句会場は市民会館です。

師走初日は厳冬が喧伝されていましたが、幸いに風がなくコートを脱ぐ小春日和。

「横浜バロック室内合奏団」の小笠原伸子さんが古典のバッハから映画音楽、クリスマス曲まで身近に大サービスして頂き感動しました。

 バッハは長身でなした子どもは20人、日本語では「小川」さん。イギリスのエルガーは身分の高い妻を得て「愛の挨拶」を作曲した由。タイースの瞑想曲、ユーモレスク。イタリア留学の思い出や、演奏には人間の「軸」を意識する必要があるとか、プロ演奏家ならではのお話が聞けました。

 西洋文化に東洋的「気」を交える奥深さが身にしみ、「贅沢な時間」を過ごせました。90歳の婦人は遠く秦野から来たと会場から藤沢駅まで案内して帰りました。

句会の成績は例の通り不本意でしたが・・・。

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暴かれた吉田兼好

2023-11-10 14:37:35 | 生かされて今日

 東大准教授木下華子先生から兼好法師の出自について金沢文庫にて学びました。つい近くまで室町時代の歌僧・正徹が『正徹物語』で述べた兼好の氏素性が約570年も学会や世間の常識とされていました。

兼好は名門京都吉田家の出で、久我家か徳大寺家につかえる五位の侍で宮中に仕え、和歌の名手であったとあります。この説は慶応大学の小川剛生先生のちみつな研究でひっくり返されました。

 吉田家が兼好法師の名声を取り込もうとして出自を詐称したそうです。それが『正徹物語』によって学会の常識とされて来たのです。北村季吟(芭蕉の師)も騙されました。

吉田兼好、卜部兼好は偽名で、兼好法師が正解の名前だそうです。570年も続いた嘘の出自を暴かれた小川先生はすごい。痛快ですね。なお、『兼好法師集76番』で横浜市金沢区の丘に庵を結んでいたこと、『徒然草34段』にも武蔵国金沢(かねさわ)とあり、また称名寺高僧の文書を京都の北条執権貞顕へ届けたと金沢文庫古書にあります。今まで信じられた高い身分ではなく、別人の人物が本当だったのですね。

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健康のおごり

2023-10-25 09:34:13 | 生かされて今日

 天高しの十月思わざる「帯状疱疹」で苦しむ羽目になりました。元気ハツラツの八十路とうぬぼれていたら、足をすくわれて一遍に健康のおごり、驕慢を叩かれました。

この苦痛の十日間で二歳ほど歳が進んでしまった感があります。老病に苦しむ方々の苦痛の一端を分からせていただきました。

 徒然草116段に「友とするにわろき者七つあり。一つには高くやんごとなき人、二つには若き人、三つには病なく身つよき人、四つには酒を好む人、五つには武勇の兵、六つにはそらごとする人、七つには欲深き人。」

 病気の方々の苦を察してあげる心持ちが必要なんですね。

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素朴な民謡はいいな

2023-10-08 16:57:17 | 生かされて今日

 わが町、横浜市金沢区の文化祭、民謡のつどいに参りました。

日本伝統の三味線、尺八、太鼓や舞踊などをたしなむ方々が大舞台で技を発揮してくれました。まず最初、出来たばかりという『よこはま金沢音頭』の合唱からスタートです。

「横浜市歌」は森鴎外の作で公立小中学校では教えているようですが、金沢音頭は初めて聞きました。後期高齢者が舞台も観客席も主役です。

 テレビで流行りの西洋風の激しいダンスの歌とは180度違う日本人の情緒がしたたるものです。ふるさとの鹿児島おはら節には、父母を思い出してしんみりしました。

舞台の方々もきっと故郷の親兄弟、川や山、海の景色を感じて演じておられると思いました。緊張であたふた、ぎこちない動きも愛嬌です。汗して奮闘していただきました。

 中でも「武田節」の朗々たる先輩のお声には、郷土を誇りとする気概があふれ励まされました。午後に所要で中座して残念でした。老老のますますの熟達の芸を後継者へお伝えされるよう応援します。

西洋かぶれの歌、ダンスもいいが、伝統文化が廃れてゆくのは残念です。私は俳句を趣味とされるよう永くお勧めしております。決して古臭い趣味ではありません。

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街頭募金(赤い羽根)

2023-10-02 17:35:01 | 生かされて今日

 コロナで3年活動出来なかった赤い羽根募金に参加しました。仲間とも久しぶりの再会でした。肩に掛けるタスキ、ささげる募金箱は新しくなっています。

車椅子のご婦人、自転車のおじさん、おばさん、下校の小学生たちが浄財を布施してくれて感動しました。お小遣いを手放せる子供たちの親の顔がみたいです。

お布施は幼い頃「身を切る」自己犠牲のよろこびが身につく好機です。ラグビーのチームのために身を投げ出すセービングに似ています。

 某政党が高らかに叫ぶあやしい「身を切る」改革とは違います。貧者の一灯です。『徒然草』18段に「昔より、賢き人の富めるはまれなり」。

『おくのほそ道』に「尾花沢にて清風という者を尋ぬ。かれは富める者なれども、こころざし卑しからず」とあります。財豊かな人はかえって布施が出来ないようです。

 ミサイルや戦闘機を買い、原爆碑の「過ちを繰り返しません」を裏切ることがなきよう政治を正したいものです。

 

 

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友を悼む句会

2023-07-08 18:58:36 | 生かされて今日

 6月末に俳句仲間の男性が逝かれました。心筋梗塞、米寿でした。

奥様を先に失い秋田生まれのおだやかな紳士でマンションに一人暮らしでした。息子さんは3人おられたそうです。

 翌7月句会では彼の席に、あるご婦人のお庭で摘んだクチナシやほうずき、桔梗などが花瓶にあふれ、心の籠る般若心経の写経がひろげられていました。

町内会長など奉仕され、彼のお陰で俳句に二人が出会って感謝されていました。

私はたびたび新米を頂戴しておりました。句会みんなで黙祷を捧げてお別れをいたしました。帰宅してお経をあげ、彼の句やエッセーを読み直しました。合掌

 「花と写経永眠の席につゆ晴れ間」 駿

 

 

 

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まず自分が変わらねば

2023-06-26 06:30:26 | 生かされて今日

 私はロシアのプーチンの顔がテレビに映るたびに、憎しみがむらむらと沸き上がり、棍棒で頭をかち割りたい衝動に駆られます。

ブルゴジンなる戦争、殺人を仕事にする考えられない一団にもヘドが出ます。つまり、戦争を憎むがゆえに憎しみのとりこになるのです。「自分の正義の為には戦争をしかける人間」となるのです。

 過日、立正佼成会の学習会でその心では又又戦争を繰り返す戦前の日本にする、またその憎しみこそがお釈迦さまの五戒の第一番目である「不殺生戒」を犯すもの、さらに戦後日本国の支柱である平和主義に反するものだと教えられました。ハッと気付かされました。

法華経の「常不軽菩薩品第二十」は、「あらゆる人間」の仏性を礼拝された釈尊を範としなければ、世界平和は来ないと教えております。

近代文明は高度に進んでも、戦争は相変わらず地球から絶えません。地球を壊しホモ・サピエンスも自業自得で抹殺する愚かな人間ではいけないのです。

この人は尊重するが、あの人はさげすみ抹殺するでは仏教徒ではないのです。

戦争を避けるにはまず自分が「平和な人間になる」ことが不可欠なのです。そうしなければ、「自分の正義のためには戦争を肯定する人間」になるでしょう。反省して努力せねばと思いました。

 

 

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高校OB誌への投稿

2023-06-04 19:39:17 | 生かされて今日

 【日本文芸讃歌】

 昭和28年ラ・サール高入学の福永耕二先輩は俳人・水原秋桜子の「馬酔木」編集長で俳人協会新人賞を得て大いに期待されました。が42歳で早世、お目にかかれませんでした。

氏は高校時代から俳句文芸に親炙されたそうで魅力の先輩でした。お目にかかれたら焼酎を一晩傾けてと残念です。

  雲青嶺母あるかぎりわが故郷

  陽炎につまづく母を残しけり

  白南風や帰郷うながす文の嵩

  新宿ははるかなる墓碑鳥渡る

 私は保険会社勤めの50歳から、日本文芸、蕉門の俳句、俳文にのめり込んでおります。文学や音楽、宗教などは軟弱で役に立たぬと思い込んでいた未熟さを大いに後悔しております。

 退職後、蕉門の句集や俳文、万葉集、枕草子、古今和歌集、和泉式部日記など大学や街の先生の講座で学び、住んでいる横浜金沢区(鎌倉文化圏で称名寺や国宝多数を擁する金沢文庫があり、兼好法師が住んでいました)の歴史を教えていただきボランテァガイドを十年いたしました。今年はNHKの「鎌倉殿の十三人」で脚光を浴びることでしょう。

 今、「俳句の伝道師」と揶揄され、5つの句会(「あかざ俳句会」「若葉台カルチャー句会」等)で指導させて頂いております。

「病院より句会に行こう」を標榜、日本伝統の文学に気づき、句会や吟行等に参加、憂き世の錆を落とし心の開放をお勧めしております。

俳句は庶民の歌、誰でも芭蕉翁の遺伝子を持っています。死ぬまで学べる俳句をお勧めするわけは次の通り。

①大自然の四季とともに暮すよろこび。②日本の伝統に触れるよろこび。③感動を言い止めるよろこび。

④語彙が増えるよろこび。⑤ひとの共感を頂くよろこび。⑥友達がふえるよろこび。             

 追伸 「無からん無からん故人無からん」と王維の陽関の詩を吟じられた漢文の先生、ソルボンヌ大学出の先生からフランス語を初めて習ったこと。

  人間は一本の管だよとスッタン山口先生、平山先生、ついて行けなかった微分解析の菊池先生。猶野先生、早坂先生、佐々木先生、ブラザー・アンドルー懐かしいです。 合掌。

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マグロの陸揚げ

2023-05-03 08:53:52 | 生かされて今日

 京浜急行の終着駅、三浦半島の三崎口駅からバスで三崎魚港へ参りました。メジャーな鎌倉と違いマニアックな好みの地域です。

五月晴れの舟遊び、海の景色、城ヶ島灯台や新鮮なまぐろや大根、キャベツ、鎌倉時代の有力軍団・三浦一族の本拠地です。

 金網の向こうでクレーンが船からなにか白い棒状のものを陸揚げしていました。ななんと冷凍マグロの上陸です。人間よりも太った鮪がごろごろ吊り下げられていました。

世界のどこの海を回遊していたのでしょうか。サメと同じ様に高速で泳がなければ死んでしまうらしいです。

横付けの冷凍トラックで運ばれてゆきます。どなたの口を喜ばすのでしょうか。鮪は冬の季語です。

  「大まぐろの束の荷揚げや五月晴」駿

 

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横浜教会の71周年

2023-05-01 07:50:54 | 生かされて今日

 立正佼成会横浜教会の信仰仲間が3年ぶりにご本尊釈尊像のおん前に集まりました。まだ、コロナ防疫のため各支部10名の限定ですが、なつかしいお顔が次々に来られて感動しました。

マスク越しながらしあわせを確認しあう姿があちこちに、人の輪が生まれています。この3年を信心で乗り越えた悦楽の花が咲いていました。

 奥さまをガンで亡くされたヤング壮年、妻を車椅子に押して参拝される方、よろける足弱の老婦人をささえて車から来られる方々、赤ちゃん連れのご一家、当選された議員、落選された方も。

コロナで苦しんだ友も復帰できコーラスを披露しました。

 生活は悲喜こもごも千差万別ながらご本尊釈尊、教えを説かれた庭野日敬開祖への敬愛感謝は一緒です。

10階建ての横浜教会普門館(横浜駅西口)は名もなき多数の信仰者の浄財(布施)で建てられいます。おそらくはほとんど鬼籍にはいられている先達の血と涙の布教伝道のお陰さまです。

 今日は私の母の月命日と妻からメールが参りました。ありがとう。

 

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