四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

昔のガラス戸

2007-02-28 21:38:32 | 俳句
 吹く風が身にしみる余寒の三渓園で観梅俳句大会が開催されました。会場の鶴翔閣(かくしょうかく)は、明治42年原三渓が住いとして作り現在は横浜市有形文化財となっています。横浜俳話会が共催として献身、寒風にかかわらず180名を越す盛況となりました。庭園を歩くと中国からの観光団も来ています。
富豪の邸宅は和に洋を添えた情緒が素晴らしい建物です。
長い縁側のガラス戸に立つと、五十才で逝った明治生まれの父を思い出して目が潤みました。
 
 ♪しら梅や明治の玻璃に父見ゆる  駿
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大磯の散策

2007-02-27 05:01:23 | 生かされて今日
 吉田 茂総理大臣が住んだ大磯に約40年前私がいた4階建て独身寮があり、今も健在でした。会社生活を始めたルーキーの頃で、JR大磯駅前の風景も甘く切ない思い出があります。独身寮の庭に立つと、会社生活はなんだか遠い星の異邦人の暮らしような、妙な感覚が沸いてきました。
新しい価値観、堅牢な枠組みにはまり込もうともがいていた青春でした。
 駅近くに島崎藤村が亡くなったゆかしい家が遺されており、ボランティアの老紳士(嘗ての文学少年風)にお話を頂きました。美しい若い奥様のもと、この家で亡くなられました。艶福な詩人、作家だったそうです。
 写真は鴫立庵(しぎたつあん)。
「こころなき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」 西行法師の歌で有名です。
三夕(さんせき)の和歌のひとつです。
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226事件

2007-02-26 06:17:41 | 生かされて今日
 今から71年前(昭和11年)の今朝、約1500人の陸軍部隊が反乱を起こした日です。ラジオやビラで降伏すれば兵の罪を許すといいながら、鎮圧後ほとんどの兵が中国の戦場に押し込まれて命を落とされたそうです。
くさい物に蓋をする既得権力が口封じのあさましい処分を下したのでしょう。
上司の将校に命じられて行動せざるを得なかった若々しい兵隊の心はいかばかりだったでしょうか。そして、国賊と非難されたであろう兵隊の両親や兄弟姉妹の悲しみは・・・。
 現代の日本は「肉眼には見えないが、多くの命の犠牲の上にある」ことは間違いない。
海岸では大学生らしい一群が体操をしていました。
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路傍のすみれ

2007-02-24 04:47:06 | 生かされて今日
 NHKの不正経理やテレビ会社のインチキ番組、地方新聞社説の盗作、興味本位の週刊誌の皇室報道などマスコミ業界の低質化が露呈しています。
こんなお粗末さでは、国家権力から多くの犠牲でかち得た「報道の自由」が政治介入を招くのではという強い懸念があります。

社会世間への報道の影響がいかに大きいかのマスコミの方々の自覚と国民の監視を強めねば、社会を都合の良い方向へ誘導したい勢力の思うがまま、術中におちいるリスクがあります。反権力、反既得権益、迷いをひらく社会の木鐸(ぼくたく)、強きに迎合しない姿勢を発揮していただきたい。
売らんが為のみで、不買運動と広告費の減収を恐れて巨大勢力に云いたいことを言わぬマスコミは社会のダニだ。路傍に咲く花であって欲しい。
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巨人・与謝野晶子の歌

2007-02-23 08:37:20 | 歌の花束
♪春みじかし何に不滅の命とぞ
           ちからある乳(ち)を手にさぐらせぬ   

♪下京や紅屋(べにや)が門(かど)をくぐりたる
                    男かはゆし春の夜の月

♪封筒を開けば君の歩み寄る
          けはひ覚ゆるいにしへの文

♪しら刃もてわれにせまりしけはしさの
             消えゆく人をあはれと思ふ
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恋やつれ

2007-02-21 23:14:07 | 歌の花束
 日本最古の歌集、「万葉集」の恋の歌はおおらかで、とても1250年前の作品とは思われない。

♪恋ふること慰めかねて出で行けば
            山も川をも知らず来にけり  柿本人麻呂

*いてもたってもおられない恋。無我夢中でまわりの景色は目に入らないのです。

♪今は吾(あ)は死なむよ我背恋すれば
            一夜一日(ひとひ)も安けくもなし   よみ人知らず

*あーだこーだと妄想に取りつかれ、恋にやつれる風情。死ぬほど愛したいものです。
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憲法と法律との違い

2007-02-20 07:31:15 | 生かされて今日
 生まれてから憲法を一読したことがない国民が43%(2005年NHK文化研)だそうです。過日、憲法と法律・条例との違いを教えていただきました。国会の法律や県市町村議会が決める条例は、国や地方公共団体が「私たちに制限を加える」ものです。
一方憲法は、国民が「国家に対して制限を課す」ものです。日本国憲法の柱は国に対して戦争を起こすことを禁止しています(第九条)。三百万人を散華犠牲に強いた今次大戦の痛切な懺悔に基づきます。
 信教の自由(第二十条)も極めて大切。戦前のように心の自由にまで権力が介入したら、特高警察の拷問に行き着くでしょう。『いかなる宗教団体も・・・政治上の権力を行使してはならない』のに、公明党が政権与党となり権力を掴んでいる現状は懸念があります。
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ニッポンの不思議

2007-02-18 04:33:21 | 生かされて今日
 1、夕張市以上の借金国なのに、役人(従業員)の待遇が納税者(社長)よりも高いとは不思議。退官しても民間人を押しのけて職場を獲る感覚の不思議。民間では即クビなのに減給戒告ですむ不思議。
2、罪を犯した部下の為に偉いさんが謝る不思議。昔の村意識健在。
3、見学者を前にしてものを喰うTV出演者の姿・・・あさましい
4、混みあう道路などで平気でとぐろを巻く女ども・・・失せろ
5、よく分らない大新聞の見出しタイトル・・・記者の不勉強な文章
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たのむぜ工藤投手

2007-02-16 22:10:47 | 生かされて今日
 横浜ベイスターズに工藤投手が来てくれました。イチローとの名勝負が忘れられない名投手の入団は、勝敗よりも周りへの刺激影響が大いに期待される。40を越えて節制出来る力、粘りの精神と頭脳的ピッチングを植え付けてもらいたい。
桑田投手も嘗ての栄光をかなぐり捨てて大リーグへ挑んでいる。金・ゼニでない生き方に敬意を抱く。岩村内野手も世界へ飛び出して素晴らしい。
わが故郷の古豪・鹿児島商業高校も春の甲子園へ出ます。去年急逝した幼なじみがいたらどんなに喜んだことか。
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涅槃会(ねはんえ)

2007-02-15 07:17:34 | 生かされて今日
 ♪土不踏(つちふまず)ゆたかに涅槃し給へり  川端茅舎

 ♪おん顔の三十路人(みそじびと)なる寝釈迦かな  中村草田男

今日は鍛冶屋チュンダが真心の布施のきのこ料理に当たり釈尊がご入滅された日です。紀元前486年頃と推定されています。安楽な道、父と母、妻子を捨てて(西洋では大いなる放棄と云うそうです)全人類の救いを求められた至高の人間釈尊はクシナーガラに80才の生涯を閉じられました。
からだがボロボロになるまでインドの灼熱の道を、「誰あろうこの私の為に」歩まれたと受け止めます。南無妙法蓮華経
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勇気ある地の塩(その2)

2007-02-12 05:28:46 | 生かされて今日
 百日の荒行をしのいだ上人を家族や檀家の方々が出迎えて記念撮影をしています。皆すがすがしいお顔です。出迎えの奥様、娘と手を握り合っている若いお坊さんもいました。出征兵士が戦場から無事戻った安堵感に似ています。家族兄弟などの支え、応援が満願の力になったことでしょう。
 二回目を成就したという髭の上人に話が出来、握手させて頂きました。立派なひげは百日で出来た由。入山してのひと月目が最も辛いそうです。しら梅がその勇気に華を添えて、久久に心から感動しました。全国に戻られて布教の第一線に立たれる勇者たちに、神仏の加護があらんことを。
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勇気ある地の塩(その1)

2007-02-11 06:14:30 | 生かされて今日
 薄暗いJR下総中山駅に朝5時40分着、100日の大荒行最終日の中山法華経寺へ急ぎます。横浜からは間に合わないので品川の息子に泊めてもらいました。
娑婆世界を隔絶して入山、睡眠時間2時間半、午前3時から日に七回の水行、読経三昧のハードな想像を越える苦行です。第九交響曲の苦しみから歓喜へなんと175名の勇士が下山されました。周囲への愛と勇気、釈尊への「信」なくば出来ないでしょう。
貼り出してある名簿によると、参籠5回・・・つまり百日行を10回達成、と言うことは延べ1000日間という勇者もおられるのです。石川県法光寺堀田権僧正です。凄いのひとこと。まさに175人は、末法濁苦悪の世の「地の塩」で尊い。
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みすぼらしい夢

2007-02-09 05:48:27 | 生かされて今日
 寒中の十日間、毎朝四時に起床して法華三部経の読誦(寒中読誦修行)を体験しました。水ばなと感涙のうちに感じたこと。

一、法華経は小さい貧しい夢に安住している私に、壮大な幸せに向かう冒険の為にこそ君は人間に生まれてきたのだよと繰返します。仏様がいかに私を抱きしめられているかが分りました。オンボロ車で満足している私に、最高級スーパーカーを与えるよと約束されます。
二、自力オンリーでは困難。両親はじめ先祖と先達、釈尊(宇宙の大生命)の冥加(みょうが)が自己を壊し再建するのには必要だ。肉眼に見えぬサムシング・グレートを体得する暮らしにしたいもの。自力プラス他力。

中山法華経寺では「百日間の大荒行」が、2月10日満行。十日でも大変なのにすごいなぁ。
  
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脱脂粉乳の給食

2007-02-07 06:11:27 | 生かされて今日
 赤レンガ倉庫の奥、臨港パークに香淳皇后の歌碑がありました。敗戦直後の昭和21年米国やカナダ等からの援助物資が横浜港に到着したそうです。今では想像も出来ない焼け野が原と絶望的な食糧不足を救うためでした。
 私も脱脂粉乳の給食で育てらたことを思い出しました。あらためて外国の善意に感謝します。今は外国の難民や最貧国の為にユニセフ募金やアフリカへの毛布援助に協力しています。
皇后の歌「あたたかきとつ国人の心つくしゆめなわすれそ時はへぬとも」
恩は石に刻めと言いますもの。


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質素が一番

2007-02-06 07:34:38 | 生かされて今日
 ♪冬鳥をまぶす夕波氷川丸   駿

先日は我が家をはすかいに雁が一直線に連なって飛び去りました。北帰行でしょうか。
今年の地球は異常気象、人間のごう慢な所業で青い水の貴重な星がうめき声を放っているように思えます。利便と言う名の地球を壊しつづけている暮らしに私もドップリ。「小欲知足」、足るを知り「質素」が一番いいと思う。もつともっとと欲望に火を付ける宣伝に踊らされるのはゴメンだ。
食い放題なんておぞましい。
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