今年の兼題は「立」、一首の中に織り込んで競い合う知的なゲームです。短歌(和歌)も俳句も川柳も日本の伝統文芸で、将来の日本人に受け継ぐことが期待されております。少しでもご関心のある方は是非御入門をお勧めします。
とりあえず新聞の文芸欄には、歌壇、俳壇が必ずございますので、日頃から目を通して頂きたいと思います。
☆羽摶きて白鳥の群れとび立てり呼び合う声を空へひろげて 佐藤マサ子
☆自画像はいまだに未完立て掛けたイーゼル越しの窓が春めく 青木信一
☆何度目の雪下ろしかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ 宮沢房良
☆いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ 鬼形輝雄
☆人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食 瀬利由貴乃
☆ネクタイをゆるめず走る君の背を立ち止まらずに追ひかけるから 川俣茉紀