今年の大寒はオミクロン株に蹂躙され、老にはより身にこたえます。
翁最晩年の句に「此秋は何で年よる雲に鳥」があります。
旅寝を重ねた老身に死期がにじり倚る寂しさを嘆息されました。下五の「雲に鳥」が絶妙な措辞で、苦しんで苦しんで吐かれた言葉だそうです。
白雲の中に一羽の鳥が吸い込まれてゆく遠望を自分の生涯に重ねられたのでしょう。身にしみます。
さて、年賀状に「来年からは差し上げませんので」と添書きが多くなりました。賀状を出すか出さないかは各人の好みでもちろん自由です。
が、私は年賀状は今年を寿ぐお祝いが趣旨ですから、「ついでに」さよならを予告するのはいかがかと違和感があります。
喪中欠礼のように年末の別便をもって挨拶すべきではないでしょうか。へそ曲がりから嫌味をチクリと申し上げました。