今日の「おくのほそ道」

　芭蕉と曽良の旅は、深川から粕壁の１泊目から４４泊目の岩手県一関にずぶ濡れで到着しました。梅雨のさなかの陽暦の６月２８日です。翌日、判官贔屓の芭蕉たちは義経が弁慶など郎党と滅んだ高館、藤原３代の跡、中尊寺、毛越寺（もうつうじ）などをめぐりました。一関から平泉まで往復８KM、名勝を残らず見学しこの蒸し暑い時期にそのバイタリティに脱帽するばかりです。ぞうりを履いて凸凹道を歩き誠にタフですよね。
『夏草や兵（つわもの）どもが夢の跡』　芭蕉
中尊寺では経堂と光堂ともに開帳と書いていますが、実は曽良日記によると経堂は坊さんが不在のため見なかったのです。
『五月雨（さみだれ）や降りのこしてや光堂』　芭蕉
この度、平泉は世界文化遺産に指定されました。この大震災の時に有難いことですね。

今日は沖縄慰霊の日です

　1945年（昭和20年）の今日６月２３日、太平洋戦争の最悪悲惨な地上戦、沖縄戦が終結されたとされることから沖縄慰霊の日となりました。非武装の住民、老人から赤ん坊まで約20万人におよぶ犠牲者の霊を慰め平和を祈念する日です。日本本土防衛のために犠牲となられました。ひめゆりの塔などにまつられて朱の血潮まみれに惨殺された学徒などを思い出しましょう。沖縄県民の２５％が虐殺されたのです。せめて今日だけでも私たちのために命を落とされた方々を偲び感謝の合掌を捧げましょう。
　アメリカ軍占領下の琉球政府時代の1961年（昭和36年）から沖縄ではさまざまな行事が行われてきたそうです。逆に言えば１６年間は戦没者の声は米国占領軍に抑えこまれていたのです。沖縄県は今だに日本の防衛のためにアメリカ軍の基地として犠牲を強いられ続けています。

大震災の街頭募金

　梅雨のど真ん中、黴や雨蛙、でんでんむしにナメクジのむし暑き時節となりました。お互い様に夏風邪や食中毒やけだるい体調にも気を付けましょう。
朝から黴雨の空がのしかかる天気ですが毎月１回の街頭募金に参加しました。普段の募金は身障者や家庭内暴力被害者の為の福祉募金ですが、当面は３．１１の大震災被災支援のための募金となりました。
非力な私達にできる支援は犠牲者慰霊と早期復興を祈ることと募金と思います。朝１０時に京浜急行金沢文庫駅東口に仲間が集まりました。先ず自ら僅かばかりの献金をしてから呼びかけ開始です。
私の横に立ち歩行者に声を掛けておられる女性はなんと89才、大正12年生れだそうです。尊い布施行に頭が下がりました。町ゆく人もさすがに献金疲れが出て、われもわれもとまでは行きません。３．１１から百ヶ日過ぎましたが被災地は生々しい傷痕で声も出ません。私の息子は会社を休み来月１日から３泊４日のボランテァ支援に行きます。尊いことだと合掌しております。

戦没画学生たちの惨劇

　長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」展が横浜赤レンガ倉庫で開催され、今日が最終日でした。館主　窪島誠一郎さんのごあいさつ文から抜粋。
『戦争中数多くの若い生命が戦地に駆り出され、戦場のつゆと消えました。そうした中には画家になることを一心に夢み、生きて帰って絵を描きたい叫びながら死んでいった画学生たちがおりました。・・・絵筆を銃に替えて生きねばならなかった彼等の無念と、同時に絵を描くことがどれだけ至純な歓びにみちた行為であるかを物語るひたむきな生の軌跡があったと思います』

　「自分が死んだら家族一同で万歳を唱えて下さい」との遺言状。
　遺品の手帖にお雑煮など食べたいもの64項目を書き付けた方。
　戦死の報を受けたらメンデルスゾーンのヴァイオリンコンチレルトを流してほしい。
　嬰子を抱いて若き妻と縁側に写るセピア色の写真。この方はおでこが広くメガネで私に似ておられて再度拝見しました。悲しみが湧き上がりました。
　いかに正義のための戦争が残酷であるかを叫んでいます。戦争に巻き込んだ政治家への憎しみが募りました。世界で唯一の平和憲法改正をもくろむ悪党どもを絶對に許してはならぬのです。少なくても昭和生まれは憲法改正を阻止する義務があると思います。
遺された作品はレベルの高い秀作ばかりで、戦病死されずに生きておられたら・・・。身震いする程の英霊の無念さを感じました。合掌

「原子」を兼題に

　楷の木俳句の会では最も高点をとった方が次回の「兼題」を出すルールです。今月の兼題（俳句に織り込む言葉）は「原子」、普段馴染まない生々しい言葉で、私は一句ひねるのに苦しみました。柔らかな発想の句友はこんな風でした。

○原子炉の壊れ十薬ほの白し　　計枝
○青葉風原子の町に生れけり　　利美
　　（原子力の町で人間が誕生したと理解するよりも、無人の故郷に薫風が流れ初めると受け止めたほうが悲しみがより強いとちしろ先生が指摘されました。納得です。俳句は良き読み手に恵まれると作者の意を超えて大きな作品に変貌するのです）

○原子炉に穴青田まで息止めろ　　佳子
○人智なる原子でなくす故郷や　　友子
○かふもりや檻にもどらぬ原子力　　駿

いまだご不明の方が9000人近く、山をなす瓦礫に日々合掌しております。

いたち川はたのしい

　いたち川は金沢自然観察の森を出て、JR大船駅裏の柏尾川、更に境川に合流し相模湾の江ノ島の海に流れこむ河川です。この周辺は奈良時代からの穀倉地帯で本郷とか公田、鍛冶ヶ谷など地名にその痕跡があります。頼朝が創建した証菩提寺は、配流の伊豆から平家打倒に出撃、石橋山で惨敗した際に身代わりとなった武将を慰めて創建した大寺でした。イザ鎌倉で出撃する日に、この川辺で酒宴を開いたそうで「イデタチ川」が元々の名前らしい。卜部兼好さんも渡って行った川とか。川沿いには散歩道がつくられ、警察学校や進学校の柏陽高校、本郷中などが面しています。
　初夏のさわやかな若葉青葉の風にジョギングやお散歩組がゆったりと楽しんでいました。川には丸々とした鯉が群れをなして、土手に下りると人なつかしく川面に大きな口を並べてきます。その数と迫力にすこし腰が引けるほどです。とてもよき懐かしき川で横浜俳話会の吟行会の案内や横濱金沢シティガイド協会のボランテァガイドをした経験があります。

『おくのほそ道』と旅をしましょう

　上智大名誉教授の大輪先生について名著を学んでおります。晩学の生徒たちが教室に充満していますよ。
悲しみの震災となさけない政界、その上に梅雨の時節到来ですが、先生のさわやかな講義に時を忘れます。今日は芭蕉翁の石巻のくだりを学びました。ここは大津波の甚大な被害地で懸念されます。

『人跡まれに・・ゆきかう道そこともわかずついに路ふみたがえて石の巻といふ湊にいづ。・・思ひかけずかかる所にも来れるかなと、宿からんとすれど更に宿かす人なし。ようやくまどしき小家に一夜をあかして、明くれば又知らぬ道まよひ行く』

このくだりは芭蕉さんのフィクション創作です。当時仙台石巻間は幹線道路で迷い歩く道ではないし、石巻は当初から予定しています。途中で喉が乾きさ湯（生水は危ないから避けています）を乞うたが得られず難儀していたらコンノ源太左衛門という武士が見かねて知人宅で呑ませてくれ、宿も紹介してくれています。翌日も現地の二人が同行したのでスイスイと一関へ歩けたのです。
翁に同行した曽良の几帳面な旅日記を引きあわせて読むととても面白く、芭蕉さんの推敲編集の力が垣間見えるのです。事実を記録する文ではなく、「おくのほそ道」は全体がポエムですし、主人公の「余」はイクオール芭蕉本人ではありません。
是非この名文と共に旅をしませんか。陽暦換算の今日は那須、殺生石を尋ねる二人です。

この国会議員どもはサイテーだ

　この大震災で命を縮めて暮らしている被災者、いまだ遺体の確認もできない遺族が見るも生々しい傷がパックり口を開けたままの時期、東電原子力発電所の暴走をいのちがけでくい止めているこの時に、民主党も自民・公明の双子の野党のセンセ達は国民が見えない「政治ごっこ」に夢中で、誠に罪深い人達だとヘドが出ます。大赤字の国費と時間を浪費したうえに、恐らく責任を押し付け合いダーレも責任を取らないでしょう。
　小沢一郎大センセは今日の肝心の議事に欠席だなんて冗談じゃないのか。記者会見での嘘を自覚できないお人ばかりだ。前日カッコよろしく政務官を辞したお追従のバカども、松下政経塾OBの原口前総務大臣センセは手のひらを返して国民を騙し、鳩山大センセはお母様の子ども手当も忘れて大口を叩き、誠にブザマな否、憎むべき人格の代議士達だ。国民を嘘でもてあそぶ罪深い連中です。
　谷垣総裁、石原親光り幹事長の頼りないひ弱な自民党は、3.11の「大震災を政争の道具にした」内閣不信任案が否決された以上責任を直ちに取りたまえ。かつて自由民主党は吉田茂、緒方竹虎、池田勇人など各自独立した知恵あるたくましい指導者の政党だったのに。あまりに幼稚な政党に堕してしまった。
　国民より政治闘争に執心するこんなセンセどもを、大事な国会議員に選んだ私たち国民の責任だ。次回選挙からはより「まともな人格者」を当選させましょう。党のマニフエストよりも、人格で選びましょう。こんな日本の政治では約3万人の犠牲者が浮かばれませんし世界の良識から大笑いされます。みなさんこのような政治屋どもに対して心からワナワナと怒りましょうよ。