四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

知識より自分自身を知るべし

2016-08-31 05:18:18 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『この人生でなによりも大事なのは、自分自身を知ることです。その本当の自分に気づかせてくれるのが、宗教なのです。

小学校から大学まで、あり余るほどの知識を詰め込んできていながら、そのいちばん肝心かなめのところを教わらず、そこを突き詰めて考えようとしない人が、多くなっているように思えます。それをつかまないと、物や金だけを頼りにして、それに振り回される生き方に流れがちなのです。

人は自分一人だけの力で生きているのではなく、生かされている自分であることを知ってこそ、どう生きるのが本当の生き方なのかが分かってきます。周囲の社会と切っても切れない関係でつながり、まわりによって生かされている自分の責任を、どう果たしていくか。その大もとが定まらないと社会でのさまざまな関係が整っていかないのです。

日蓮聖人は『報恩抄』で、父母の恩、師の恩、国の恩に報いる大切さを教えられていますが、自分がこの世にあるその恩を知ることで、自分の生き方が定まってきます。現代の社会のさまざまな問題の根は、一人ひとりが尊い命をいただいているその大恩を教えなくなったところにあるように思うのです。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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人間の魅力とは

2016-08-30 05:39:41 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 「私なんかなんの魅力もないんだから、好きになってくれる人などいるはずがないんだ」と、自信をなくしている人がいるのではないでしょうか。しかし、魅力とはなんなのか、よく考えてほしいのですね。私は、それは徳分のことだと思うのです。

明るく、思いやりがあって、周囲の人を幸せにしてあげられる力、それが徳分です。それをたくさん蓄えると福の神を引き寄せるのです。逆に、自分勝手で陰気な人は徳分がどんどん減っていってしまい、そこに貧乏神が入り込んできます。

ふつう魅力と考えられている容姿や学歴や才知よりも、人としていちばん大事なものが、この徳分です。それは、人のためになることを心がけ、それをコツコツと積み上げていけば、だれにも具わります。それが具わると、無理に求めなくても向こうからいいことがやってきます。その魅力を分かってくれる人が必ず現われるのです。

ただ、ちやほやされるような表面的な魅力よりも、人間としての本当の幸せをつかむ魅力を具えようではありませんか。その人間的魅力は、かりに困難にぶつかっても、それを自然によいほうに変えてしまう力になるのです。

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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手をつなぎ合う時代だ

2016-08-26 06:24:08 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 宗教にはそれぞれの信仰の対象、本尊がありますが、そのそれぞれの信仰対象やご本尊の優劣を論じて争うのは愚かなことです。もはや、そういう時代ではありません。

すべての宗教は人を救い、幸福にすることをめざし、この世界を平和に導くことを究極の願いとしています。

その点では違いはありません。人類が核戦争の危機にさらされているときに、宗教者が互いの教義や本尊の優劣を競い、言い争ってなんになりましょう。

心を開いて、自己の改めるべきは改め、他に学ぶべきは学び、それによって互いに力を合わせて人類的危機に対さなくてはならないのです。いまこそ人類全体のために貢献する宗教の原点に立ち返らなくてはならない時です。

「私は、一つのことをしようとして失敗した。あなたも、何かをやろうとして失敗した。だが、手をつないでやれば成功するだろう」という言葉があります。

そうした謙虚さをもって立ち上がることです。世界宗教者平和会議開催の真の意義は、まさにそこにあります。

 

立正佼成会開祖 庭野日敬師 世界宗教者平和会議主導者 テンプルトン賞 ローマ教皇より「大聖グレゴリウス賞」 1999年92歳逝去

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マイナスはプラスなんだ

2016-08-19 06:37:51 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 人生には、さまざまな困難があります。その困難に押しつぶされる人もいれば、それをバネに飛躍する人もいます。その違いは、「くじけるものか」と気力を奮い立たせるか、「もうだめだ」と投げだしてしまうか、その違いだと思うのです。

どんなことにも、よい面と悪い面が表裏になっています。それを、よいことと悪いことの二つに分けて、これは自分にとってプラスになる、いやマイナスだ、と決めつけてしまうのは、そのときの目先のことしか見ていないからです。

それを、もう一度裏返してみる。反対側からも見る習慣をつけるのが、仏教の智慧、人生の極意といえましょう。

松下幸之助さんは、貧乏だったこと、学歴のないこと、病身だったことを成功のバネにされた方でした。

そのどれをとっても、ふつうなら大きなマイナス要素です。「自分くらい恵まれない人間はいない」と意気消沈しかねないところですが、松下さんは、それを活力に変えられたのです。

若さには、つまずきがつきものです。受験の失敗や失恋も、その裏に得難い人生の宝が隠されていることを忘れないでほしいのです。

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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仏心と鬼の心

2016-08-17 05:23:12 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

私たちの心の中には鬼の心も仏の心もあって、うっかりしていると、すぐに鬼の心に引きずられてしまうのです。

鬼の心というのは、よいことをしなければと思いながら、つい怠け心のほうに引きずられてしまう心です。また、人のことをうらやんだり、ねたんだりする心も、それです。悪いことや嫌なことは、みんなまわりのせいにして、人を責めたり憎んだりするのも鬼の心です。

それでいつもカッカしているから、頭に角がニョキニョキと生えてくるわけです。心が顔に表われてしまうのです。

この鬼の心が疫病神で、その自分の心が不幸を呼び寄せてしまいます。鬼は外にいるのではなくて、自分の心の中に住みついているのですね。それを追いだしてしまわなくてはなりません。

どうしたら自分の心の中の鬼を追いだせるのか。まず、人を見たら、いつもニッコリと笑うこと、つまり、どんな人にも笑顔で対せるようにと心がけて、それを習慣にしてしまうのです。そして、いつも人さまの身になって考えることです。

そう心がけていると、いつのまにか角が消えて、仏さまのような柔和な顔になってくるのです。

 

庭野日敬著『開祖随感』より

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おまかせでは平和は守れない

2016-08-15 05:06:24 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

八月十五日の終戦記念日が今年もめぐってきました。あの日から早三十四年が経ったわけです。

当時の日本男性の平均寿命は驚くほど低くなったという記録が残っているそうです。若く、尊い生命がどれだけ戦火に奪われてしまったことか……。(殺された日本人は約310万人!)

現在の私たちの繁栄は、そうした人たちの血と涙の犠牲の上に築かれていることを忘れてはならないのですが、三十四年の時の経過は、そうした記憶を次第に消し去っていくように思えます。いまの私たちは、平和にどっぷりと漬(つ)かりながら、その平和のありがたさを忘れがちなのではないでしょうか。

終戦後、日本はなんの犠牲も払わずに民主主義を与えられ、それがいまや、わがまま勝手の代名詞のようになっています。民主主義は決して完全なものではありません。しかし、かつて全体主義が日本をあの悲惨な戦争に導いたことを思うと、私たちの手で、この民主主義をよりよいものに育てていく大切さを痛感せずにはいられません。

それには、国民自身の成長がなにより大事です。平和憲法さえあれば何もしなくても平和でいられるのではなく、一人ひとりが平和のために自分にできる献身を惜しんではならないのです。

 庭野日敬著『開祖随感』より

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あきらめず継続せよ、コマの様に

2016-08-05 05:50:50 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

『世の中の争いのもとは、誤解、恐怖、嫉妬の三つが原因だといわれます。そこから怨念が生まれてきて、それが原因で、さまざまな争いが起こります。国と国の紛争も、民族や人種間のいざこざも、そうです。また、身近な職場や家庭でのトラブルも一緒です。

私たちの心は、ときには仏さまのような清らかな心になるかと思うと、また、ムクムクと煩悩の心が起こってきてしまいます。京都の清水寺貫主(かんす)の大西良慶師は、「欲も中に入れ、愚痴も中に入れ、善も中に入れて、ほどよう和え物にするのが和なん」と言われていました。

平和は、争いを避けて静かにそっとしていれば自然にやってくるというものではありません。さまざまな矛盾や対立を含みながらも、そこにバランスを保たせていく、そのたゆみない努力によって初めて平和が維持されていくのです。それは、回り続ける独楽に似ているともいえましょう。その回転する力が衰えたら、独楽は倒れてしまいます。

回り続けること、それが精進です。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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7月句会での作品

2016-08-03 11:05:55 | 俳句

 参議院選挙もありあっという間に酷暑の八月となりました。私が参加している句会で点の集まった作品をどうぞご覧ください。

 

*地下足袋のこはぜの湿り梅雨に入る

*病床に祭太鼓の調子とる

 

*桐下駄の脛の白さや夏は来ぬ

*白もまた華やぎの彩半夏生

 

*街炎暑指紋の残る終電車

*花氷はりつく子らの指の穴


*蚊遣り立て母に濃い目の死に化粧

 

*差しこみの緩んでをりぬ今日は夏至

*まくわ瓜過去をばっさり捨てましょか

 

*ぼろぼろの広辞苑と母夕焼ける

*草いきれうつし身の仮面壊れそう

 

*葛桜食(と)うべどこから霞もうか

*田植機やずんずん太陽赤くなる

 

*降り立てば里の訛や青田風

*白玉をつつく幼なの指の先

 

*ふるさとの庭の匂ひや半夏生

*一本の狭庭の今朝の胡瓜かな

 

*百年を耐へ青蔦のレンガ塔

*雲の間をあてなき飛行あめんぼう

 

*木漏れ日をスポットライトに毛虫ゆく

*眼鏡邪魔ああ顔がじやま汗しとど

 

*白南風や廃線の錆深みたる

*橋涼みこだはりひとつ流しけり

 

*荷に添へて一筆涼を足し給ふ

*二列目の子の音読の涼しさよ

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