四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

むき出しのエゴを克服する時だ

2017-01-30 07:04:40 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『中世がローマン・カトリックによる絶対支配の時代だとすれば、近代は科学的な合理主義が絶対とされた時代といえましょう。近代の社会は、科学こそ人間に幸福と豊かさをもたらしてくれるものと疑うことのなかった社会ともいえます。

ところが最近になって、「果たして科学万能主義で人間が幸福になれるだろうか」という疑問が、顕著に表に現われてくるようになりました。そうした疑問を抱かせる原因はさまざまありますが、地球上の資源が有限なのに人口は増加する一方という難問を抱えて、地球を管理する必要性が痛感され、世界共同体の建設といった意識が芽生えはじめたのも一因でしょう。

 現実にそうした社会体制が出来上がるのには百年から二百年はかかりましょうが、そこに至るためには、人間のエゴイズム、国家のエゴイズムをどのようにして超克(ちょうこく)するか、その関門を突破しなければなりません。

 その意味で、まず宗教界が宗派エゴを捨てて互いに協力し合い、その姿をもって、人びとにそれを示さなくてはならないと思うのです。そうした大きな観点に立つことができなくては、人類全体の幸せを考える宗教者とは、とても言えません。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

  PS エゴイズムが牙をむく大統領が出現しました。世界を分断するリーダーに未来があるとは思えません。かの悪夢のごときヒトラーの時代の再現ではと危惧されます。

しかしながら釈尊は人間の叡智で克服でき、世界の平和境建設が出来ると明るいのです。そう信じます。

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お寒い早稲田大学

2017-01-25 09:03:21 | 生かされて今日

 私学の雄、ワセダ大学の情けない実情に唖然となりました。凡夫科学省、失礼文部科学省からの天下りをへいへいと受け入れ、更に表ざたにならぬよう役人と口裏を合わせていたそうです。

日本の将来を支える教育をリードする文科省が噓をつき、どうして先生方を指導できるのでしょうか。生徒に「嘘も方便」ですと言うに等しいではないでしょうか。

教師の労働組合、日教組のトップも不倫騒動で辞任したざまは情けない。

負けじと有名な早稲田大学も官、政治権力にすり寄る姿勢はモラルなき日本社会の断面を見せております。早稲田大の校歌は有名な歌人、相馬御風です。

「都の西北 早稲田の森に
聳ゆる甍は われらが母校
われらが日ごろの 抱負を知るや
進取の精神 学の独立

天下りを隠れて有難く受け入れた学長のお顔が見たいです。大隈重信公、なんとかして。

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心の切りかえを

2017-01-18 07:12:27 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『路傍で生まれ落ち、そして道端で死んでいく気の毒な人たちが、アジアやアフリカにはまだたくさんいます。三度の食事にも事欠く人たちがいっぱいいるのです。それを遠くの世界のこととして傍観していることは許されません。そして、なによりも大切なのは、それをただ声高に人びとに訴えるのではなく、まず自分の足元から見つめ直してみることです。

 満足な食事もとれない飢餓状態にある人たちが、こんなにも多くいるその同じ地球に住み、毎日十分すぎるほどの食事に恵まれながら、私たちは欲望をさらに際限もなくエスカレートさせて、これで十分だという満足感、充足感を得ておりません。

 物質で栄えても精神的に退廃し、滅亡していった国の例はたくさんあります。いまの日本は、まさに精神の飢餓状態にあるといえましょう。

「無量義経十功徳品」には「愛著(あいじゃく)ある者には能捨(のうしゃ)の心を起さしめ、諸の慳貪(けんどん)の者には布施の心を起さしめ」と説かれています。

人は、あればあるほど欲する心が強くなるものですが、逆に自分の持てる物を人さまに施す心に切り換えると、少ない物にも心から感謝できるようになるのです。際限のない欲望を断ち切るのには、この心の転換しかありません。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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歌会始(うたかいはじめ)

2017-01-16 06:34:38 | 生かされて今日

 13日皇居にて古式豊かな「歌会始の儀」が行われました。つまり天皇家はやまと歌、和歌をたしなまれるのです。和歌の源流は「古事記」。神代の時代のスサノオノミコトにあると書かれているそうです。

 私は俳句が好きなんですが、俳句のもとは和歌を複数で続ける連句、それも飲んで騒ぐ場でつくるエログロ、滑稽な狂句です。その最初の発句が独立して俳句となりました。

天皇家ではそんな下品な歌を基にする俳句はなさいません。みやびな上品な和歌をたしなまれています。勅撰和歌集の初めは『古今和歌集』です。漢詩にも勅撰集はありますが、俳句にはありません。

 今年のお題は「野」で世界中から2万を超す応募がありうちうちわずか10首が選ばれ、天皇陛下の前で披講されます。大変な名誉ですね。最年少は17歳の少女、最高齢は81歳。20代、30代、50代からの作品は選ばれませんでした。

17歳の素敵な恋の歌をどうぞ。

  野原ならまつすぐ走つてゆけるのに満員電車で見つけた背中

                東京都の鴨下 彩さんの作品でいいですね。

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まず夫婦から実践を

2017-01-07 05:46:24 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『大学の卒業式で、これから社会人として第一歩を踏みだす若者へのはなむけに、こんな言葉を贈る先生がおられました。

 「諸君が会社に入って道を切り開いていくうえで、いちばん大事なことを教えよう。

それは『おはようございます』、『ありがとう』、『すみません』が素直に言える人間になることだ」と。

 これは毎日の生活でふつうに交わされる言葉で、人間関係を保つ基本的な言葉です。

その言葉すら、いまの若者たちの多くが素直に口にできなくなっているわけです。その先生は、大学の卒業式でそうしたアドバイスをしなければならない現状を、まことに情けない、と嘆いておられるのです。

 ただ知識を詰め込んで卒業証書をもらっただけでは、大学を出ても、社会で本当に役立つ仕事はできません。この社会を構成する人間としての心得こそが社会の潤滑油であり、それがそなわって初めて知識が役立つのです。

 そうした大切な言葉が、いつもスッと口にできるようになるのには、小さいうちから家庭でも学校でもしっかり教え込まなくてはならないのです。

そのしつけの欠如は、本人にとっても、日本の社会にとっても、まことに不幸なことです。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 

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どっちが幸せでしょうか

2017-01-05 05:14:29 | 元気を頂く言葉(庭野日敬師

 『子どもが五千円のお年玉をもらったら、大喜びします。ところが、次の年も同じ五千円では、それほど喜びません。こんどは一万円でなければ驚かない。その次の年になると、一万円では「なあんだ」という顔で、二万円もらって、やっとにっこりする。

中学生くらいの子どもでもそうなのですが、大人となると、なおさらです。一つの欲が満たされると、また次の欲が出て、それが満たされないと不満になってしまうわけです。

これではどこまでも不満は尽きず、一生、不平不満のうちに終わってしまうことになりかねません。こんな寂しいことはありません。

 十分の収入がある地位にいながら、それでも満足できずに収賄で捕まってしまう人がいます。立派な家に住んでいても、家族が不満だらけでいがみ合っている家もあります。

それに比べて、アパート暮らしのつましい家計の中で一家が仲むつまじくいたわり合い、いつも笑顔で暮らしている家庭を、私はたくさん実際に見ています。

 どちらが幸せでしょうか。老子(ろうし)の言葉に「足ることを知る者は富む」とあります。よくよくかみしめたいものです。』

 

庭野日敬著『開祖随感』より

 法華経に曰く、諸苦の所因は貪欲(とんよく)これ元なりと。

 

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正月は駅伝から

2017-01-04 08:13:11 | 生かされて今日

 今年も箱根駅伝の応援に参りました。上空にヘリコプターが来て、近隣の建物のベランダに人影が見えますとランナーが近づいているしるしです。さらに国道のかなたに小旗が波をなすといよいよ選手が来ます。

 「がんばれー」の一声だけですっ飛ぶ速さです。大学の名誉と家族の願いが託されているからその重圧はすさまじいでしょう。

それに選手登録を果たせなかった先輩たちの思いもあり心理的なたくましさが必要です。勝っても負けても卒業後の長い人生に得難い体験ができます。短き大学時代に青春をかけることこそが素晴らしい。

 私はだらりとメリハリ無き4年間を悔やみ、だいぶ遅いが今日ここから本腰を人生に入れなければと思いました。

青年たちよ補欠でも、勝負に負けても人生はここからですよ。

 

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