四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

横浜の誇りジャックの塔

2011-05-30 09:47:41 | 生かされて今日
 横浜港、山下公園近くにおしゃれでレトロな3塔が文明開化の歴史を伝えております。その名はお年寄りの順番でこの横浜開港記念館(ジャックの塔)、次男は神奈川県庁舎(キングの塔)、末娘は横浜税関(クィーンの塔)の3つを指します。この3塔を同時に見られるポイントがあります。そのひとつは大さん橋の馬の背のデッキです。床にマーキングされております。
 このジャックの塔は大阪中之島にある公会堂と並ぶ大正時代の名建築です。なぜジャックだのかはわかりません。ここには黒船入港のステンドグラスや我がふる里、鹿児島の画家和田英作の描いた大作も有り、句会を催したこともあります。とても素敵な建物でしょう。桜木町のみなとみらいの無機質な高層ビル群もいいですが、レトロな横浜も見に来てください。
 わがあかざ句会の詩誌「あかざ」の表紙は句友、表邦彦氏が描いたこのジャックの塔です。
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おうちの花が咲きました

2011-05-28 05:29:39 | 歌の花束
 150年前鎖国を解いた文明開化のヨコハマは世界へ開いた日本の窓でした。ここ関内の弁天通りは世界の商才が集まるトッモードの異国の街でした。デズニーランドみたいです。日本で初めての為替銀行横浜正金銀行本店は歴史的遺産ビルで、現在神奈川県立歴史博物館となっています。
 この弁天通りの街路樹は私のふるさと鹿児島に多いおうち、センダンで、なつかしい薄紫の花盛りでした。晩夏から秋になると多くの木の実が揺れる木です。

『妹(いも)が見しおうちの花は散りぬべし
          我が泣く涙いまだ干(ひ)なくに』 万葉集
 山上億良(やまのうえのおくら)が妻を亡くした上司・大伴旅人(おおとものたびと)になって詠いました。ふたりとも九州太宰府に赴任していて、旅人は愛妻を失ったのでした。

『憶良らは今はまからむ子泣くらむ
          それその母も我を待つらむぞ』
 酒宴から逃げ出して家庭に戻りたい憶良はやさしいいですね。
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芭蕉さんの楽しき二週間

2011-05-24 17:09:49 | 俳句
 芭蕉翁と曽良の「おくのほそ道」の旅は、日光から那須の野越えで栃木県大田原市黒羽(くろばね)に到着、陽暦に換算した5月21日からナント2週間も滞在されました。江戸初期の当時は大関藩1万9千石の城下で家老の若き兄と高禄の弟の武士が大喜びでおもてなしをされました。ふたりとも俳句をたしなむ兄弟でした。都会の斬新な俳風を大いに歓迎したし、新緑の爽快な時節でもあり13泊もされております。おくのほそ道の旅で最も長い逗留地で、次いで山形尾花沢10泊、酒田と金沢とが9泊です。
 源平合戦の四国屋島で舟に揺れる扇を馬から射落とした那須与一が祈願を凝らした八幡宮や江戸で坐禅の先生だった仏頂和尚が庵を結んで修行された雲巌寺などを巡っています。城下の若者たちも翁たちに同道したそうで、ピクニックみたいな感じがします。
 写真は翁をもてなされた家老の邸宅跡で、ここで若葉風の中の句会や蕉風の指導に過ごされたのでした。なんとも麗しき師弟関係ですよね。食うのが精一杯の時代に異次元の時を過ごされたのです。

 ●啄木(きつつき)も庵(いお)はやぶらず夏木立  芭蕉
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芭蕉さん『おくのほそ道』へ出発

2011-05-16 14:33:11 | 生かされて今日
 今日は松尾芭蕉翁が弟子の曽良をともない深川から舟で旅立ちました。時は今から322年前、天下を治めるのは犬公方5代将軍徳川綱吉の元禄時代でした。
『月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらへて老をむかふるものは、日々旅にして旅をすみかとす』 「行春や鳥啼(なき)魚の目は泪」 冒頭の名文ではじまるおくのほそ道は、岐阜県大垣までの5ヶ月間約2400KMで、今の原稿用紙に換算すると30枚全体がポエムです。
推敲にすいこうを重ねた名文がつづきます。今日は千住に上陸して草加を過ぎ粕壁に泊まりました。
 こたびの東日本大震災で翁の歩かれた石巻地方が甚大な被災地となりました。「夏草やつわものどもが夢の跡」や「五月雨(さみだれ)の降りのこしてや光堂」の平泉が世界遺産に推されているのは嬉しい知らせですね
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大相撲ぎりょう審査場所

2011-05-15 19:46:45 | 生かされて今日
 妻と両国の国技館に出掛けました。息子のお陰さまで入場無料の「技量審査」場所という変わった場所に行くことが出来ました。女房は生まれて初めての国技館です。青葉の風に高々と鳴るはずの恒例の力士のぼりがありません。皆無だったはずの八百長相撲が、別件の野球賭博事件から発展し、警視庁に押収された携帯電話の記録からナント八百長がバレてしまったのです。天皇陛下も大相撲フアンの愛子さまも騙していたのですね。迷横綱や迷理事長、情けない親方衆にマンマとやられていたわけだ。
私たちは向こう正面の二人用枡席でした。車椅子の外人さんや子供連れの若夫婦、兄弟づれなど枡席ウオッチングも楽しめます。デカい4人づれの枡席は窮屈そう。ひいき力士の応援は男女、子供と気合が乗って掛かります。審判長の貴乃花にも大きな拍手が。引退しても人気が高いのです。
 十両ぐらいから段々館内の温度が上がってきます。土俵入りは力士が少ないので隙間が目立ちました。白鵬の土俵入りを後ろから初めて見ました。勝負ははたき込みやマッタが多いが、熱戦や逆転、豪快な上手投げには大歓声です。
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戦没の方々を偲ぶ

2011-05-11 09:07:12 | 生かされて今日
夏日のような10日、神奈川県戦没者追悼式に参列してきました。知事や代議士、県市議会議員、遺族会の方々約千人が服を改めて追悼し、甚大な戦禍を忘れずとの思いを確認し合いました。
66年前の太平洋戦争の犠牲者、戦没者は確か約300万人、ここに祀られているみ魂は58000人と聞きます。日本全国の津々浦々から戦場に狩り立てられた若者の無念さを、望郷の思いを偲び、国歌を久しぶりに歌うことが出来ました。
法華経学習会で存じ上げている敷田博昭県議が追悼文を奏上されました。42才の気鋭の誠のある政治家です。支持している中林美恵子代議士、松崎淳県議もおられました。
 京急上大岡駅から徒歩10分の丘にある県戦没者慰霊堂にはツツジが咲きそろい若葉の風です。市町村ごとに参列席が設けられ、献花と献茶の後、神道、仏教、キリスト教などを横断した県宗教連盟が慰霊の儀式を捧げました。佼成会の代表やご近所の龍華寺の和尚さんのお顔が見られました。参列者全員は起立してみ魂に黙祷を捧げました。式典が終わつてからパラパラと初夏の雨が降り始めました。/font>
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子どもが少なーい

2011-05-05 21:06:04 | 生かされて今日
 ♪「屋根より高い鯉のぼり」の5月5日です。子供たちの幸せを祈り、いのちがけで産んでくれたお母さんに感謝を伝える日です。出産を通じて自分の命とやり取りをする母性には、男は脱帽するのみです。むかし私の次男坊が幼稚園児のころ『お父さんは直接関係ない』なんて抜かしたので怒鳴ってしまいました。ま、そう言われてもしょうがないですね。肌と肌とで育てるお母さんには勝てません。お釈迦さまも孔子さまも、キリストさまも皆ーんなお母さんが産み育てたのですから。私には残滓がある男尊女卑は暴力だけがものを言う原始時代の遺物ですね。
 総務省統計局によると、今年4月1日の我国の15歳未満の子どもの数は30年連続で減少しているそうです。男の子が女の子より43万人多く、総人口に占める割合は13.2%、去年より実数で9万人減少しました。約50年前の子どもの割合は25%でしたから、その半分以下に減少しているのです。晩婚、小産、共稼ぎでないと暮らせない時代で子ども手当だけではネェ。
 我が横浜市は保育園の待機児童数が全国最悪なのですが、人口構成から予め手当できた筈なのに不作為の政治の貧困、行政の怠慢なのです。国会でさえ人口高齢化の予測から手をつけるべきだったのに、年金財政や医療保険の破綻を今になって騒いおります。財政の赤字、地球温暖化、原子力廃棄物の処理など、私たち世代の過ぎた快適さのつけをこの子供たちにおっかぶせる様子です。
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この震災をどう受け止めますか

2011-05-02 11:56:31 | 生かされて今日
 「人を待つに来たらず。人を待たぬに来る。かく思うこと叶わぬあり、思うこと叶うあり」 江戸時代の至道無難禅師

来てほしい人、愛する人や都合のいい出来事は来てくれないで、来てほしくないイヤな人物や災害災厄が来てしまう。
ようよう来てくれた幸福は永遠に続くこと無く、離別が来る。世の中はそういうものだよと。
 楽と苦とはセットなのです。吉凶禍福はあざなえる縄の如しと云います。幸福をもたらす大黒天の裏側には不幸を連れてくる黒闇天が離れずにおられる訳です。そういう世の中がこの娑婆世界だと教えておられます。短く言えば「無常」だということです。釈尊は「人生は苦なり」と覚悟するよう説かれておられます。
 私たちは今の幸せが当たり前で右肩上がりに続くもの、そして感謝なくもっともっととドンヨクに欲望をふくらませ過ぎたのではないでしょうか。奇跡の星、地球も人間という一つの生物に悲鳴を上げ始めております。
 反面、被災地の小さな町や村のリーダー達は、尊くも無私の面構えで働かれて素晴らしいと頭が下がります。この輝く方々に比べると、この国難に足をひっぱる抗争を政治と誤解している民主党のぶざま、程度の低さに怒りをおぼえます。
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