四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

さようなら2012年

2012-12-31 15:36:36 | 生かされて今日

 皆さまには2012年はいかがでしたでしょうか。素晴らしいロンドン五輪の成績でしたが、震災地の苦闘、長い長い不景気、あいも変わらぬ政治の混迷、殺伐とした三面記事に明かりが見つけにくい一年ではなかったでしょうか。しかし受け止め方をプラスに、不都合なこと・ピンチをチャンスに自分の内面を切り替える転換が大事だ。苦あれば楽ありだ。コップの水を、「たったこれしか無い」と見るか、「まだこれだけある」とみるかの違いです。当たり前のレベルを贅沢な貪欲から下げてみましょう。少欲知足の水準に引き下げるべきなのです。歳末大売出しでは競争するようにカニや牛肉など山海の珍味、グルメ食材を買い求めているようですが・・・・。

 2012年の坂を登りきり、向こうに見える2013年はどんな人生の景色となるでしょうか。諸行は無常なれば、老・病・死からは誰も逃れることはできません。愛するものとはいずれ別れることになります。脳溢血や脳血栓、地震天災、交通事故も背後にしのび寄っているかもしれません。尾根道を歩いていると足元から冬鳥が飛び出してハッと驚かされる様に。さようなら2012年、GOOD LUCK 2013年。

皆さまには一年間ご訪問ありがとうございました。

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鎌倉の冬もみぢ/瑞泉寺(その3)

2012-12-25 16:37:03 | 生かされて今日

 永福寺から鎌倉宮へは行かずに左折して紅葉の名所、錦屏山瑞泉寺に行きました。臨済宗の夢想国師の手になる庭園で有名な寺(開山)です。夢想国師は山梨の恵林寺、嵯峨の天竜寺などの開山、京都の南禅寺にもご縁がある高僧です。臨済宗は北鎌倉の建長寺、円覚寺と同じ宗派です。幕末に住職が縁戚だった吉田松陰が訪れていて石碑が寺門近くに建てられていました。冬もみぢが健在で、蹲に落葉が沈んでいて美しいです。ご本尊の釈尊如来像に合掌しました。

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鎌倉の冬もみぢ(その2)

2012-12-21 05:53:10 | 生かされて今日

 冬紅葉の獅子舞を小流れに沿って下りていくと発掘調査中の永福寺(ようふくじ)跡に出ます。奥州の覇者だった藤原氏と弟の義経の郎党を攻め滅ぼした頼朝が、戦没者鎮魂のために建立した大伽藍だったそうです。この一帯は「二階堂」と呼ばれますが、永福寺本殿が壮大で当時めずらしい二階堂だったことに由来するそうです。

頼朝が寄進した3大寺(八幡宮寺、勝長寿院、永福寺)の一つです。勝長寿院は悲運の父、源義朝をお祀りした寺で金沢街道の岐れ道近くの大御堂橋に名が残されました。現存するのは八幡様だけです。殺戮するなまぐさい武力ではじめて武士階級が天皇、貴族の番犬から天下を握ったのですから、全国に武威を誇るとともに怨霊から逃れるべく鎮魂を大寺に託したのでしょうね。

現場にそって遺跡の後ろ側に周りますと遺跡が一望できます。手前から薬師堂、ひときわ大きな二階堂、阿弥陀堂の礎石群です。仏殿の前には獅子舞から流れ出る疎水を貯めた池が広がっていたようです。

権力も栄華も一時のもの、大自然の「諸行無常の大河」の前にはひとたまりもありません。あの大津波のように。

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鎌倉の冬もみぢ(その1)

2012-12-20 09:09:21 | 生かされて今日

 寒波来襲の朝、横浜金沢区から尾根道をたどり鎌倉の冬紅葉をもとめて歩きました。尾根をランニングする若々しい男女もいましたが、師走で行き交う人も少なく枯葉の小道をおおよそ1時間半、鎌倉霊園を下に見て天園の峠の茶店に着きました。途中脇道が度々あり人生の誘惑、トラップの様で左か右か迷う時もありました。やはり人生には羅針盤、道しるべがとても大切だと思いました。人生に明かりなしでは、まるで暗闇の難路を行くみたいに極めて危険だ。それにしても開道者、はじめて道を切り開く人の苦労は並大抵ではないですね。私の人生の道しるべは釈尊の教えです。

猫2匹いる峠の茶店では私が一番乗りで、オデンに少しサービスしてくれました。鎌倉宮方面へ急坂を下りますと紅葉の谷獅子舞で、大方は散っていましたが残る紅葉に歓声を上げました。もみぢの盛りは無論ですが、師走の名残の紅葉も捨てがたいものです。徒然草137段に「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは」とありますよね。

落石注意や滑りやすい悪路なので慎重に下りました。

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よわい100歳のラクダさん

2012-12-14 10:16:11 | 生かされて今日

 横浜市立野毛山動物園のふたこぶらくだのツガルさんが世界一の高齢に達したそうでおめでたい。過日のあかざ俳句会の吟行会で間近にしましたが、とても大きな駱駝ですよ。背中に跨がるとおっかなそうですが視界が広がるでしょうね。エジプトに行った友達はピラミッドを眺めるには悠然として最高だったと教えてくれました。東西交易のシルクロードを隊列を組んで行き来したんですね。「開けゴマ」のアラビアンナイトの世界です。

ツガルさんは高齢のために関節を病んでいて立ちあがれないお婆さんだそうです。誕生をお祝いして小学生がデザインした特製ケーキとオリジナル・ソングがプレゼントされたそうです。飼育の女性職員にかしずかれて晩年をゆうゆうと過ごして欲しいものです。寒さは禁物なんだろうに。

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3.11の風化を恐れる

2012-12-12 06:04:04 | 生かされて今日

 昨日12月11日は、東日本大震災から1年9ヶ月目の忌日でした。私たち立正佼成会では、毎月の11日震災犠牲者のみ魂を救済する法華経の読経供養を各家庭の仏壇で実行しております。ところが私はこれを失念して出かけました。あの日の道路にしゃがみこんだ恐怖感、あの日の津波の映像、大川小学校の惨劇など忘れてしまったのです。他人事となって忘れていたことに恥じ入ります。

8月に読経のためにお邪魔した福島県いわき市では、今だに家の土台のみが雑草にのこされていました。11月14日現在の死者は15873人、ご遺体無き行方不明者は2744人にのぼるのです。

田舎暮らしを楽しむと横浜から福島県川内村に移住していた兄夫婦は、放射能漏れにより追い出され今は北海道へ移り住んでおります。除染が充分でないそうで帰れないのです。逆に北海道のおいいしい新米を30キロ送ってきてくれました。震災被災者からのプレゼントには恐縮するばかりです。日本人はなんでも水に流して忘れやすいそうですが、3.11は8月15日の終戦日の様に心に刻み直す必要があります。われわれのために犠牲となった声なき戦没者と同じように、突然夢を断たれた方々を慰めることは、目に見えないからこそ必要であると考えます。

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ヨコハマの秋惜しむ

2012-12-06 12:33:48 | 生かされて今日

 横浜市の最高峰は158メートルの大丸山、金沢動物園の裏側にあります。円海山から鎌倉へのこの一帯は希少な横浜のグリーンベルトで大事に保護されております。家から自転車を駆って高速道路の横浜横須賀線に沿う勝手知ったる動物園の裏のじゃり道を行きます。ここ神奈川の南部は温暖で師走ながら最後の紅葉・黄葉が楽しめます。

山裾になんだか私を待っているような一本の紅葉の木に巡りあいました。うつくしいね綺麗だねとほめつつ写真に収めました。鎌倉の天園へ抜ける小道の自転車止めに車をおいて少しぬかるむ沢道へ入ります。小流れに木道が掛けられて谷のモミヂや水面に映るもみじの山を眺めて歩きます。

秋の果ての景色は少しさびしくてなんだか自分の晩年を行く心持ちです。残るモミヂが最後の輝きを見せて、いかにも日本的な晩秋の秋草や山の景色は江戸琳派の絵を思い起こし、日本人に生まれてヨカッタと癒されます。

大丸山の頂上広場からは八景島から三浦、横須賀の景を望め、木の机と椅子が待っていました。自然薯掘りが出来るようで獲物を下げたおじさんが笑顔で登って来ました。

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