四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

バラは横浜の花

2014-10-30 19:08:11 | 生かされて今日

 鎖国をやめて欧米の先進国からどっと異風の文明が流れこんできた横浜市の花は薔薇です。

明治初頭さびしい寒村であった横浜村に異人館や遊郭が現れて、文化芸術や思想の流入より現世肯定の利便を優先したデズニーランドのような街が出来ました。

表面的な鹿鳴館的ちょんまげがタキシードやイブニングドレスに身をつつんだ風刺画の様子だったようです。

薔薇の花、ジャズに絹のマフラー、外人墓地に中華街は横浜をイメージさせる代表でしょうか。

今、秋の薔薇の盛りです。春のバラに比べると小粒ながら美しいですね。私は白バラが好きです。

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横浜俳話会みなとみらい賞

2014-10-18 21:53:00 | 俳句

 第4回みなとみらい賞准賞に、親友の表 邦彦氏(あかざ俳句会)が選ばれました。氏は現役のデザイナーで、あかざの編集長をされております。奥さまも息子さんも俳句をされ、色彩感覚の鋭い個性的作品を連発されております。同人仲間としておおいに喜んでいます。氏が応募された20句をご紹介いたしますので味わって下さい。

 

    「水」      

  虹といふあやふやな脚立ちにけり

  青しぐれ水の平を驚かす

  百選の水足してある金魚かな

  青葉風テナーの声の裏返る

  風鈴や沖に雲湧く無人駅

  夾竹桃空に深みのひとところ

  空蝉をのせて水面のへこみたる

  天瓜粉匂ひて時のはるかまで

  不可思議な呪文のやうにところてん

  凌霄花の吐き出す昼といふ媚薬

  日の暮るるまでに間のあり山法師

  待つまでの水はすべすべ蛍の夜

  身の内に満ちて晩夏の波の音

  闇あればこそ流灯の生き生きと

  さざ波に銀河のかけら紛れけり

  水槽に水の断面いなびかり

  人体は聖なる器水の秋

  流木のひときは白き焚火跡

  折れさうなこころに島の花便り

  堰の水落花をとどめ落ちにけり

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よこはま俳句大会

2014-10-14 04:46:32 | 生かされて今日

 大型台風が近づく中、第59回横浜俳句大会が横浜駅西口にあるかながわ県民センター大ホールで開催されました。足元の悪い中を104名の俳句愛好家が集まり半日ハイクを楽しみました。

来年はナント第60回を迎える歴史ある俳句大会です。子供たちの俳句も募集しており優秀作品が表彰されました。皆さまも是非とも伝統文芸のハイクに入門されませんか。

一般の部で表彰された作品は以下のとおりです。みなステキな作品で、感心するばかりです。

 

神奈川県知事賞      いくたびも髪梳きなほし雛流す  多田学友

横浜市長賞         柩ゆく兄が育てし青田中     岩渕 直

神奈川県議会議長賞   除夜の鐘みんな素直になる途中  川島由美子

横浜市議会議長賞    水に棲み水底知らぬ水馬     金澤正将

横浜市教育委員会賞   挿し木して科学をすこし疑ひぬ  衣川次郎

横浜俳話会会長賞    淋しさの分だけ歩む蝸牛     菅沼葉二

朝日新聞社賞       帽の庇まわして測量士     寺沢徳子

神奈川新聞社賞     旋盤の鉄屑吐ける暑さかな    大関 洋

産経新聞社賞      ひとりごとふやして祖母の終戦日 北村純一

毎日新聞社賞      悪役に見えぬ悪役村芝居     橋俊彦

読売新聞社賞      表札は夫の名のまま小鳥来る   橋富貴子

神奈川県現代俳句協会賞  日本に足ふんばって水馬     金子弓湖

日本伝統俳句協会協会賞  水中花の水がきうくつでならぬ  中根明美

横浜文芸懇話会賞       泊船の不意に水吐く十三夜    中嶋文枝

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台風去りて後の月

2014-10-06 10:23:19 | 生かされて今日

 大型台風18号は静岡県浜松に上陸し、こちら関東地方にも大雨を降らしてきました。私の携帯に初めて横浜市から避難勧告のメールが参りました。我が家は高台で高層のため安心ですが、北側の風雨から南側のベランダが荒れてきました。農家の皆さんは秋の収穫を前にご心配のことだと思います。

 昨今の日本は3.11の東日本大地震と大津波の恐怖をはじめとして、初もみじの御岳山の火山爆発の悲劇、大雨による伊豆大島と広島市との地すべり、どうしようもない台風の来襲などなど海も山も町中も予測困難なキケンが満ち満ちております。

自然を科学の力で克服できるという近代人の思い上がり、人知の限界を知しれとばかりに大自然が牙を向いてきたようです。歯止め無き人間のエゴイズム・貪欲がたいせつな奇跡の星・地球を傷つけてきました。

海流の流れ偏西風の蛇行、赤潮、北極の氷原の崩壊、ペキン市のような驚くべき大気汚染、山すそまで住宅を密集させるビジネス、消費者をあざむく添加物などキケンだらけです。

この台風による被害が最小限になるよう祈ります。この台風がされば今晩は「後の月」「十三夜」「豆名月」「栗名月」です。是非わが国伝統のおつきさまがお出ましになるように期待します。

セカセカと多忙な現代人の皆さまには、しばし足を止めて夜空を見上げてみましょう。心洗われるうさぎの影の月を仰ぎましょう。

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