『同じ一つのことでも、よくも悪くも受け取れるものなのですが、悪いほう悪いほうにばかり取る人がいます。
人はわが身の安全が第一で、それで、つい心配や不安のほうが先立ってしまいがちです。そういう考え方を、マイナス思考というのです。しかし、いつもそういう考え方をしていると、体内の分泌物が毒素の働きになっていくそうです。
人間の煩悩のもとは、貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の我執です。
「我」という字は手に戈(ほこ)を持って身を守る形につくられていますが、身を守るつもりの戈が、自分を傷つけてしまうことになってしまうわけです。
人の考え方の癖は、性格よりも習慣のほうが大きいといいます。なにごとも、よいほうに、よいほうにと考える習慣をつけると、だんだんそれが本物になっていきます。
プラス思考に切り換えるぞ、と決心を新たにしようではありませんか。』
庭野日敬著『開祖随感』より