四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

さくらが咲いた

2012-03-29 05:08:50 | 生かされて今日
 春の陽気に誘われて大船にある植物園に参りました。お寿司と缶ビールをぶら下げて。年配の方々が連れ立って見えておられます。誰もいないバラ園にある洋風のあづまやで先ず腹ごしらえをしました。でも、花よりダンゴ組が集まってきてたちまち満杯となりました。鳥たちのおねだりは今日はありません。春光の中でしばしぜいたくな幸福感を腹に感じます。労働から解放されて足腰が動いて感謝です。植物園の花や木々は手入れが行き届いていて元気そのもの。桜の盛りに見とれました。こぶしの蕾のむらがりは白い帯のように、まるで虹がかかった如くに弧を描いて美しい。咲き出す寸前です。広場にあるすずかけの木のかわいい丸い実が、イアリングのように揺れて見飽きません。
春の芝生では元気な子供たちがねころび、鬼ごっこをしていました。まさに「青き踏む」の時節が来ました。しかし、家の近くのサクラはまだ開いていません。
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先祖へ感謝するお彼岸

2012-03-23 18:01:50 | 生かされて今日
 正岡子規に次の句があります。
  「母の詞(ことば)自ら句になりて
        毎年よ彼岸の入(いり)に寒いのは」

お母さんが云った言葉そのままが有名な句になりました。今年の彼岸の入は3月17日、23日が彼岸明けとなりました。秋彼岸もありますが、俳句では彼岸といえば春の季語です。「花」は桜を指すように文学上の約束です。
 立正佼成会横浜教会では20日、5千のご家庭から供えられた約2万体のお戒名を仏前に読み上げて妙法蓮華經を読誦し、故人への感謝を捧げました。
今ある私たちの命は両親初め数えきれない先祖のリレーの賜物なのです。自分のイノチを25代さかのぼるとナント約3335万人の祖先になるそうです。その膨大な行動、経験や記憶は我が細胞のDNAにバッチリ残されているのです。私たちの「大いなる応援団」と云えましょう。この計り知れない潜在能力を少しでも人さまのために発揮したいものです。
 一年が過ぎ去った東日本大震災による犠牲者、行方不明者約2万人のお名前は全国の青年部員によって清書され、杉並の本部大聖堂の本尊釈尊にお供えされ心からの慰霊と早期復興が祈念されました。妻や夫を、親や子や孫を、愛する故郷を奪われた悲しみの大きさに立ちすくむばかりです。南無妙法蓮華経
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業平橋の名を棄てる野蛮

2012-03-15 20:49:21 | 生かされて今日
 東武鉄道は、東京スカイツリーの完成により最寄り駅の「業平橋駅」を改名して「とうきょうスカイツリー駅」にするのだそうです。
伊勢物語の主人公とされる色好みのハンサム貴族、在原業平(ありわらのなりひら)に由来する奥ゆかしい駅名を軽薄にも棄て、情緒に縁なき即物のリアリスト風の名前にごろりと変えることにがっかりします。いにしえの伝統を弊履の如く棄てる金満・効率オンリー国家の象徴でしょう。情けないエセ文化国家ですね。
第二次大戦で米英軍に無差別絨毯爆撃され壊滅したドイツのドレスデン市は戦後、残された建物の破片を寄せ集めて旧市街地に復興させたそうです。伝統を大切にするドイツ人の心意気に感銘を受けます。ロンドンやパリ市街は規制されて伝統の景観を維持しています。お江戸日本橋の上にグロテスクな高速道路をかぶせるお国をどう思いますか。
戦前は愛国滅私奉公の軍国主義で固まり、敗戦後は一転一億総懺悔で親米、自由放任お金第一に変節するこの変わり身の速さには驚きます。伝統の名前、地名を、町の名を効率のために無機質な名に変えるのは蛮行そのものであると思いますが、いかがですか。
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春の文化祭に

2012-03-09 07:59:04 | 俳句
 楷の木(かいのき)俳句の会は釜利谷地区センターで18年も続いている楽しい句会です。仙人みたいな鶴巻ちしろ先生の斬新で大胆な嗜好に惹かれて欠席する人がほとんどありません。人格見識、高潔のちしろファンが多いのです。文化祭に作品を持ち寄り参加しました。私は紙の丸いトレーを使って一句したためました。下記の最後の句の前で涙を拭く見学者を見ました。

○津軽じょんがら節から雪降り出す   ちしろ
○北風にまたがって出かけるとする   ちしろ

○につぽんの胎内にをり菖蒲園     駿
○雪降る日亡母と一緒のかくれんぼ   恭子

○霜の花かの世に時計ありますか    佳子
○どんぐりの落ち来る所そらの穴    けんじ

○虹の中母と兄とが会えたかな     幸子
○春の星どこかで拳の力抜く      量子

○不都合のあちこち宥め日向ぼこ    稔
○雪しんしん白骨となり相馬牛     りつ子
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横浜に春の雪

2012-03-02 21:59:43 | 生かされて今日
 4年に一度の閏年の2月29日、横浜も冷え込んで春の雪が間断なく降り積雪4~5センチとなりました。東京湾に面し大山の丹沢山麓に守られて温かく、雪が積もるのは珍しいところなのです。ただアスファルトが地面を覆う街なので排水に弱くちょっとした雨でも水たまりの街路が多いです。土にしみこませる工夫が無いのは困ります。豪雪地帯の雪下ろしのご苦労は想像を超えます。かって秋田県角館に行き、長いバールを屋根の根雪に刺し雪下ろしするのをびっくりして見上げていました。氷柱も風の方向に曲がりなびいているのも驚きでした。いやー南国育ちの私には考えられませんでした。春雪の降る景色は大勢の亡き人たちが充満して、たちこめているような感じです。スリップ事故のなきよう願いました。
 所要で近くへ長靴で出るとシュロ木の葉が雪で大きく垂れ下がり、雪を踏む音、車のチエーンの音も久しぶりに聞きました。
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