四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

星野富弘美術館の感動(その1)

2011-10-31 08:38:41 | 生かされて今日
 日光の南、群馬県の山奥に紅葉色づくわたらせ渓谷鉄道が走っています。桐生市から我が国で初めての公害、悪名高き足尾銅山へ繋ぐ鉄道でトロッコ電車が観光客を運んでいます。紅葉をトロッコで楽しむ魂胆でしたが、環八や関越自動車道の大渋滞に引っかかり、電車の発車時間にバスが延着して残念でした。
 薄紅葉の中に、白亜の美術館が待っていました。これまで600万人が星野富弘さんの口で描いた緻密な絵やポエムに惹かれて訪れたそうです。24才の先生時代に機械体操の落下事故で首以下の自由を失い、絶望から立ちあがり口にくわえた筆から珠玉の作品を世に出され、五体満足な私達を励ましておられるのです。
最初に口で書かれた拙劣な「アイウエオ」が壁にかかげられ合掌しました。一番感動したのは多数のポエムよりも、病床でのさりげない母子の写真、セピアの写真です。
ベッドに横たわる息子の枕辺でお食事中のお母さんが箸を口にうつむいておられました。若々しい前途在る息子だったのにとどんなに悲しかったでしょうか、いかに絶望されたでしょうか。わが涙が盛り上がって来ました。どん底から母子共に立ち上がられたその尊い努力にただただ合掌するばかりです。繰り返し戻り、お写真を拝しました。お母さんの横顔が観音菩薩に見えました。ありがとうございました、南無妙法蓮華経
コメント

ラグビーの秋だ

2011-10-24 10:02:18 | 生かされて今日
 横浜の三沢球技場の大学ラグビーを観戦しました。雨上がりの爽快な秋晴れの最高のラグビー日和となりました。慶応大学対青山学院戦です。私は男らしく紳士のスポーツであるラグビーが好きですが、何故かサッカー程の人気がありません。チョコマカ忙しすぎるサッカーより、じっくり組んでからオープンに展開するラグビーが格好いいと思いますが。でも、なでしこジャパンの世界制覇は偉業ですね。女子のラグビーてあるのかしら。
 空いているバックスタンドで悠々と観戦です。前の席にはふたりの可愛いお姫様づれのお父さんがいて、ルールなど解説しているのですが、娘二人はゲーム機に集中していました。せっかく広びろとした芝の景色より、ゲーム機の小さな画面がいいみたいです。しかし、お父さんに顔を貸してくれるだけで嬉しいものだ。も少ししたら離れて汚いなんていいだしかねませんから。
 試合はミスが多くて、周りの慶應OBが舌打ちして怒鳴っていました。秋芝の綺麗なグランドには声援する女性や幼子の声も飛び交い、戦争するよりスポーツで決着をつける世界になってほしいと思いました。
 終了後、OBの方々がたむろして同窓会へくりだす雰囲気でした。帰りに大震災地の少年ラガーへの募金をして帰りました。
 
コメント

新宗連60周年と東工大上田先生の講演

2011-10-21 22:25:58 | 生かされて今日
 平和のために宗教協力を推進してきた新日本宗教団体連合会(加盟70余教団)は創設60年を迎え、東京渋谷公会堂で記念式典を開催しました。先ず、小異を捨てて大同団結した先人信仰者達への感謝と、東日本大震災犠牲者への鎮魂、早期復興の祈りとを全員が起立して黙とうを捧げました。
 記念講演は東京工業大学の上田紀行先生が、「未来への種をまく宗教」と題して徳のある新しい絆づくりに信仰人が日々良き種を蒔く努力をと励ましの熱弁を振るわれ感銘を受けました。
3.11以降何が一番人生で大事なのか問われています。原子力発電所事故による広範囲な放射能汚染や国の借金の子孫へのツケ回し、グローバルスタンダードと称する弱肉強食、自己責任主義、強欲な拝金主義の構造改革によって生まれた勝ち組負け組の格差社会、毎年3万人を超す自殺者などなど我々が未来の国民へ加害者となってしまいました。水の星地球さえも人類の傲慢な貪欲に壊れようとしています。
 そんな損得勘定の時代に60年も地味ながら社会貢献している信仰者は誇りであると激励されました。そしてダライ・ラマのように母国チベットを追われている辛酸の中でも、釈尊の説かれた因縁果報の真理を信じて、将来のために今よき種をまく、蒔き続ける姿勢に続いて欲しいと結ばれました。立正佼成会庭野日敬開祖も「良いことを、心を込めて、繰り返す。楽しくなるまで繰り返す」と指導されました。
世間や人に絶望せず、早く結果を求めず、良き種を蒔き続ける、因縁果報を信じきって小さくても陰徳を積み続ける信仰者となりたいと存じます。
コメント

席題は「受」と「照紅葉」でした

2011-10-16 07:45:15 | 俳句
 体育の日の10日、第56回横浜俳句大会が開かれて席題が出されました。席題とは句会当日に出される言葉で、それを織り込んで短時間で句を作る(即吟)必要があります。今回の席題は、「受」と「照紅葉」で、いずれかを選んで投句します。
表彰された10句は次の通りです。みな瞬発力ある方々ですね。

横浜市長賞 
   八十路いま受身に生きてふかし藷   名和美知子
神奈川県議会議長賞
   親なくも故郷ありけり照紅葉     大西昭舟
横浜市議会長賞
   蓑虫はぶらり禍福を受け流す     松井光子
横浜市教育委員会賞
   声がしている裏山の照紅葉      門谷杜人
横浜横浜俳話会長賞
   刈田原星の生まれる音を受く     山本恵子

朝日新聞社賞
   ふるさとは吾の受け皿零余子(むかご)落つ
                     芝岡友衛
毎日新聞社賞
   受話器置いてしまえばさみし秋の空  山本一歩
読売新聞社賞
   照紅葉かくも明るき別れかな     金子文枝
横浜横浜俳話会賞
   照紅葉いつもどこかが筋肉痛     鹿又英一
新俳句人連盟賞
   赤蜻蛉虚子の墓域に名刺受      大木典子

コメント

パソコン、携帯電話等による犯罪被害

2011-10-15 06:59:34 | 生かされて今日
 小学生の幼童から老齢者までパソコン、携帯電話、更に進んだスマートフォンの普及がぐーんと進んでいます。小型コンピュータを常時身に持運ぶ利便な時代となりました。その反面ルーズな管理や油断により被害を被る犯罪に巻き込まれる危険が増大しつつあります。神奈川県警主催の「サイバー犯罪防止シンポジューム」が12日、横浜開港記念館で開催されました。
インターネットは、銀行でのお金のやり取りやネットショッピング、メールのやり取り等の極めて便利なものだ。ただ、自分の玄関や窓に鍵をしない人間はいないが、パソコンや携帯電話は開けっ放しの無用心の人が多くて危険が一杯だそうです。目に見えない犯罪者からのトラップ、罠が毎日仕掛けられています。自分のPCは自分で守る覚悟が必要なのです。特に小学生から大学生まで好奇心旺盛な子供には誘惑の危険が多く、自動車免許の様にルールやマナーを教え込む必要があります。
 無修正ポルノ写真、児童ポルノ、出会い系サイト、薬物販売や銀行口座からの詐欺、偽メールからのウイルス伝染などなど、外国からも危険が押し寄せているようです。子供には安易に使用させずに、危険なサイトを遮断する親の指導が必要です。偽の請求書は無視して絶対に返事をしない、添付ファイルはウイルスと疑うなど自分で身を護りましょう。 みなさん、サイバー犯罪防止の講習は是非受けましょう。
コメント

第56回 横浜俳句大会

2011-10-11 12:06:12 | 俳句
 今日11日は大震災7ヶ月、2万人の犠牲者と早期復興を願い仏間で読経をあげさせて頂きました。なお、10月12日は芭蕉忌で栗名月です。平安時代からのニッポンの美意識の象徴、外に出てわが名月を仰ぎましょう。
 10日の爽快な体育の日、半世紀を超える伝統の横浜俳句大会がかながわ県民センター大ホールで開催されました。私たち横浜横浜俳話会の役員は9時集合準備して俳句愛好家を待ちました。私は新聞社からお預かりした立派な入賞盾を両手に運びました。いつも他人の為に手配するばかりで、一度くらいはその盾を頂きたいものです。154名の来場者の盛会となりました。大会役員としてありがたい事です。入選作品は次のとおりです。おめでとうございます。(敬称略)

神奈川県知事賞
  夕立のあとにんげんは軽くなる   中嶋文枝(92歳)
横浜市長賞
  夫の手を握るためゆく冬病棟    金子文枝
神奈川県議会議長賞
  また別の秋風に会ふ坂の上     斉藤加代子
横浜市会議会議長賞
  八月の無音の空の高さかな     大西昭舟
横浜市教育委員会賞
  眠るだけ寝ては出てゆく帰省の子  小林比奈子

横浜横浜俳話会賞
  豆の花どれも飛びたきかたちして  大垣孝子
朝日新聞社賞
  風鈴の音引越してしまひけり    山本一歩(横浜俳話会会長)
神奈川新聞社賞
  診断は加齢の一語花うつぎ     穴水よね子
産経新聞社賞
  暮れゆく父の日父がいるように   内田秀子
毎日新聞社賞
  世の中がきれいに見える青すだれ  中原善江

読売新聞社賞
  水まろくまろく白桃洗ひけり    高橋艶子
神奈川県現代俳句協会賞
  郭公やサラダのような朝がくる   鴫原さき子
日本伝統俳句協会賞
  冬瓜のなやんだことのない形状   松塚大地
横浜文芸懇話会賞
  原爆忌一杯の水重きかな      多田武峰

私は佳作で初めて入賞しました。
  娶らざる息子ばかりや目高殖ゆ  駿
コメント

少年少女の詩人

2011-10-09 20:49:35 | 俳句
 灯火親しむ晩秋となりました。半世紀を超える横浜俳句大会は今年で第56回を数えます。昭和31年、俳句結社の主義主張、スタイルを乗越えた親睦団体として秋元不死男、古沢太穂、小林康治らの先達が集まりました。毎年この横浜俳句大会や三渓園寒梅俳句大会、吟行会や定例句会を開催、高校生への俳句指導などを手弁当の奉仕を続けています。
俳句大会は横浜市教育委員会や神奈川県、県議会、横浜市、市議会、新聞5社の後援を得て、10日かながわ県民センターで開催されます。少年少女の入賞は十名の方々で表彰されます。大人になっても詩人であり続けて欲しいと思います。

・うちわのきんぎょあおぐとみんなおよぎだす  小1 すずき あいな
・風鈴は風がかわるとちがう音          小3 矢口 るな
・ぶらんこに乗れば私のタイムマシン      小5 宗山 菜々美

・夕焼を海がのみこむ日曜日          小6 柏本 さくら    
・彼のま前顔も心もさくらんぼ       中1 望月 楓
・ひまわりの性格きっとおてんばだ    中2 高橋 佑果

・大夕焼両手は明日へ開けておく     中3 竹野 志穂
・割れるたびしゃぼん玉から笑い声    中3 木村 總
・半ズボンひざに国境生まれたり     中3 二見 賢人
・てんとう虫私の好きな文庫本      中3 村田 莞太朗
コメント

大学生と勉強

2011-10-03 14:37:41 | 生かされて今日
 横浜市主催の市民公開講座「放射能がもたらした食への影響」が神奈川大学で開かれて参加しました。放射能汚染という目に見えない疑心暗鬼の時ですからベストタイミングな講義だと思います。講師は国立保健医療学院という初耳の研究者でした。
ただセシウム、ヨウ素、被曝線量、シーベルトやベクレルと云った基礎的意味も不明な私には残念ながら解りませんでした。ヨウ素よりもセシウムが危険で、30年にわたり悪さをすることや省庁HPから色んなデータが公開されていること、海の汚染は複雑で現在ではほとんどわからないらしいこと等が知られました。終了後に講師に質問をし、震災直後の原子炉爆発以降汚染物質の排出は止まっているのかを尋ねたところ、大幅に減っている様子との返事でした。私の思っていた以上の広範囲に汚染が及んでいるようです。政府もマスコミも混乱を避けるために情報を絞っている感じだ。例えば吹き飛ばされた発電所の映像は意図的にかなり遅くなって流されたと思います。
 この講座は学生と市民が共に学習する企画で、とても良いと思います。学者教授は象牙の塔に閉じこもらず市民に奉仕する気構え(noblesse oblige)を出してもらいたいものです。周りの学生さんは寝込んで出席の点稼ぎのふうでした。久しぶりに秋日和のキャンバスを歩いて青春を思い出しました。とても立派な学び舎や周辺の下宿を見ると学費を背負う親御さんのお顔が浮かびました。
コメント