四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

京の旅(その4)平等院

2010-02-28 06:00:04 | 生かされて今日
 貴族の藤原道長は天皇家にどんどん娘を嫁がせ、天皇家の親戚として天子を後ろ盾に事実上日本を支配しました。「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」とわが世の春を謳歌しました。その彼の息子が別荘からお寺、平等院に立て替えました(国宝)。なんで「平等」院と名づけたのかなぁ。
 ご本尊は阿弥陀如来で、この憂世から西方浄土に生まれ変わろうという貴族の信仰の対象でした。浄土式庭園の池面に優美な伽藍が写り、丸窓から仏様のお顔が拝めます。2匹の鳳凰(ほうおう)、鳥が羽ばたく屋根で鳳凰堂と称します。
約千年前、草深い片田舎に豪華絢爛で異次元の色彩世界が出現したのですね。
 境内に源三位入道頼政自刃の墓碑がありました。平清盛に仕え裏切り者とおとしめられていましたが、実は源氏再興のために耐えに耐えて、終に平家打倒を計るも宇治に破れ自決したそうです。80才に近い高齢の坂東武者だったそうです。吉川英治の「新平家物語」は名著です。
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京の旅(その3)ゆくかわのながれは

2010-02-27 06:23:45 | 生かされて今日
 宇治川はうねる波音に春の到来を知らせてくれ、鴨長明『方丈記』冒頭の名文を思い出します。豊かな長寿社会となりましたが、大自然を前にすると人生は水のアブクと同じで瞬間の生だ。ただ、死はサムシング・グレート、大いなるいのちに戻る希望だと高僧は教えます。
 けれどそこ、死に至るまでの「老と病と」がとても永いのが長明の鎌倉時代と違う点ですね。科学が進んだ現代でも肝心の自分の将来、寿命は分かりません。神仏のみ手のままにです。亡くなった親や親戚、友だちや会社の仲間の多きことよ。「諸行無常」と釈尊は喝破されました。
 
 『ゆくかわのながれはたえずして、しかももとのみずにあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつきえかつむすびて、ひさしくとどまりたるためしなし。
よのなかにあるひととすみかと、またかくのごとし』 ホントに納得ですが、どうしよう。
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京の旅(その2)宇治上神社

2010-02-26 08:09:47 | 生かされて今日
 世界遺産の宇治上神社(うじがみじんじゃ)を初めて参拝しました。きらびやかな京都の神社仏閣に比べ、小さく簡素ながら何故か心身ともに洗われて清浄感に包まれました。帰宅してから更に印象が深くなりました。ほとんど無人、静寂にしておごそか。
 身にまつわる猥雑な異物を全部振るい落として、自分が大自然と一帯となってくる不思議な異次元空間と云えましょう。忘れかけている「につぽん人」の古来信仰がよみがえる感じです。なんせ950年前で現存する最古の神社建造物(国宝)だそうです。
 お腹の大きな婦人がお祓いを受けていて私も若き夫婦の幸せを祈りました。名水の涌く泉で神官が水を汲んでおられ、シャッターを押してくれました。去りがたいやしろでした。
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京の旅(その1)

2010-02-25 08:11:53 | 生かされて今日
 源氏物語宇治十帖や源平の古戦場、お茶で有名な歌枕・宇治へ参りました。小春日和をコート無しで世界遺産の宇治上神社と平等院とを参拝し、宇治川沿いを散策しました。ホントに豪華な心澄む一日を頂きました。
昔祖父が住むならば宇治と申しておりましたが、なるほどと得心する美しい歴史深い味のある町ですね。春を奏でる宇治川ぞいに朝の散策をする方々が行き交います。羨ましいですね。はるがすみの山ゝをぬって春光燦々とうねる清水とその瀬音に心が洗われます。宇治川をはさんで世界遺産が2つ、この朱の橋がつなぐのですから豪華絢爛です。ここは京都観光の穴場で大いにお勧めします。
 「兎道(うじ)のいらっこ」なんて日本史の授業以来のコトバにも遭遇しました。
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声明(しょうみょう)チャリティーコンサート

2010-02-21 21:35:27 | 生かされて今日
 声明(しょうみょう)とは仏教の賛美歌、聖歌で、お坊さんによるソウルミュージックです。奈良時代に輸入された由で梵唄(ぼんばい)とも云います。きらびやかな法衣をまとう男性コーラスで笛太鼓や鉦・鼓とかなでるメロディーはとても素敵です。
神奈川県仏教青年会が主催してコンサートが開かれ、県立音楽堂の聴衆を魅了しました。
 仏教だけとはいえ宗派の煩瑣な違いを乗り越えてのハーモニーで、排他的な宗教原理主義同士の悲惨な戦争が続いている世界に輝かしい智慧を示しました。
一緒に企画して演奏されるまでの各宗派のご努力がしのばれ、心から敬意を表します。
天台宗(伝教大師最澄)、真言宗(弘法大師)、浄土宗(法然上人)と浄土真宗(親鸞聖人)のお坊さんが、小異を捨てて素晴らしい調和音を響かせておりました。
私の耳には天井から妙なる黄金の鈴の音がハッキリと降ってきて不思議でした。恐らくは善哉善哉とお釈迦さまや神さまが喜んで居られる様に感じました。
 ♪梵唄に妙音の降る春の宵  駿
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釈尊のご命日(涅槃会)

2010-02-18 12:11:41 | 生かされて今日
 お釈迦さまが入滅されたのは紀元前486年頃と推定され、日本では2月15日とされています。29才の時に印度シヤーキャ族の王子の身分を捨て(大いなる放棄)、すべて人間をすくい取る法を求めて出家、6年の苦行を積まれて真理の発見に到達(成道会12月8日)されました。
以来印度大陸を40年にわたり布教伝道、足裏は板のように磨り減る慈悲のご生涯でした。恐らくは誕生された母郷現ネパールにあるルンビニーへ老躯を歩まれる途中、クシナガラで80才の尊い一生を終わられました。最後のお言葉は『もろもろの事象は移ろい無常である。放逸に堕することなく、修行を成就せよ』とされています。頼りになるのは「君自身と法」であるぞとの遺言であります。最後のよるべは人や財産や地位名誉ではないのです。
 23日から東京国立博物館で「長谷川等伯」展が開催されますが、大涅槃図(寝釈迦)が出品されると思いますが是非見上げてください。ものすごくデカイ涅槃図ですよ。
 
 「涅槃図に手合はすことの外知らず」 細見綾子
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90人コーラスに黒二点

2010-02-17 23:06:10 | 生かされて今日
 この企画の合唱に応募され壇上に登場できた男性はわずかにふたり。指揮の先生嘆いていわく「金沢区に男性はいないのでしょうか」と。
仕事を離れた団塊のおじさんたちはどこに行ったのでしょうか。私の周囲の男性を見ても働くしか行くべき道がないように思われます。亭主元気で留守がいいと、奥様も永年築いてきた静かな家庭生活に急な闖入者は迷惑なのでしょう。ボランテイアや趣味の会もご婦人が大多数です。
働くことは国のためですが、生涯無駄をしない生き方はなんだか淋しいと私は思います。人生は有限、元気なうちに無駄をする贅沢や無償奉仕を楽しむ暮らしもいいものです。仕事が少ない大不況の現代、国民に奉仕すべき公務員OBは天下りを止めて、就職口を民間人に若手に譲って欲しいものだ。ワークシェアーリングが叫ばれているが、どこも「建前は公募」だが、実態は天下り。無慈悲で貪欲な小役人根性は追放したいですね。
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ヤングママの演奏

2010-02-14 06:41:03 | 生かされて今日
 ノンプロの慈善演奏会が公会堂で開かれ、わが妻も合唱団の一員で出場するので応援に行きました。生憎くみぞれの模様の寒さでしたが、会場は地元の素人文化人への熱い応援で「春」が来ていました。
 リコーダー演奏を聴かせてくれた若いご婦人たちを良く見ると、3人の方が乳飲み子を膝の上に、背中に背負い、胸に抱いて笛を吹いていました。愛児たちはグッスリ眠り、なんと素敵な教育でしょうか。また夫婦円満な素敵なご家庭がしのばれて、ニッポンの地力を信じられる感動を頂きました。大金はなく質素な暮らしでも、音楽のある潤いある家庭生活は最高のシアワセだと思う。旦那さんにも愛児達にも。ニッポンの為にも。
アンケートに記した一句。 
 ♪ちのみごを抱(いだ)く縦笛春来る  駿
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海軍特別年少兵

2010-02-10 19:06:45 | 生かされて今日
 ボランテァガイド仲間の五人で毎月一回、ランチタイムの放談会をやっています。みなさん老境ながら好奇心旺盛、政治、読書や歴史研究、広い趣味に時間を忘れる方々ばかりで後輩の私は圧倒されっぱなしです。もちろんビール、焼酎ありで刺激的、議論沸騰おもしろいです。いつも様々なテーマが出て、配布する資料や読破した本を持参されます。
 今日は80才の方が「海軍特別年少兵」の時の貴重な資料を見せてくれました。「14才の少年兵」の証言には皆ビックリ、密室での残酷なしごきの海兵団生活を生々しく教えてくれました。昭和17年の1期生から20年の4期生まで、愛国心をたきつけられた約17200人が召集、約5000人が戦地に倒れたそうです。不健全な愛国教育がいかに多数の児童を血なまぐさい戦場に送り込んだのかの証人です。集団リンチで夜毎しのび泣く者、自殺した方もいたそうです。持参されたヒノマルの「七生報国」に当時の熱病がしのばれます。国家に戦争は絶対させてはなりません。その防波堤は世界にひとつしかない平和憲法・日本国憲法です。国家権力の暴走を阻止出来るのはこの憲法のみです。
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愛別の歌

2010-02-06 21:10:13 | 歌の花束
 結婚式ではよく「死がふたりを別つまで」と末永い二人の愛のきずなが祝福されます。新聞歌壇の作品から愛別離苦の切ない声をお聞きください。今気づいたのですが、掲載日が異なっていましたが同じ作者でした。
 「妻逝きて鴛(おし)を数ふる癖がつき
             偶数ならば心安らぐ」 野田市 安部 潤さん
 おしどり夫婦が突然独りぼっちになるという身を切られる修羅場に私は身ぶるいがしました。ひとり池辺に座り定まらない視線の姿が浮かびます。しかし、同じような悲劇が他人には無かれとのやさしさが滲んで諦観による立ち直りが兆しておられます。愛別離苦には日数(ひかず)のクスリしか利きません。

 「納骨に我がハンカチを敷きてやる
         かの日のやうにいつか並ばん」 野田市 安部 潤さん
 芝生やベンチに恋人のためにハンカチを敷いてあげる、あの日が戻ってきてほしいとの悲鳴であります。かの日のように君と並んで坐りたいという悲痛な声なのです。嗚呼
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雪の横浜

2010-02-02 14:42:17 | 生かされて今日
 ♪朝の雪家並に彫りの生まれけり  駿
横浜は二年ぶりの雪の朝です。北国のツララが下がるどか雪に比べると可愛らしいものでしょうが、うっすら白銀の世界になりました。朝凪で工場の煙が真上にゆらついています。地平線の左に桜木町にある日本一高いランドマークタワービルで、更に北上すると東京です。
 大相撲の貴乃花親方がコチコチの旧守派が仕切る相撲協会の新理事に選ばれました。旧態依然で年功序列の世界に新風をと期待したいです。モンゴルなど異人さんに席巻され、不祥事続きの国技の大相撲を是非改革してほしい。
 それにしても初場所優勝の朝青龍がまたまたのトラブル、企業ならとっくに会社の信用失墜のトガで解雇です。強ければと甘くしてきた北の湖前理事長のボーンヘッド、役人天国と同じ管理不足のツケが回ってきました。民主党も金まみれ、旧守自民と同じだ。アーア。
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春近し

2010-02-01 17:09:07 | 生かされて今日
 一月が去り、如月(きさらぎ)の二月です。「きさらぎ」の名は、未だ寒さが残り衣類を重ね着することからという説もあります。二月三日は節分、追儺(ついな)、鬼やらい。豆まきです。英語では、bean-throwingだそうです。昔はイワシの頭をヒイラギの枝に刺して悪疫が侵入せぬよう門柱に掲げていた由。要は冬から春への切り替えの厄払い。翌日四日は立春となります。
 寒中読誦(どくじゅ)で導師と脇導師を勤めた小学4年生から大学院生までの青年部90人が紹介されて大きな拍手をされていました。今まで「法華三部経」を手にしたこともなかった子ども菩薩もいたそうですが、不思議な後押しで完遂したのは凄いなぁ。きっとご両親や祖父母、支部長さんらの大応援団のお陰さまでしょう。私の近所にいる小4の娘さんの導師の朝には、「牛に引かれて善光寺参り」よろしく普段教会に来ない父親も最前席にいましたよ。テレビを中心とするのでなく、釈尊、先祖のおわす仏壇を家庭の中心とする暮らしを広めたいものです。
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