四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

さようなら2011年

2011-12-31 21:26:13 | 生かされて今日
 最後尾の車両からレールが繰り出され、トンネルが遠ざかります。悲しい重たい2011年、平成23年が逃げてゆくようです。止まること無く流れ去る時間は目に見ませんが距離にされるとわかる気がします。
 3月11日14時46分の大震災犠牲者は、12月30日現在警察庁によると死者15843人、未だ行方のわからない方は3469人、合計19,295人という甚大なものでした。その上に東京電力福島第一発電所爆発事故による放射能汚染で30万人以上の方々が家を追われ避難され、お正月をさえ慣れない場所、寒い仮住まいで迎える残酷なことになりました。
お慰めする言葉もない地獄に突然突き落とされたお心を傷むばかりです。なんという一年だったのでしょうか。同胞としてせめて献金や旅行、地元商品の購入など小さくても忘れずに再建のお手伝いを継続したいものです。
あかざ俳句会の合同句集の製作は被災地岩手県宮古市の印刷会社にお願いしてあります。私は朝の読経で犠牲者のご冥福と早期復興の祈りを続けています。来年は何が何でも皆さまと手をつなぎ良き年にいたしましょう。この一年ブログへのご訪問ありがとうございました。

最後に『万葉集』掉尾を飾る大伴家持の歌を。

 あらたしき年の初めの初春の
        今日ふる雪のいやしけ吉事(よごと)
コメント

助太刀に頼る高校駅伝はどうなの

2011-12-25 21:44:20 | 生かされて今日
 年の瀬の京都を走る高校駅伝は男子も女子もアフリカからの留学生が突出する高校が勝利しました。女子は愛知県の豊川高校、男子は広島県の世羅高校が優勝しました。なんせ日本人高校生のレベルをはるかに超える外国人留学生の助太刀は観戦する方から見ると興を削ぐ。
生徒の国際化、外国との友好親善をすすめるためもあろうが、出来れば各都道府県の地元の少年少女を競わせる方がいいのではないでしょうか。有名校になれるよう経営者が勝負に徹して金と余裕のある高校は快速の留学生を呼べるけれど、できない高校も山ほどあるはずだ。
 甲子園を沸かす高校野球もしかりだ。大リーガー松坂投手の横浜高校も地元中学OBよりも全国からスカウトされた野球少年が多数占めるらしい。県立高校や普通の高校では考えにくいことではないでしょうか。そんな人為的、プロまがいのお助けマンが、文部省や教育者間で問題にならないのは不思議だ。授業の一環、教育のひとつというなら普通の生徒を育て、勝負する方向に変えられないのでしょうか。高校教育まではきれいごとが許されるべきだと思います。あなたはいかが考えますか。
 今日はクリスマス。クリスチャンでもないのに繁華街は見事に金儲けにはめられた方々のお祭でしょうね。
コメント

生麦事件の碑が見当たらない

2011-12-22 14:19:27 | 生かされて今日
 いとこ夫妻が孫誕生で鹿児島から上京して来たので、夫婦同士で久しぶりに横浜で会食するつもりでした。ところがクリスマスの赤レンガ倉庫やみなとみらい辺りの華やいだ場所は見飽きたそうなので、待ち合わせに選んだ駅はナント京急生麦駅。
 今を去る150年前の生麦事件(薩摩藩国父・島津久光の大名行列を遮ったとして馬上の異人4人が殺傷された)の現場と麒麟ビールの工場見学となりました。流石薩摩藩の先祖を持つ同士と私が国道沿に有った事件現場の碑へ案内。ところが行けども行けどもその石碑が見当たりません。ガソリンスタンドで聞きましたらもう過ぎていると。戻って辺りを調べると高速道路建設工事のために仮の場所に移転したとありました。旧東海道の道を戻るとやっと発見。場違いなマンションの隣にありました。ここは英国商人リチャードソンが薩摩藩士に斬られ、700メートル逃げて落馬、止めを刺された現場あとなのです。
 ビール工場の見学から、今度は110年前の日露戦争の英雄東郷平八郎元帥の戦艦「三笠」見学となりました。世界最強のロシアのバルチック艦隊を全滅させた奇跡の司令官は、わが故郷の偉人です。横須賀は「天気晴朗なれども波高し」で、元帥が戦闘中仁王立ちした艦橋に登りました。終戦直後のこの戦艦は、米兵のダンスホールになったり、大砲をくず鉄に切り取られたり受難の日々があっあそうです。
 明日は三島由紀夫が割腹した東京市ヶ谷の旧陸軍省へ出向くそうです。夫婦での永い事業を閉じ、今は自由奔放でマニアックな旅でいーですね。今が青春なのです。
コメント

師走の句会

2011-12-18 17:55:23 | 俳句
 あかざ俳句会の師走句会は港の見える丘公園に近い神奈川近代文学館でひらかれました。冬日さんさんと降る暖かな一日で、しばらく体調を崩されていた方が、御主人さんの車で久しぶりに参加できて拍手に迎えられました。旦那さんのやさしさに感謝です。句会のあとは忘年会を横浜中華街で開催、元気で俳句を楽しめることをお互い様感謝して別れました。
 感銘句、高点句は次の通りです。

○重たさを腸に感ずる寒さかな   土太郎(旭川)
○曇天へいろ足す石蕗の花あかり  美津子
○柚子を煮る香り家中ふくらませ  恵美子
○凍雲や浅き呼吸の川原石     正浩

○骨だけの傘横たはる開戦日    駿
○加速する街のまたたきクリスマス 駿
○極月や耳に棲みつく発車ベル   邦彦
○木版のベタの擦りむら冬ざるる  邦彦
コメント

お母さんのレシピ

2011-12-15 17:12:23 | 生かされて今日
 私たちは世界中から食料を輸入し、大量の食材を捨てている愚かな暮しに慣れ切っています。一方、開発途上国では満足に食べられない飢餓が普通だそうですが、日本では便利で安い食物が氾濫し、「飢え」は死語になりそうなグルメ大国です。しかし「食に対する無関心と無知」とにより、生活習慣病やアレルギー、少年少女の運動能力や体力が弱まり家庭での食習慣が確実に悪化しています。今まで私も食への無関心から、単に飢えを満たす行為としか見ない無知でした。
 手間をかけた安全な「おふくろの味」が、核家族化や共稼ぎの多忙さから消え、買ってすませるお惣菜、冷凍食品や外食が普通となりました。一家団欒が有った食事から、孤食の時代だそうです。新宗連の仲間が集まり、子育て家庭に食習慣の大切さを働きかけたいと話し合いました。食品保存料や着色剤、工業用塩や酢など食品添加物の危うさにも敏感になるべきなのです。
 キャッチフレーズは、電子レンジでチンして食べる「袋の味から、おふくろの味へ」です。このボロボロの本は仲間の方のお母さんが使っていた大正時代のレシピです。食事づくりのお手伝いから家庭の味が引き継がれ、親の思い出が鮮明に残る「絆」になっているそうです。この本はお母さんからの素晴らしい遺産ですね。良き食習慣は幸せを築く土台です。
コメント

ふるさとの少年たちの句

2011-12-07 16:34:38 | 俳句
 鹿児島の俳人・福永耕二顕彰会と南日本新聞主催の「かわなべ青の俳句大会」の審査結果の発表がなされました。高校生以下の生徒の俳句大会です。私が感銘した作品は下記の通り。
感覚が柔らかく新鮮な時に日本伝統の詩づくりにトライすることは、ガリ勉に塾通いがはやる世相の中できっと豊かな情操の育成に役立ちます。先生方のご努力に頭が下がりました。

南日本新聞社賞 
   死産した子をなめる牛夏暮れる  市来農芸高校3年 砂坂 君
南九州市長賞
   剣道の面脱ぎしより蝉しぐれ   鹿児島高校2年  鎌田 君
鹿児島県俳人協会賞
   あの子いたおうちの場所にこいのぼり 池田小3年  上田 君

   ハードルの波の向こうにゆらぐ夏   舞鶴中1年  西 さん
鹿児島県知事賞
   稲光大樹の影が地を走る     川辺高校2年   佐多 君

 福永耕二氏は私の高校の先輩で、若くして水原秋櫻子の「馬酔木」編集長をされ、大器でしたが惜しくも42才で逝かれました。

 ○新宿ははるかなる墓碑鳥渡る
 ○雲青嶺母あるかぎりわが故郷
 ○浮寝鳥海風は息長きかな

この「かわなべ青の俳句大会」の審査委員長である俳人・渕脇 護氏は、東京世田谷区烏山のわが青春の岩崎学生寮の先輩で、学生寮の寮歌を作詞されました。
コメント

雅楽は素敵だ

2011-12-05 08:13:55 | 生かされて今日
 小春日和の師走の日曜日、杉並の立正佼成会法輪閣で雅楽の公演会が開かれました。中国から伝わった日本平安朝の宮廷のコンサート、宴席のショーなのでしょうか。出演者は職業とするプロではなく皆さん一般の会員さんで、佼成雅楽会としての無償奉仕です。かなりの年配者からうら若き女性まで、普段の精進の成果を披露されました。
 西洋音楽に馴染んでしまった私には異質のスローテンポですが、天然の海や水、風や鳥の声に似て安らぎを与えてくれました。人間が自然の一部だという東洋の感覚、思想が紡ぎ出した音、リズム、服装、所作仕草、舞で堪能しました。
特に恐ろしい鬼の面が槍を持って勇壮にきらびやかに舞う舞楽は素晴らしいものでした。この雅楽が生まれた頃に、私の祖先はどうしていたのかなぁと空想して舞台を見つめました。私の細胞のDNAに居られる先祖が身を乗り出されている感じがしました。このせわしない師走の会場には横浜教会のご夫妻、和服の姉妹の仲間にも会いました。
 日本の伝統文化が明治時代から軽んじられて、外国文明崇拝の風潮は困りものです。英語やフランス語が喋れても、日本文化や仏教の教えが話せないのは無教養に等しい。政治家、外交官やビジネスマンの指導者に、日本文化を誇れる教養、国への自信を期待します。
コメント (2)

人ごとでないギリシャの破産

2011-12-01 05:35:49 | 生かされて今日
 ギリシャの財政危機からイタリア、スペインはてはフランスまで国の借金が危惧され始めました。世界一の経済軍事力のアメリカまで財政危機が懸念されています。日本も膨大な借金財政です。キリシャでは政権交代によって隠されていた財政実態がわかり、国民もEU諸国も大混乱の体です。ヨーロッパ諸国の国債が債務不履行、つまり紙くずになるリスクから金利を7%程度に上げなければ引受け手が無いのだそうです。ギリシャでは再建のための厳しい緊縮、増税と給与削減、ゴミの収集など公共サービスの低下に、怒りの大デモが混乱を示しています。再建に国民の痛みは避けられません。
 キリシャ問題の原因は恐らく政治家はじめ各界リーダー達が、「自分の利害を国家・社会福祉の上に立てているエゴ」に根ざしているのではないでしょうか。わが国の民主党も国民に痛みをまわす増税の前に、国費の無駄を徹底的に省くと公約していましたが・・・。
「自分たちの既得権」を失う議員定数削減や選挙制度改革、公務員給与の削減や天下り禁止など国民のためになる改革は、選挙向けの掛け声ばかりです。もはや選挙は政党の違いよりも、「候補者の人格」が問われるべきです。自分を捨てて社会や国家の為に身を挺す、犠牲となる覚悟がないのではどこの政党でも期待できないのです。日本再建のために国民に不利な痛みをあえて言う勇気こそリーダーです。米軍、自衛隊は国のために必要だが基地は嫌だ、ゴミ収拾は必要だが焼却場は来てくれるなでは、第二のギリシャに陥る危険が我が日本にもジワジワ来ています。選挙民の私達の自己中心、エゴイズム、拝金主義が議員達、官僚や企業経営者に反映しているのです。我々にこそ心の立て直しが必要だ。
コメント