秋日和の9月29日、半世紀を超える伝統を誇る第58回横浜俳句大会が開催されました。あらかじめ全国から投句頂いた1400句の中から選ばれた入選句は下記の通りです。さすがに視点が斬新、うまいなぁ!( )の句は重複入賞により辞退。
神奈川県知事賞 紙魚あとに検閲の印学徒の記 大須賀 善和
横浜市長賞 風音も刈つてしまひし草刈女 中嶋 文枝
神奈川県議会議長賞 耕して耕して母逝きたまふ 大西 昭舟
横浜市会議会長賞 八月やいろんな音の靴が来る 前田 千恵子
横浜市教育委員会賞 どこよりも涼しき家に帰りけり 小林 比奈子
横浜俳話会長賞 しんがりは見たことはなし蟻の列 鴫原 さき子
(この墓に兄の骨なし昭和の日 大西 昭舟)
朝日新聞社賞 シンバルが最後に鳴つて雲の峰 山本 一歩
神奈川新聞社賞 薄れゆく虹少年の喉仏 小野 隆志
(終戦日水から動きはじめけり 中嶋 文枝)
産経新聞社賞 蟇一言居士の面構え 林 満子
毎日新聞社賞 茅の輪くぐる鏡の中に入るやうに 家田 あつ子
(定年の君の麦藁帽子かな 山本 一歩)
読売新聞社賞 天高し何から忘れはじめよう 川名 将義
(合格子のきれいになつてゐる机 小林 比奈子)
神奈川県現代俳句協会賞 浅蜊売りひょいと小石をつまみ出す 北村 とおる
(自分史の残りを生きて目刺焼く 大西 昭舟)
日本伝統俳句協会協会賞 人生は流れ解散冬紅葉 菅沼 葉二
横浜文芸懇話会賞 春ショールまとい風より軽くなる 松田 圭子