素晴らしいお天気に恵まれた三渓園観梅俳句大会となりました。しかし風は冷たく早春賦の「春は名のみの」歌詞の通りでしたし、本牧の大通りのコブシ並木もまだ堅い蕾のままでした。例年に比べて余寒のつづく横浜です。
句会場は再建された三渓翁が住まわれた鶴翔閣(かくしょうかく)で横浜市有形文化財です。少し歪みのある昔の窓ガラスごしに温かなお日様が差し込みます。大先輩の石井流花顧問のお話では、昔は白川郷から移築された合掌造り住宅での大会で、みんな寒さに凍えての俳句会だったそうです。先生は初代の観梅俳句大会の委員長で以降連続37回もご出席されておられます。
★横浜俳話会会長賞
春寒や煤に太りし自在鉤 大木典子
★神奈川新聞社賞
水音に風音に梅ひらくかな 岡田史女
★産経新聞賞
梅東風に薪の香混じる初音茶屋 鈴木香穂里
★日本経済新聞社賞
鯉跳ねて梅の開花を促せり 田中悦子
★毎日新聞社賞
溜息をつくとき梅のひらくとき 谷口ふみ子
★読売新聞社賞
紅梅や風に膨らむ陽の匂ひ 鈴木和代