四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

三渓園に秋惜しむ

2021-11-29 09:29:21 | 生かされて今日

 横浜の名苑、三渓園は綿花輸出で財を成した原三渓翁の遺して頂いた宝です。全国から収集した美術品、歴史的建造物、銘木を東京湾に近き広大な敷地に大池を中心に展開、散策や吟行、癒やしにベストです。

今やもみぢの時節、冬日和に恵まれてエントランスからもう多数の市民、観光客、異国の家族らが列をなしていました。普段にはない風景です。

 夜もライトアップでロマンチックな紅葉、黄葉を楽しめるそうでアベックも多いです。そうそう、句会で「今はカップルと言うのよ」と教えてくれました。なるほど。

まづ折れ折れの枯れ蘆に目がゆきます。晩年のおのが姿のようですが、枯淡の味わい、芭蕉翁のわびの美です。水鳥の浮き沈みする大池から五重塔の景色はすばらしい。

 石棺にイチョウ落葉が一枚、よく見ると底には溝が彫られて穴も開いていました。銀杏が最盛期です。夕日はつるべ落とし、北風は尖ってきて退散しました。

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私の夏、初秋15句

2021-11-03 19:09:12 | 俳句

   『うれしきこと』   

 睡蓮や父に無かりしこの余生

 籠枕(かごまくら)の探して

         をりぬ風の筋

 あちこち軋(きし)る昭和生まれや

         扇風機

 五七五にかまける余生蠅生まる

 沖縄忌ガマに散りしく

        海紅豆(かいこうず)

 

 昭和の背広昭和のレコード

           黴にほふ

 ふくらはぎに 萍(みづくさ)の

           つく少女かな

 はひふへほの呪文や口にかき氷

 おおんおおん鐘の哭(な)く声長崎忌

 

 ひさびさの酒場にひとり路地涼し

 深きかかはり避くる性分秋の蝶

★枝豆やうれしきことをのみ数ふ

コロナの世ですが身辺にある幸せ(青い鳥)に気づきましょう。

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