迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ごゑんきゃうげん15

2017-04-02 08:22:14 | 戯作
そして脇に控えていた下鶴昌之に、 「下鶴さん、ええやろ?」 と、振り向いた。 下鶴昌之は一瞬、戸惑った表情(かお)をした。が、 「まあ、保存会長さんがおっしゃるなら……」 と、神妙に頷いた。 やはり、“部外者(よそもの)”に見せることは、抵抗があるらしい。 僕はとりあえず、遠慮を申し上げた。 しかし熊橋老人は、アルコールも手伝ってか、やけに高らかな笑い声を上げた。 「いやいや、 . . . 本文を読む
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