そして脇に控えていた下鶴昌之に、
「下鶴さん、ええやろ?」
と、振り向いた。
下鶴昌之は一瞬、戸惑った表情(かお)をした。が、
「まあ、保存会長さんがおっしゃるなら……」
と、神妙に頷いた。
やはり、“部外者(よそもの)”に見せることは、抵抗があるらしい。
僕はとりあえず、遠慮を申し上げた。
しかし熊橋老人は、アルコールも手伝ってか、やけに高らかな笑い声を上げた。
「いやいや、 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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