迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

いかにしてこのひともとにしぐれけんやまにさきだつにわのもみじば。

2015-08-23 18:33:53 | 浮世見聞記
能舞台で、「六浦」を舞い仕る。

舞台は相模国六浦の称名寺、シテが庭の景色をしみじみと眺める、静かな曲だ。



能舞台といふ俗世から隔絶された空間に立つと、しだいに心が落ち着き、その曲の世界が、目の前にはっきりと映りだす。


そして、思ふ。


この空間こそ

わが住処

やっと帰ってきた


と。




人間ばかりの空間は、

生きるための嘘が、

あまりにも多すぎる。
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