この頃、若い親がベビーカーを押して歩道などへの低い段差を上るとき、前輪を段差に突っかけて前のめりになってゐる様を、ちょくちょく見掛ける……、やうな氣がする。
はじめから前輪を少し浮かせさへすれば何の問題もないのに、そのまま突っ込むので前輪が段差へまともにぶつかり、乗せてゐる可愛い我が子もろとも前のめりになってムダに肝を冷やしてゐるのだ。
私がたまたまさういふ光景を續けて見かけただけなのか、或ひは實際に低い段差への注意と、可愛い我が子への配慮の足りない若い親が増へてゐるのか──?
また逆に、前輪が歩道の段差を下りた直後に小石にでも引っかかったのか、ベビーカーが急停止してその勢ひで折り畳まれた状態となり、乗ってゐた幼児がアスファルトの地面へ見事に放り出されると云ふ事例も、目撃したことがある。
私のやうに、ただ無責任に浮世を眺めてゐるだけの人種には、さうしたヒトの意識のほどまでは解らぬ。
が、かつてはまず見られなかった光景であることだけは、確かだ。