迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

急がず歩かう先は長し。

2019-12-28 17:28:00 | 浮世見聞記

横浜市神奈川区の神奈川公会堂へ、来る一月十八日(土)に予定してゐる“ミニイベント”の手製チラシを届けに伺ふ。


演目はすでに回を重ねてゐる「那須与一」、そして正月らしいものとして、大藏流狂言から取材して踊りに仕立てた「すゑひろがり」のニ曲。

令和二年はじめての現代手猿樂であり、またはじめてのチラシづくり。



職員の方がラックの整理中に伺ったので、空のラックにまずは最初に入れてもらふ──賣れ残りではない!



現今は簡単なチラシなら、印刷屋に頼んで高額を払はずとも、自分でスマホを使って安価につくれる。

もとがアナログ人間なので、さういったことがおそろしく衝撃的に思へてしまふ。


「あるものは何でも使おう」──

今は昔、ある大先輩が稽古の場で口にした言葉を、かういふ時に必ず思ひ出す。


公会堂の正面には、今度の新春ロビーイベントの一覧と、


参加者それぞれのポスターが掲示されており、私の現代手猿樂も、事前に送った原版をもとに職員の方が作製してくださったものが貼り出されてゐる。



旧東海道を探訪中に、たまたま今度の企画を知ったのも御縁。

すぐに「『那須与一』をやりたい!」と決め、現地へ直接出かけて応募し、それがきっかけでチラシがスマホでも作れることを知り、かくして仕上がったものをかうして自画自賛す──


自分の手で始めた猿樂が、

確実に前へ、

歩を進めてゐる実感を得た、

師走の一日。





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