事故調査の報告書が、やうやく公表される。
『知床岬の北端付近で折り返した後、波が高くなった復路で浸水が広がったと特定した。また、船首付近にあるハッチがふたの不具合で開き、相当量の海水が流入したと推定されると判断した。』──
『波の高さ(推定)は知床岬で1メートル以上だったが、その後高くなり、カシュニの滝付近では2メートル以上に達していた。船体はもともと波の穏やかな水域での航行を想定した構造で、「1メートルを超えると航行困難になる」(運輸安全委の担当者)という。』──
不運にもすべてが負の方向へと重なって引き起こされた、明らかな人災事故であったと改めて認識する。
荒波のなかで船の浸水を目の當たりにした乗客たちの恐怖と絶望はいかばかりであったか……。
今年ほど「命の尊さ」を考へさせられた年もない氣がするが、そのきっかけがこの事件であったことは、間違ひない。
無事に生きてゐられることの有難さをよく噛みしめ、亡くなられた方々に改めて、
合掌