迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

表に見る裏出版。

2022-12-05 19:30:00 | 浮世見聞記
東京都千代田區神田小川町の東京古書會館で、「『地下出版のメディア史』展」を覗く。


大正半ばの1920年代、印刷技術の進化による書籍の大量生産は讀書の大衆化をもたらし、同時にオトナの抑へ難き欲求──“性風俗”を扱った書籍も水面下で隆盛となり、昭和初期には「珍書屋」と呼ばれる専門業者によって、會員諸氏に流通云々。

さうした近代出版文化の“裏街道史”を紹介した企画展かと思ひきや、これまでに蒐集したその方面の、今となっては貴重書の數々を所狭しと並べただけで、いまいち狙ひが傳はりにくい。


展示物は撮影可らしく、ここぞとばかりにそれら全てをスマホで撮りまくってゐる人たちがゐた。

私も會場内撮影可の場合、気になった箇所だけを冩真に撮ることはあるが、さすがに全ては撮らない。

會場内に響き續けるシャッター音に、あのヒトたちのはうがよっぽどヤラシイと思った。








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