『関東甲信も、梅雨明けしたと見ゆる』云々。
昨年より三十日遅れで──もっとも昨年は早かったのだが──、やうやく夏本番。
熱い夏。
茹だる夏。
ああ、しんどい季節が……。
は、夏が来る前の感覚。
いざその季節に飛び込むと、案外さうでもなかったりする。
そして、そんな暑さに在る自分を、けっこう楽しんでゐたりする。
夏には夏の、楽しみがあるゆゑに。
季節に不満がある人は、タダの通年性欲求不満、寒くなればなったで、今度は「さむいっ!」と怒り出す。
“働き方改革”より、“生き方改革”をすべし、じゃ。
手帳の、八月の頁をひらく。
やりたいことは、目一杯ある。
梅雨明けを告げるより先に夏を告げてゐた蝉の聲が、
今日は開幕宣言のやうに聞こえた。