四年ぶり、令和となってからは初めて、豆州河津町の河津櫻を觀に行く。
今年は寒氣がいつまでも居座る影響で開花が遅く、
“原木”がやうやく七分咲きとなったくらゐで、河津川沿ひの櫻はやうやく蕾が開き始めたばかり、
バッチリ咲ひてゐる菜の花との共演は、来週末になりさうだ。
開花にはまだまだ早いこともあって見物客はちらほらだが、
ヒトゴミ嫌ひな私には却って幸ひと云ふものだ。
例年ならば川沿ひを中心に軒を連ねる露店も今年はごくわずかで、酒類の提供はもちろんなし。
しかし、この時期の風物詩に逢ふことが叶ひ、
また人災疫病禍における行樂の實際も我が目で確かめることが出来て、
私としては今後の良い参考となる。
休憩施設内で、「ご旅行の際は最低限の感染予防對策を講じていただきますやう、ご協力をお願ひ申し上げます」と放送が流れてゐたが、やうするにこれからはそれに尽きてくるのである。
この人災疫病禍ではなるべく行動を控へるべきであることは、云ふまでもない。
しかし疫病禍も三年目となり、それを“理由”としてゐたはずがいつしか“言ひ訳”に変質し、何もやらない人間になってしまふことを、私は恐れる。
そろそろ旅行も手猿樂の活動も、時世に即したやり方を考へ、實行に移してみるべき時ではないか。
今回の豆州旅行はその手始めのつもりであり、他人(ヒト)が流す情報にばかりいつまでも寄りかかってゐても、結局は自分になんら進展をもたらさないと、私は信じてゐるものである。