国立能楽堂で、今年もろう者俳優たちによる「手話狂言・初春の会」を観る。
雇い主と使用人との、いつの世も変わらぬ心理をスケッチした「杭か人か」、夫婦関係とは何かを深く問ひかける「川上」。
ドタドタ劇になりかねないところを、地に足のついた確かな技芸で魅せ、ろう者も健常者も一体になって大いに笑ひを誘った「二人袴」―
休憩時間、ろう者の観客たちが、
『健常者は耳から情報が入るからいいけれど、わたしたちは目で手話を追ふぶん、目が疲れて眠気をさそわれる』
と、手話で会話をしながら笑ってゐる様子に、
「ああ、さういふものなのか……」
と、その人たちの立場でなくてはわからない事実を垣間見たやうで、ちょっと考へさせられた。
雇い主と使用人との、いつの世も変わらぬ心理をスケッチした「杭か人か」、夫婦関係とは何かを深く問ひかける「川上」。
ドタドタ劇になりかねないところを、地に足のついた確かな技芸で魅せ、ろう者も健常者も一体になって大いに笑ひを誘った「二人袴」―
休憩時間、ろう者の観客たちが、
『健常者は耳から情報が入るからいいけれど、わたしたちは目で手話を追ふぶん、目が疲れて眠気をさそわれる』
と、手話で会話をしながら笑ってゐる様子に、
「ああ、さういふものなのか……」
と、その人たちの立場でなくてはわからない事実を垣間見たやうで、ちょっと考へさせられた。