江戸東京博物館の企画展「大東京の華─都市を彩るモダン文化」を観る。數々の展示物のなか、私は松屋が昭和10年代につくったワンピースに強く惹かるる。(※フラッシュを焚かなければ撮影可)和服の生地で仕立てられたこのワンピースは、もとの所有者の二十歳の頃のものだと云ふ。その方は、さぞ綺麗な女性であったに違ひない──立ち去り難き風情かな。私は、服に戀をすることもあるのかと知る。 . . . 本文を読む
東急線の大岡山驛で下車する用事があったつひでに、江戸以来の湧水池を訪ねる。驛前から伸びる商店街を抜け、途中を右に折れて住宅が煩く續ひた先、木立に覆はれたなかに、「清水窪湧水」はある。池の小島に祀られてゐるのは辨財天、江戸初期に當時の地主が、この場所にこもる靈氣を感じたゆゑ祀った云々。また辺りを覆ふ木立は、江戸時代には昼間でも日が差さぬほど鬱蒼とした森であった名残りと云ふ。私が一昔前まで住んでゐた町 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20201105k0000m040268000c?fm=d報道屋のことだからどこまで正確な數字を傳へてんのか分かんないけど、そろそろ1000人超えがまた始まるんだらうなぁ……、って思ってゐたら、やっぱりさうなったわね。半年前と明らかに違ふのは、感染者 . . . 本文を読む
國立映画アーカイブの展覧会「公開70周年記念 映画『羅生門』展」を観る。中学生のときにTVで初めて観、京マチ子さんに陶然となった映画「羅生門」を、スタッフさんたちの目線から、遺されたノート(資料)などを通して完成までを辿った好企画。それはまさに、それぞれの分野の裏方さんたちの、誇り高き職人魂の結晶。映画は決して表方(役者)だけで成立するものではないことを、よく教へてくれてゐる。──現今の、タダの目 . . . 本文を読む
正常時ならば毎年この日は、自治体共催の文化祭に参加し、公会堂の舞台で現代手猿樂を舞って樂しむ日であった。しかし今年はそれも叶はず、舞ふつもりだった曲を我が城で“無観客上演”することで、いくらかの憂さ晴らしとする。横浜市の蒔田公園で毎冬開催の「光のぷろむなぁど」がさうであるやうに、今年の自治体主催、或いは共催や後援の文化祭は、“オンライン配信”といふ新しい形態で行なふところが多いやうだ。私の住む町の . . . 本文を読む
公共文化施設に入るときの決まりとして、入口で検温を受ける。係員は私の額に検温器をかざすと、「んっ……!?」と言はんばかりの表情(かお)をした。そして、まういちど検温します、と緊張の面持ちで告げた。私はドキリとした。まさか、まさか、そんな……。係員はまういちど検温器を私の額にかざすと、戸惑った表情のまま画面の数値を私に見せた。“35.8℃”一度目は、もっと低い数値が出たのだと云ふ。それで、「んっ…… . . . 本文を読む
地元の公共施設の文化祭を覗きに行くと、敷地内の公園で参加團体によるジャズコンサートが開かれてゐた。もともとは公共施設内の講堂での演奏を予定してゐたが、「3密を避けるため」、今回は野外で行なふことにしたのだと云ふ。屋内ではお互ひに逃げ場がないが、これならば聴衆は充分に安全圏を確保できる。その様子は、自身のこれからの活動の、良き参考となった。公共施設内での展示や實演も見たかったが、入口で検温と氏名記入 . . . 本文を読む