東京都目黒区駒場の日本近代文学館で開催中の、「日本をゆさぶった翻訳─明治から現代まで」展を観る。展示物の解説文が細ごまとして堅苦しく、文筆家気取りの無學者である私には内容がサッパリ入って来なかったが──独善的な小ムズカシイ言葉を羅列することがブンガクなのか?──、翻訳とは異國の字句をただ邦語に置き換へるだけの作業ではない、と云ふことが理解出来ればまずは良しか。私も翻訳小説はいくつか讀 . . . 本文を読む
半日以上ぶりに外へ出て、生暖かい夜風にむしろ惡寒を覺ゆる。有要時のみ外出する地元密着派生活を始めて、まう半年以上が経つ。かつての“平常時”以上に、時間の過ぎるのが早く感じるのはなぜだらう。いまの國難も、これくらゐの早さで去ってほしいものだ。ただ、かつての“平常時”など戻らなくてよい。振り返っても、ロクでもない事ばかりだったからな。新しい“平常時”を早く見たい。だが、それをこの國難が邪魔しよる。旧態 . . . 本文を読む
調べ物をしてゐて、つひ時刻(とき)を忘るる。さうだ、帰ってからまだ樂しみがあったんだ……!急ひで帰城する途中に、人災疫病の感染者がつひに全國で2000人を超えたと知る。来月かと予想してゐたら、まう今日に。人体感染實験は多數の國民の自己犠牲な協力により、實に素晴らしい成果を挙げてゐると云ふことか。自然災害からの避難に今や自治体からの警報を待つまでも無いや . . . 本文を読む
買ひ物に行く途中、人家の塀に小さな縫ひぐるみが置かれてゐるのを見る。落とし物を誰かが拾ってそこへ置ひたのか、或ひは家の人が飾りのつもりで置ひたのか──?まあ、どちらでもよい。私はべつに縫ひぐるみ好きではないが、それを見てちょっと心が和んだのは事實なのだから。 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tokyosports/sports/tokyosports-2413494?fm=dサンドウィッチマンのコントじゃないけど、「なに言ってるか、よく分からないんですけど……」やうするに屁理屈こねて駄々こねて、結局は自分の経歴に箔を付けたいだけ。そんなもの冥土のミヤゲにもならないのに。あの世へ持って行 . . . 本文を読む
神保町驛で、たまたま入って来た東急8500系を早撮り。普段から撮れるときに、少しづつ撮り溜めていく。さうした小まめな蓄積が、のちのち大きな“財産”となって、還付されるのじゃ。さう、何事もなう。 . . . 本文を読む
地元の紅葉がわずかに色づき始めた。見頃は来週末以降だらうか。紅葉と云へば紅葉狩、同名の謠本を開いて久々に吟ずる。前半の妖美さ、後半の鬼凄ぶり、その変化の妙で好きな曲だ。と同時に、残念な思ひ出のある曲でもある。あれはいつの頃やらん、女聲がひとり混ざる地謠に、私も座らされたことがある。惡い予感通り、不協和音のみっともない舞台となった。オンナは魔モノ──まさにこの曲にある通り。以来私は、謠ひはひとり吟じ . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-lif2011140021?fm=d『栃木県から家族4人で訪れた大学生の女性(22)は「感染者が増えているのに、想像以上に人がいたので驚いた。みんな気にしていないのかな」と不安げな表情を見せた . . . 本文を読む
當世風に、動画生配信で紙芝居を樂しむ。それは静止画に躍動(たましい)を吹き込む、相當な技量(うで)を求められる「話藝」。面白くするも、ツマラナクするも、語り手次第。そしてあとは観る側の工夫。當世を自覺する──たったそれだけのことで、命の心配はなくなるのだ。 . . . 本文を読む
散歩途中に立ち寄ったリサイクルショップで、上村松園の「花がたみ」(大正4年)の繪葉書に出逢ふ。同名の謠曲から取材したこの名画に、かつて國立近代美術館の特別展で初めて逢ったとき、口許から覗くお歯黒に艶めかしいまでの美しさを見て、しばらくその場から動けなかったものだった。その狂女に、私は再び逢った。原典の謠曲「花筺」では、狂女は愛する男性──天皇にておはします──との再會を果たし、狂亂はおさまる。私自 . . . 本文を読む
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-201112X446?fm=d『継続してくれという声や、効果が出ている』継続してくれ──當然フトコロに入れたであらう“口利き料”は、やはりGoToナントカの上がりから出たんでせうか?効果が出ている──さうですね、人体感染實験の効果は . . . 本文を読む
散歩道沿ひに、赤い實がたわわに成ってゐるのを見て、思はず足を止める。その豊潤な數に、なにやら儲けものをした氣分になる。その時は單純にナンテンだと思ってゐたが、帰城してから調べて、ピラカンサ、又はピラカンサスと云ふ毒性をもった外来種らしいことを知る。去年も同じことを話したやうな氣がするが、秋は植物が暖かい色を魅せる。おそらくはさうやって、冷たい空氣との均衡を図ってゐるのだらう。 . . . 本文を読む
横浜市中区北仲通五丁目、馬車道の近くには、かつて大正時代の古い倉庫があった。しかし、ここもご多分に漏れずタワーマンションを建てるとやらで取り壊され、ガッカリさせられたものだが、いつの間にか下層部をかつての倉庫の姿に復元した商業施設となってゐた。もちろん復元は外観のみ、なかの店舗は「……」。私にはまったく興味の外。それでも地下に遺構を残すことで、かつて横濱の歴史財産であった体面を、なんとか保つ。私は . . . 本文を読む
近ごろ街なかで見かける街頭ピアノが、凄まじい音を立ててゐた。感性(こころ)の無い音は、いくらそれを連ねても“演奏”とはならない。これはその好例なるか。足早に逃げながら、自身への戒めとす。 . . . 本文を読む