テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

消えた《美味》の謎を追え?!

2008-09-02 23:00:21 | 美味
 久しぶりのドーナッツ! おお、粉糖の良い香りがしますね~♪

「どなつゥ、でスかッ、ネーさ!」

 そうですよ、テディちゃ、
 お茶をいれて、さあ!おやつタイムにしましょ!……って、あれれ?
 ない? ないわ!
 ネーさの『ポン・デ抹茶ミルククランチ』はどこ?
 テディちゃ、知らない?

「しりィませんッ」

 おかしいわね、確かにここにあったのに。
 テディちゃ、ほんとに知りません?

「しりィませんッ!」

 そう……
 これは、昔の御本でいう《鼠にひかれた》
    (=鼠に盗られた、鼠に持っていかれた)
 ってことなんでしょうか。
 でもね、我が家に鼠はいないと思うのよ。

「しりィませんッ!」

 ………抹茶のドーナツ、美味しそうだったなあ。
 食べられなくて残念だけれど、どんなお味だったのかしら?

「おいしィかッたでスゥ!
 あまあまァ、だッたでスッ!」

 ………あまあま?

「とォッてもォ、あまくてェ、でもォ、おいしィのでスゥ!
 あまあ…………あァッ?
 しまッたァ!
 ば、ばれェちゃッたァ!」

 テディちゃ!

「にげるゥがァ、かちィ~~ッ!!!」 (←短い足で、ダーッシュ!)
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紅色の雲の切れ端は。

2008-09-02 13:54:47 | ブックス
 なぜか太陽が眩しい東京・多摩地方から、こんにちは、ネーさです。秋なのに~。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 きょうもォ、おてんきィ、ふあんていィッ!
 ネーさ、ゆだんしてるゥとォ、かみなりィ、くるでスよッ!」

 では、轟々たる雷音をも忘れさせてくれる?ミステリ短編集を、
 本日は御紹介いたしましょう!
 耳に届かなければ、雷なんてへいちゃらで~す♪ 



        
              ―― 紅雲町ものがたり ――


 
 
 著者は吉永南央さん、’08年1月に発行されました。
 短編5作品、うち2作は書き下ろし作品、
 また、冒頭の作品『紅雲町のお草』は
 第43回オール読物推理小説新人賞を受賞した作品です。

「えェーとォ、べにィ、べにィくもォ……?
 ネーさ、これェ、なんてェよむのォでスかッ」

 紅雲町と書いて、『こううんちょう』と読むんですよ。
 主人公は、その紅雲町で和食器とコーヒー豆を販売しているお店
 『小蔵屋(こくらや)』を営む杉浦草(すぎうら・そう)さん。
 お草さん、と親しまれている彼女は、数えで76歳のご婦人です。

「わぽォ~? こォ~ひィ~やさんッ?」

 いえいえ、コーヒー屋さんではなくて。
 お草さんのお店で販売されているのは、コーヒー豆。
 小蔵屋さんは、カフェではないんです。
 でも、無料でコーヒーを試飲させてくれるサーヴィスがあって、
 お店は毎日けっこうな賑わいを見せています。

 美味しいコーヒーがあって、人が集まれば、
 お草さんの耳は自然と会話や噂話を拾うこととなります。
 お隣さんがどうしたこうしたと、大声で喋る奥さまがた。
 女子高生たちの怪談や、
 運送会社の運転手さんの話。
 
「ふむふむッ、よくあるゥことでスゥ~」

 しかし、お草さんの心にはふと疑念が兆します。
 よくあること?
 これが?
 
 もしも、怪談の中に真実が隠れているとしたら?
 噂話の裏に、何かがあるとしたら?
 これが私の気のせいじゃなかったら?

 お草さんは、たったひとりで調べ始めます。
 奥さまたちが噂していた
 立派なマンションの一室に、
 ぜんたい何が起こっているのでしょう……?

「ええェッ、ひとりィでェ? だ、だいじょぶッ?」

 大丈夫、とは参りませんでした。
 マンション周辺をうろうろしていたのが誤解され、
 お草さん、さんざんな目に遭います。

 憤懣やるかたない!……でももう、見て見ぬふりも、出来ません。
 こうとなったら……非常な手段に訴えてでも!

 お草さんの選んだ手段とは?
 どこにも、証拠ひとつなく、
 あるのは、ただ、雲をつかむような話だけ。
 そんな、誰も知らない、気付いていない《犯罪》を、
 彼女は日の下に晒し出せるのでしょうか――どうやって?

「えェ~? どどどッ、どうしよゥ……?」

 亀の甲より年の功?
 試行錯誤しつつも、遂には真相を探し当てる傑物、お草さん!
 お店のために。自分のために。失ってしまった家族のために。
 せつない御話も混じっていますが、
 5作品の中で、お草さんは颯爽と美しい!
 ミステリ好きな御方に、お奨めの一冊です。

「むぽッ♪
 テディちゃ、いッてみよォッとォ♪」

 はい? 行くとは、どちらへ?

「『こくらや』さんでスッ♪
 おそうさんのォ、こォーひィー、のみにィゆくのでスゥ♪
 じゃッ、ちょこッとォ、いッてくるので~スゥ!」

 そうですか、いってらっしゃい。
 お草さんに、よろしくね。

「ふァいィ~ッ!」 (ばたばたばた、と足音)

 ……で、小蔵屋さんの住所は分かっているのかしらん、テディちゃは? 
コメント (2)
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