テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

てこてこ西へ、お伊勢ツアー!

2011-01-05 23:35:08 | ブックス
 漫画『ワンピース』ファンの方々!
 1月4日に発売された週刊少年ジャンプ新年5・6合併号を御覧になりましたかー?
 巻頭カラーの『ワンピ』見開きイラストが、
 ホントのホントに息をのむ美しさ!
 未見の御方は急ぎ本屋さんへ走ってくださいね!
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるるー!」(←訳:虎ですー!)

 さあ、本日も初春らしい一冊で読書タイム!
 活字マニアの皆さま、こちらを、どうぞ~!


  



                  ―― 御師 弥五郎 ――



 著者は西條奈加さん、’10年11月に発行されました。
 『お伊勢参り道中記』と副題が添えられています。
 『御師』は『おんし』とお読みくださいね。

「わおゥ!
 おいせまいりィッ!」
「がるがるるぐるぐるる!」(←訳:お伊勢さまへの参詣だね!)

 伊勢神宮――
 その歴史は古く、
 平安時代には既に、人々の信仰を集め、
 貴賓たちも参詣を繰り返しておりました。
 現代でも、
 そして、お江戸の時代にも、
 お伊勢さまへお参りすることは
 こころ浮き立つ憧れの旅、
 一大イベントだったようです。

 この御本の主人公、
 弥五郎(やごろう)さんは、
 お伊勢参りを行う人たちの
 道中の宿泊や、
 伊勢での参拝など、
 旅のスケジュール全般を手配する
 一種のツアーコンダクターさん、なんですね。
 いえ、ツアコンのおにいさん!なんて呼んではいけませんよ。
 『御師』は神主さんと同じように神職であり、
 御師の手代である弥五郎さんもまた、
 手代見習いとはいえ、
 神職さんなのですから。

「ふむふむゥ?
 おいせまいりィのォ、あんないやくさんッ!」
「がるるるるーぐるるる?」(←訳:でも観光業はたいへんそうだよ?)

 ええ、観光案内業務は見た目より激務であるというのは
 古今東西、共通の認識です。

 弥五郎さん、
 とある大店の主人さんが賊に襲われたところを助けたのが縁で、
 その主人さんから頼まれてしまいました。

  伊勢詣(いせもうで)への同行を
  おまえさんにお願いしたい――

「ごしめいィ、でスねッ!」
「ぐるるーがるるー!」(←訳:江戸からお伊勢へ!)

 けれど、弥五郎さん、
 よござんす!
 と、すぐには答えられませんでした。
 
 出来れば、伊勢へ行きたくない事情がある……

 そして大店の主人さんも、
 明かしたくない事情を抱えている……

 弥五郎さんたち、
 『講(こう)』というグループを組んで
 お伊勢参りに出立するお江戸の町人さん十人も加わっての
 西への旅の雲行きは……

「あやしいッ!」
「がるぐるぐる!」(←訳:危険な匂いがする!)

 『御師』。
 現代の私たちには聞き慣れぬ、けれど、はるかな昔から、
 日本の津々浦々に伊勢信仰を広めていった神職さんたちが
 新たな時代小説のヒーローさんとなりました♪
 弁は立たねど腕は立つ、
 弥五郎さんのスーパーツアコンぶりや、如何に!

「めでたきィ、おいせまいりでェ、どくしょはじめッ♪」
「がるがるぐるる~!」(←訳:道中はきっと晴天~!)

 室内派の活字マニアさんも、
 うちそろって弥五郎さんのツアーに便乗を!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする