テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

昔むかしへ、茶の旅路。

2011-01-20 23:22:41 | ブックス
 大寒!
 暦の上ではいっちばん寒~い!というこの日が過ぎて、
 明日からは暖かくなればいいなぁ、
 各地の雪も減るといいなぁ……と願うネーさです、こんにちは。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さあ、カイロを腰や背中や、肩こりさんは肩にぺたんと貼ったなら、
 本日も読書タイム!
 暦に刻まれる今日という日には、
 日本史に刻まれるこの御方についての一冊を、どうぞ~!


 



                 ―― 利休入門 ――



 著者は木村宗慎(きむら・そうしん)さん、’10年1月に発行されました。
 写真が多数掲載されていて、
 ヴィジュアルの面からもとても分かりやすい構成の
 『とんぼの本』シリーズ、
 この御本のテーマは……千利休さん。

「ふァいッ!
 テディちゃ、しッてまスゥ!
 おちゃのォ、ひとでスゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:うん、茶人さんだよね!)

 日本の文化史、というよりは、
 日本の歴史にその名をくっきりと刻む《美》の匠、
 千利休さん(1522~1591)。

 先ずは、表紙のお写真の《美》に
 目が吸い寄せられます。
 利休さん作の竹花入に
 お花は川瀬敏郎さんの手によるもの。
 小さな白い花は、豆朝顔、だそうです。
 撮影が行われたのは大徳寺瑞峯院安勝軒……
 お茶をなさる方々には、
 深い意味を持つ場所ですね。

「きんぴかッ、ではありませんでスよゥ!」
「ぐるるるーがるがるる?」(←訳:噂の金の茶室はどこ?)

 かつて太閤秀吉さんが作らせた組立式三畳の黄金の茶室から、
 現在は国宝になっている利休さん作の待庵、
 或いは大名さんたちが居並んだであろうお城の広間で、と
 利休さんは多様な《茶》をプロデュースなさいました。

 けれど私たちは、
 数百年の年月に隔てられ、
 利休さんの《茶》が実際にはどんなものであったのか、
 ぼんやりと想像することしか出来ません。
 幾百もの言い伝え、本当か嘘か判然としない伝説の、
 どれが本当の利休さんの姿なのでしょう?

 著者の木村さんは一歩ずつ、
 望遠鏡で星を探す人のように、
 利休さんの輪郭を点描してゆきます。
 平易な言葉で、
 写真や図版資料とともに、
 ゆるゆると――

「うむッ!
 おちゃにはァ、くわしくないィテディちゃにもォ、ついてゆけまス!」
「がるるぐるる!」(←訳:初心者でもオッケー!)

 ユーモアもちゃあんと加味されておりますよ。
 60ページ&61ページでは、
 日本画家さんであり、書物の表紙画や装丁でお馴染みの
 山口晃さんによる
 ミニドラマ?『北野大茶湯の一日』が
 微笑ましくも渋~い光を放っています!
 最後のコマの、山口さん描く利休さんの横顔が……後日の運命を予感させる!
 って言ったら大げさかしら?

「うんめいッ……!」
「がるる……!」(←訳:宿命……!)

 難しそうでいて、
 でもちっとも気取ったところのない
 利休さん研究入門書、
 お茶にはボクあんまり興味は……という御方も、
 ぜひ御一読くださいな♪
 歴史好きさんも、ぜひ~!

「りらッくすしてェ、むかしむかしィにッ!」
「ぐるるーがるる!」(←訳:時間旅行をー!)
  
コメント
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