テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

フィルムはミラクル!

2012-04-16 23:32:21 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 せーのっ……じゃじゃん!

  

 散り初めのサクラちゃんも、風情があってよろしゅうございますね。
 一方、街中では……じゃじゃん!

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 これはァ……しだれざくらちゃんッ♪」
「ぐるる!がるがるるるがる~!」(←訳:虎です!ピンクが可愛い~!)

 通行量の多い甲州街道沿いで咲く枝垂桜ちゃん……
 そういえば、
 京都・円山公園の有名な枝垂桜ちゃんはどうしているでしょう?
 花の女王さまのような御姿を思い浮かべながら、
 さあ、読書タ~イム!
 本日は、こちらの一冊で、週の始まりを元気よく~!

  


 
              ―― これは映画だ! ――


 
 著者は藤原帰一(ふじわら・きいち)さん、2012年3月に発行されました。
 前回記事では
 生物学者さんによるフェルメール研究本を御紹介いたしましたが、
 こちらは、国際政治学者さんによる映画評論!
 
「せいじィがくしゃさんッ??」
「がるるぐるがる??」(←訳:なのに映画評論??)

 2007年8月から『AERA』誌上に掲載された、
 藤原さんの映画コラム《映画の記憶》をまとめたもの、というこの御本の内容は、
 ……危険です!
 
「きッ、きけんッでスかァ??」
「がるるるぐるっ?」(←訳:どうしてまたっ?)

 映画評論でゴハンを食べてるんじゃないんだもん。
 そんな自覚をお持ちの門外漢さんだからでしょうか、
 著者・藤原さん、斬ります。
 もう容赦なく切り伏せにかかります。

   ハリウッド映画はリサイクルで成り立っている。
   期待、したんですけどね。期待しすぎたのかもしれません。
   魂のない映画。
   消去法で作ると映画が痩せる。
   過剰な演技は体に毒です。
   私には災難でした。
   はい、この映画、まったくわけがわかりません。
   説得力がない。

 と、こういった感想をぶつけられたら、
 映画会社の宣伝マンさんは失神しちゃうんじゃないかしら。

「うむむッ!
 だいたんはつげーんッ!」
「がるるる!」(←訳:辛口だあ!)

 けれど藤原さん、誉めるときはきっぱり誉めます!

   こんなに胸に沁みるラブストリーは久しぶりです。
   俳優の力に感服する映画でした。
   見事な演出だ。
   文句なしの名作。
   がんばれペンギン、ディズニー・ネズミなんかに負けるな!

「ぺんぎんッ?? ねずみィ??」
「ぐるがるぐるるる~がる?」(←訳:ペンギンマニアなのかな~?)

 ペンギン好きの藤原さんにとっての《いい映画》とは――
 
   黒澤監督の顰(ひそ)みに倣っていえば、
   『映画になった』という手応え、
   見ただけで嬉しくなって、
   これは映画だと膝を叩きたくなるような作品が、
   私にとってのいい映画だ。

 そしてまた、

   名作なんかじゃなくていい。

 とも述べておられます。
 名作じゃなくても、
 傑作じゃなくても
 私にとって持つ意味は変わらない。
 私の人生には大事な映画だ、と。

「うむむッ!
 たにんのォ、いけんにィ、えいきょうされないィぞッ!」
「がるるぐるぐるるがるぐる!」(←訳:ボクの名作はボクが決める!)

 業界のしがらみに縛られない、
 おおらかにして自在、
 笑いもたっぷりな新風映画評論本、
 映画&映像好きさんは必読です!
 御本の見返しには、

   国際政治学者とは、世を忍ぶ仮の姿。
   その正体は『これは映画だ!』と
   膝を打つ至福の瞬間を求めて徘徊する映画の虫。

 とありますから、
 今後も藤原さんの映画コラムに注目を~♪

「なにがァおこるかァ、わからないィ~!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:ミラクル映画論に拍手!)
 
コメント
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