テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

山のお家で、待ってます。

2012-04-12 23:22:04 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 昨日の風雨を乗り越え、今日もサクラちゃんは咲いてくれました~♪

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いまがァ、さいこうのォ、みごろッ♪」
「がるる!がるぐるる~る!」(←訳: 虎です!桜餅くださ~い!)

 サクラの下で桜餅、
 イチゴ大福や抹茶アイスクリームもいいわね!
 では本日は、サクラ見物おやつの友に、
 こちらの絵本はいかがでしょうか~♪

  


 
              ―― 泣いた赤鬼 ――


 
 文は浜田廣介さん、画は浦沢直樹さん、2011年12月に発行されました。
 1933年に発表された浜田さんの童話『泣いた赤おに』に、
 新たな“映像”の風を吹き込んだのは
 『20世紀少年』『PLUTO』の漫画家・浦沢尚樹さん!
 プロデュースは『MASTERキートン』『PLUTO』他で
 浦沢さんと共同制作をしておられる長尚志さん!

「わぽゥ! ごーるでんとりおッ、でスゥ!」
「がるっるー!」(←訳:すっごーい!)

 表紙の赤鬼さんのお顔からして、
 浦沢さんの画だわ!と
 ファンの方々には分かっちゃいますね。
 浦沢さんタッチの、赤鬼さん!

「まッかでス!」
「がるぐるる!」(←訳:ツノもある!)

 画は間違えようのない浦沢さん流《鬼》、
 けれども、物語には何の変更も加えられていません。
 童話作家・浜田さんの作品そのまま、
 ヒトとの交流を求める赤鬼の、
 喜びと悲しみのものがたり――

「こころのォやさしィ、おにのォ、うちでス!」
「ぐるるがるぐるがるる!」(←訳:ドナタモオイデクダサイ!)

 赤鬼をたすけるために、
 友人の青鬼がしたこととは……。

 文字(文章)だけで読む『泣いた赤おに』では、
 人間(人間界)と鬼の差違、
 鬼のこころの優しさが
 印象に残ります。
 が、こうして絵本に生まれ変わった『泣いた赤鬼』を手にしてみると、
 読後感を占めるのは別種の印象です。

 ヒトと鬼の差違?
 いやいや、そんなのどぉってことない!
 百人いれば百様の顔かたち!
 みんなそれぞれ、違っていてもオッケーでしょう♪
 大事なのは、違いじゃなくて、
 顔とかカッコとか生まれ育ちじゃなくて、
 何をしたか、ってこと。

  青鬼は、何をしたか?
  赤鬼のために?

  赤鬼は、何をしたか?
  青鬼を想って――

「あかおにさんはァ、なきましたでスッ!」
「がるぐるる……がるる!」(←訳:青鬼さんも……たぶん!)

 有名な童話ですから、
 私たち読み手は知っています。
 どんな結末が待っているかを、知っています。憶えています。

 それでも、ページを捲る手を止められません。
 赤鬼の涙から、
 眼を逸らすことは出来ません。
 ともに、青鬼を想わずにはいられません。

 漫画好きさんも
 絵本好きさんも、
 童話好きさんも、ぜひ!
 山の向こうの赤鬼の家をお訪ねくださいな~♪

「どなたもォ、おいでくださいィッ!」
「がるっぐる!」(←訳:マッテマス!)

 
コメント
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