テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

アドリア海を編隊が飛ぶ!

2013-10-06 21:48:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くるくるくるゥ~のォ、きんめだるゥ!」
「がるる!ぐっるるがる!」(←訳:虎です!すっごい回転!)

 こんにちは、ネーさです。
 ベルギーで行われている体操2013世界選手権の映像は圧巻ですね!
 敢闘した選手さんたちに拍手を!

「ぱちぱちぱちィ!」
「ぐるるがぅるる!」(←訳:ナイスファイト!)

 では、私たちも見事な着地めざして読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  



 
                 ―― 時鐘の翼 ――



 著者はルカ・マサーリさん、原著は1996年に、画像の日本語版は2013年に発行されました。
 伊語原題は『I Biplani di d'Annunzio』、
 『時鐘』は『じしょう』とお読みくださいね。

「むゥッ?? いたりあァ??」
「がるるるぐる?!?」(←訳:イタリアの本?!?)

 ええ、著者・マサーリさんは、イタリアはトリノ生まれの作家さんです。
 しかも、この御本は
 イタリアのSF誌『ウラニア』主宰の長編コンテスト受賞作!
 SFで、イタリアの御本で、というのは
 日本の出版界ではけっこう珍しいわね♪

「いたりあァえすえふゥ! わくわくゥでスゥ!」
「ぐるるがるがるる?」(←訳:どんなお話だろう?)

 イタリアのSFって、とっつきにくそう~…
 そんな風に警戒してしまう活字マニアさんも、
 読み始めてほどなく、
 あれッ?
 と思うことでしょう。

 シュターケン?
 ツェッペリン?
 カプローニ?

 どこかで聞いたような……?

「それはァ、もしやッ!」
「がるぐるる!」(←訳:あの映画の!)

 ええ、宮崎駿さんの映画『風立ちぬ』に登場していましたね、
 イタリアの航空技術者ジョヴァンニ・バッチスタ・カプローニ伯爵(1886~1957)!
 (カプロニ、と表記されることもあります)
 この御本では、カプローニ飛行艇がバンバン飛び、
 主人公さんと一緒に大活躍もいたしますよ!
 時代的には、そうね、
 『紅の豚』と完全にかぶってもいます!

「なんだかァ、いめーじィがァ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:湧いてきた!)

 1921年11月。
 大戦争による混乱が続くヨーロッパ、
 北アドリア海の上を
 シュターケン機の編隊が飛行していました。

 マッテオ・カンピーニ大尉が操縦しているのも
 そのうちの一機です。
 
 巨大な複葉機が目指すのは、敵国、イタリア――

「あれッ? あれれッ?」
「がるっるぐる!」(←訳:それってヘン!)

 そう、ヘンなのです。
 第一次世界大戦は1914年~1918年、でしょ?
 なぜ1921年にシュターケン機が、
 それも爆撃の装備を積んだ大型機の編隊が
 夜闇に隠れて飛行しているのでしょう?

 どうやら、御本の中の世界は
 私たちのこの世界とは
 違った歴史を歩んでいるらしい……?
 しかし、当然のことながら、
 機を操縦するカンピーニ大尉はそれを知りません。
 
 シュターケン機はカンピーニ大尉を
 いったいどんな未来へ連れてゆくのか……?

「れきしがァ、かわるゥ?」
「ぐるがる?」(←訳:時間SF?)

 世界大戦とヨーロッパの歴史、当時の政治情勢、と
 日本人にはちょっと分かりにくい部分が
 物語の重要な要素になっているのですけれど、
 スタジオジブリ作品で鍛えられた活字マニアさんなら、
 きっと大丈夫!
 
 カプローニ機が大役を果たす稀有なSF作品、
 ぜひとも、読破しちゃってくださいね!

「ぽるこさんもォ、だしてェ~!」
「がるるぐる!」(←訳:それはムリ!)
 
 
コメント
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