テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

モノクロモードの、旅するニッポン。

2013-10-01 21:31:27 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 あきィ、きたるゥ~♪」
「がるる!ぐるる!がるぅー!」(←訳:虎です!紅葉だ!旅だぁー!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日から10月!
 秋の観光&旅行シーズンに突入です♪
 え? 雨ですか? 台風ですか?
 だいじょうぶ! 雨も台風も永遠に居座るワケじゃありません!
 盛り上がる旅ゴコロのままに、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を堪能されたし~!

  



 
           ―― グローブトロッター ――



 著者は中野明(なかの・あきら)さん、2013年6月に発行されました。
 『Globetrotter』と英語題名が、
 『世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』と副題が付されています。

「ぐろーぶとろッたァー?
 ふァいッ! テディちゃ、しッてるでスゥ!」
「ぐるるがっるるる!」(←訳:ボクも知ってるよ!)
「おッきなァ、すーつけーすゥ!」

 ええ、そうよね、
 『グローブトロッター』といったら高級な旅行カバンのブランドで、
 私ネーさもいつかは欲しいと……って、
 違いますー!

 ここで謂う『グローブトロッター』とは、
 『世界漫遊家』
 もしくは
 『世界漫遊者』
 などと呼ばれる旅行者さんを指しています。

「ふむゥ、たびびとさんかァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:世界規模の旅!)

 19世紀後半、
 《旅》は一種の流行になりました。

 ジューヌ・ベルヌさん著『八十日間世界一周』のような、
 国境を越えての、世界のあちこちを巡る旅。

 ちょうどその頃、
 日本は開国したのですね。

 年号が『明治』と改められた当時のニッポンへ
 大勢の《世界漫遊家》さんたちがやって来ます。

「こうきしんッ、おうせいィ!」
「ぐるるる!」(←訳:旅マニア!)

 そんな好奇心ではちきれんばかりの漫遊家さんたちを
 著者・中野さんはこの御本で紹介し、分析もしています。

 旅行代理店なる組織を
 世界で初めて創設したトーマス・クックさんの世界一周。

 旅行記『日本奥地紀行』の著者であり、
 近年とても注目されているイザベラ・バードさん。

 明治政府に雇用されて日本に滞在中の学者さんや技術者さんが
 休暇を利用して旅をすることもあれば、
 きわめつけに優雅な旅行者さんもます。

「ゆうがなァ、たびびとォ?」
「がるるるぐる?」(←訳:お金持ちなの?)

 すごいなあ!と感心させられたのは、
 この御本の第3章に登場する
 チャールズ・ロングフェローさん。

 米国の国民的詩人ヘンリー・ロングフェローさんを父に持ち、
 祖父と母は大富豪、という血筋の御方で、
 見た目もハンサムな《世界漫遊家》。
 いえ、世界大名旅行家、と形容した方がいいかしら。

 莫大な資産を後ろ盾に、
 数多の紹介状を携え、
 ベルトに拳銃、武装した護衛も連れて、旅から旅へ。
 三菱の創業者となる岩崎弥太郎さんに会ったり、
 明治天皇に謁見する一団にまぎれ込んだり、
 蝦夷まで遠征したり。

「むむゥ~、ぜいたくゥりょこうッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:羨ましいね!)

 また、
 ロングフェローさんとは反対に、
 学問や調査のための過酷な旅あり、
 画材を抱えた画家さんの旅あり、と
 明治ニッポンの旅行事情は
 いままさに開かれんとする国の
 大きな未来性をも垣間見せています。

 世界旅行の途中の異人さんたちに、
 明治のニッポンはどのように映ったのか――

「たのしんでェくれたかなァ?」
「がるぐるるるがっるるる?」(←訳:いい思い出になったかな?)

 旅行好きな活字マニアさんに、
 歴史好きな御方にも
 おすすめのこの一冊!
 図版や写真資料(当然ながらカラーはまだ無し!)も貴重です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

「たいむましんがァ、あッたらァ!」
「ぐっるがるるるぐるがっるる!」(←訳:行ってみたいね明治ニッポン!)




コメント
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