テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 慕われる《素顔》 ―

2013-12-01 21:38:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……わきゃァッ? じゅうゥ~にィがつゥ~ッ??」
「がるる!ぐるがるぅ!」(←訳:虎です!師走ですぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 12月が来ちゃいましたね。
 ああ年末は忙しい~っ!という活字マニアさんも、
 お暇な折には読書タイムに付き合って下さいまし♪
 では、本日の一冊を、どうぞ~!

  



              ―― 天才・菊池寛 ――



 編者は文藝春秋の皆さん、2013年10月に発行されました。
 『逸話でつづる作家の素顔』と副題が付されています。
 1987年、菊池寛さん生誕100周年を記念して制作された
 『逸話に生きる菊池寛』(非売品)を原典に、
 この御本は編集・刊行されました。

「きくちィかんさんッ!」
「ぐるるるー!」(←訳:有名人だー!)

 20世紀日本文学史上の大スター、ともいうべき
 菊池寛さん(1888~1948)。
 お名前を『かん』と読むのは筆名で、
 本名は寛と書いて『ひろし』と読むのだそうです。

 『父帰る』『忠直卿行状記』他、
 ヒット作を連打する作家さんであり、
 劇作家さんであり、また、実業家さんでもあった菊池さん。

 この御本は、
 作家・菊池寛さんよりも、
 市民・菊池寛さんを偲ぶエピソード集なのですが……

「すごいィでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:破格で豪快!)

 明治、大正、昭和。
 怒涛の20世紀前半に菊池さんが刻んだ足跡は
 作家としての業績だけではなく、
 起業家としても瞠目すべきものでした。

   雑誌『文藝春秋』を創刊!
   それが大成功して大金持ちに!
   大映の初代社長さんになって、
   衆議院選挙に立候補して落選して、
   競馬が大好きで馬主さんにもなり、
   卓球も大好きで、
   麻雀も大好きで、
   でも遊んでるだけじゃなくて、
   文学者さんたちの金銭面を援助する――

 という御方ですから、
 菊池さんを追慕する方々は語る《秘話》にこと欠きません。

「あさァおきてもォ、かおをォ、あらわないィ??」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:ハミガキは使わない!)

 ええっ?と驚く行動、
 そうかぁ~と感心させられる目撃譚、
 風変りな日常の習慣や、
 東京大震災の直後に愛人の芸者さん一家が
 家に転がり込んできたスキャンダル?まで、
 うぅ~む、
 これが《天才》さんの素顔なのかしら……。

「でもォ、ふしぎとォ~」
「がるがる!」(←訳:憎めない!)

 愛嬌があるってこういうこと?
 天衣無縫ってこういうこと?

 これほど慕われ、頼られた作家さんは
 空前絶後なのかもしれません。

「やぱりィ、てんさいッ?」
「ぐるるる!」(←訳:なんだね!)

 20世紀文学史に興味をお持ちの方には苦笑い&爆笑?のこの御本、
 菊池さんの作品を未読の方々も、ぜひ!
 友達になりたい♪とワクワクさせてくれる《天才》が
 ここにいます!



  
コメント
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