テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

埋もれた《時代》の裏側へ。

2013-12-13 21:37:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆうぞらにィ、きんせいッ、きれいでスゥ♪」
「がるる!ぐぅーるるがるるる!」(←訳:虎です!ヴィーナスだもんね!)

 こんにちは、ネーさです。
 初冬の夕空に眩い金星の光……
 本日の読書タイムは“金”つながり!ってワケでもないんですが、
 かつての新興国ニッポンの“お金”の流れを追いかける、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  



 
              ―― 明治富豪史 ――



 著者は横山源之助(よこやま・げんのすけ)さん、
 原著は1910年に、画像の文庫版は2013年10月に発行されました。

 1910年の御本、というと、漢字は旧字体ですし、
 カナの使い方などもずいぶん違っているもの、ですが、
 こちらの文庫版では、旧字は読みやすい新字・新カナに改められ、
 難読字にはルビが付されています。

「うむむゥ?? これはッ、またァ~…」
「ぐるーるっるがるる~…」(←訳:ユニークっていうか~…)

 著者の横山源之助さん(1871~1915)さんは
 明治期に活躍したジャーナリストさんです。

 
 ジャーナリストさん、といっても
 横山さん、大新聞の折り目正しい記者さん、とはちょっと違うようで、
 現代では、そうね、
 スポーツ新聞のスクープ記者さんや、
 或いは週刊誌の記者さんのような、
 アグレッシヴなルポライターさん、と形容すべきでしょうか。

「せんにゅうゥれぽーとッ!」
「がるがるっ!」(←訳:実情調査っ!)

 この御本で記者・横山さんが報ずるのは、
 明治期の《富豪》たちの実像です。

 大変動の時代=明治期には、
 どのような《富豪》たちがいたのか?

 彼らはどうやって成り上がっていったのか?

 富を得た手段、
 お金持ち同士のつながり、連携、
 そしてまた彼らの栄枯盛衰……

「ゆうめいなァ、おかねもちもォ、いればァ~」
「ぐるるがるるぐるがるぐる!」(←訳:聞いたこともない人もいる!)

 御本巻末の解説で
 色川大吉さんが評しておられるように、
 著者・横山さんの文章は少々読みにくく、
 文体も古めかしくて……と
 クセがあります。

 けれど、そのクセを補って余りある筆の力――熱気が、
 ここにはあります。

 豪商、維新の英雄、
 もとは大名であった華族たち、
 経済力で階級を超えてゆく財閥の創設者たち、
 海の彼方で成功をつかもうとする冒険者……

 現代では在り得ないような、《富豪》の実像。

「きょうかしょにはッ」
「がっるるる!」(←訳:載ってない!)

 正確無比な第一級資料、とは言えないかもしれない御本。
 けれど、歴史好きさんには
 ぜひ一読していただきたい一冊です。

 そして、
 全編を通して最も《富豪》らしいのは、
 やはり、三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎さんであったように思います。
 大河ドラマ『龍馬伝』で
 香川照之さんが怪演した岩崎弥太郎像に惚れちゃった御方は、
 この御本の中の青年期の弥太郎さんを
 お読み逃しなく!

「じだいのォ、あぶないィうらがわッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:覗いてみてね!)
  


 
コメント
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