テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

♪あかい めだまの さそり♪

2013-12-16 21:26:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わはァ! さばくにィ、ゆきッ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!嘘みたい~!)

 こんにちは、ネーさです。
 エジプトで122年ぶりに降雪!というニュースを見てビックリ!
 欧州はひどい寒波に襲われているようですね。
 ここ日本もたいそう冷え込んでいますが、
 さあ、読書タイムでホッと温まりましょう♪
 本日は、こちらの写真集を、どうぞ~!

  



 
           ―― イーハトーブ・ガーデン ――



 文・写真は赤田秀子(あかだ・ひでこ)さん、2013年9月に発行されました。
 『――宮沢賢治が愛した樹木や草花』と副題が付されています。

 冬の訪れとともに、
 いよいよ天高く輝きわたり
 私たちの目を惹きつけるのは、やはり、オリオン座でしょうか。

 そして、オリオンといえば、
 宮沢賢治さんの
 『星めぐりの歌』!

「ふァいッ、テディちゃ、うたえまスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:ボクも歌えるよ!)

 賢治さんが作詞作曲した『星めぐりの歌』には
 さそり、わし、子いぬ、へび……と
 オリオン以外にも
 星座の名前が歌われていますし、
 そもそも、
 賢治さんの作品には
 天象・気象の用語が頻々と書き込まれたり、
 或いは気象状況――風や雪そのものが
 小説の主題になっている場合もありますね。
 主題ではなく主役、といってもいいかもしれないわ。

「どッどどどどゥ!」
「がるるぐる~!」(←訳:大風が吹く~!)

 星の世界をめぐり、
 雨風の狭間を駆け抜ける合間に、
 賢治さんは“地上の星”にも
 しっかりと目を留めていました。

 この御本では、

 第一章が《早春から春へ》
 第二章は《初夏》
 第三章は《真夏》
 第四章では《秋へ》

 と、四つの章ごとに
 賢治さんの作品に登場する樹木・草花が、
 詩歌・童話や小説の一節、
 また美しい写真も併せて掲載されています。

「さいみつゥしゃしんッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:お花ににじり寄り!)

 御本の表紙になっているのは
 早春のヤナギ、です。

 《早春から春へ》では、他に、カタクリ、サクラ、ゲンゲ(蓮華草)……

 《初夏》では、ホタルカズラ、チーゼル(ラシャカキグサ)、オニグルミ(鬼胡桃)……

 《真夏》では、ハス、スイレン、ミヤマウイキョウ、ゲンノショウコ(現の証拠)……

 《秋へ》では、ツリガネニンジン、ヌスビトハギ(盗人萩)、リンドウ……

「うんうんッ、どのおはなもォ、でてくるでス!」
「がるがるるぐるる!」(←訳:賢治さんの作品に!)

 瑞々しい草花たちの写真に見入った後は、
 巻末のあとがきもお読みくださいね。
 著者・赤田さんの抱く樹草花への、
 そして宮沢賢治さんへの敬愛が伝わってくる素晴らしい文章です!

「みどりのォ、のやまはッ」
「ぐるるるる!」(←訳:われらの宝!)

 すべての活字マニアさんにおすすめしたいこの御本、
 書店さんの写真集やアート本コーナーで探してみてくださいな♪



 
コメント
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