テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

江戸わんこ、ふたたび!

2019-01-17 22:11:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、わんにゃんッ?」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ワンの方だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事では北斎さん描くワンニャンたちの
 展覧会情報をお伝えしました♪
 そして、本日の読書タイムも、ワンコがほぼ主役!なんです。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



       ―― 猛犬、月に咆(ほ)える ――



 著者は経塚丸雄(きょうづか・まるお)さん、
 2018年10月に発行されました。
 《わんわん武士道》シリーズの第2作目になります。

 昨年末にご紹介したシリーズ第1作『猛犬、江戸に跳ぶ』は、
 ハチャメチャな、いえ、
 動物ユーモア小説と時代小説をミックスしたような
 たいそう楽しいエンタ作品で、
 私ネーさ、大ファンになってしまったのですが。

「こんかいィもォ、あいつゥがァ~…」
「ぐるる!」(←訳:出ます!)

 そう、オバケが出ま、いえ、オバケじゃなくて、
 まあその、オバケかと思うくらいのワンコ、ってことなのよね。

 御本の表紙にも、
 ズシーンとした重量感たっぷりのボディが描かれているのは、
 “猛犬”の仁王丸(におうまる)くん。

 推定体重は、70~80kgはありそうな……。

「しかたないィのでスゥ!」
「がるるるぐるがるるるぅ!」(←訳:そういう犬種なんだよぅ!)

 仁王丸くんの生まれ育ちは非常に複雑です。

 異国船のカピタンが徳川将軍家に献上した、
 マステフ犬。(←現代でいうマスティフ犬、ですね)

 江戸のお城で、
 ごはんをたっぷり与えられ、
 気ままに暮らしてはいても、
 小さなうちに親兄弟から引き離された仁王丸くんには、
 “生活のルール”がよく分からない――

 昼夜の見境なくムダ吠えをしたり、
 力任せに壁を倒したり、壊したり。
 
「でもォ、あらわれたァのでス!」
「ぐるるるるる!」(←訳:救い手さんが!)

 小笠原官兵衛(おがさわら・かんべえ)さんは、
 江戸幕府の旗本であり、
 口笛ひとつで“鳥寄せ”も出来ちゃう動物好き。

 官兵衛さんと出会ったことで
 仁王丸くんは変わりました。

 官兵衛さんを信頼し、
 ともに暮らして“生活のルール”を学び、
 本来の賢さを発揮して、
 そうすればもう、
 誰にも無礼な犬だと罵られたりしません。
 皆から一目置かれます。

「よかッたでスねッ!」
「がっるぅるぐるるるる!」(←訳:グッジョブ仁王丸くん)

 とはいえ、
 賢くなったらなったで、またタイヘンです。

 人口百万を超える、
 世界最大の都市・江戸。

 人間が100万いるのですから、
 ワンコの数も相当な都市・江戸。

 そうなると、ワンコマニアというのも……?

「いまスかァ?」
「ぐるる!」(←訳:いるね!)

 現将軍(十代将軍・家治公)の弟、
 前将軍(九代将軍・家重公)の次男。
 もしかしたら、次の将軍さんか?とも噂される、
 重好(しげよし)卿。

 この重好卿が、大のつくワンコ好き♫

 でありましたから、
 仁王丸を見事に手懐けた官兵衛さん、
 重好卿の目には立派な好人物と映ります。
 
 そうして、世の中には、
 官兵衛さんが偉いヒトに重用されたり、
 出世するのを面白く思わない者たちもいるらしい……?

「ふァ~…おさむらいさんッてェ~…」
「がるるぐるるる~…」(←訳:楽しくなさそう~…)

 せっかく、良いワンコだ!と認められたのに。
 お江戸の町を散歩するのも
 大好きになっていたのに。

 仁王丸くんの、
 官兵衛さんの安穏な日々は、どうなるのか――

「ふんばれッ、におうまるくんッ!」
「ぐるがるるぅる!」(←訳:跳ね返しちゃえ!)

 愛犬家さん大喜びのエンタ時代小説、
 愉快な御本をお探しの方々におすすめです。
 ぜひ、一読を~♪
 

 
 
 
コメント
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